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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第四章 獣王の統べる国
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第76話 新しい力は難点だらけ


 フーシェンとファンキー爺いの話は終わったらしい。ファンキー爺いは俺に話があると言い、手間抜きをしてくる。


「ファンキー爺い話してなんだよ」


『神殿を建て直してくれたのと、フーシェンの手助けをしてくれた事に関しては礼を言おう。だが神殿を吹き飛ばすのはやめるんじゃ』


 あーまだ根にもってんのかよ……。さっきより立派な建物になったろーに。


「はいはい。じゃあ話は終わりだな? バイバーイ」


『待たんかい! そこに倒れてる黒狼の男は、邪神の眷属の末端だぞ? 儂が意識と、邪神の加護は、奪ったけどな』


「え? 蘭もリュイも大丈夫だって、言ってたけど……」


『儂や魔王レベルじゃなきゃ気づかない位、小さい物じゃ。それこそ、遺伝子レベルじゃな!』


 遺伝子レベルって無理だろ……どうやって気づくんだよ。


『妖狐の次期女王は、気付いていたみたいだがな?』


 えっ? アーレイ気付いてたの? だから変な顔でケルトさんを見てたのか。


『そこで、御主に新しい力をあげるのじゃ!』


「のじゃ」はアーレイ枠だからやめろ、気持ち悪い。


「どうせ、邪神レーダー的な感じだろ?」


 ファンキー爺いが、びっくりした目で俺を見てる。


『まっ魔王が、ネタバレしよったのか!』


 はあ、こんだけ分かりやすい前振りなのに、わからないわけがないだろ。


『邪神レーダーには、もう一つ機能があるんじゃがのー』


「邪神の因子を消す感じの力か?」


『はー、マジ無いわ。空気読めよ、死ねよ、糞が』


 口悪っ! 死ねよ、糞がって……。わかりやすいのが悪いんだろ。俺のせいじゃねえーよ。


『方法は尻を5分間弄るしかないからな。因みにこの国の姫様も、邪神の因子が入ってるからな。せいぜいセクハラで不敬罪にならんようにな!』


 唾をペッと吐き捨て、ファンキー爺いは消えて行った。ケイナさんの尻を撫でるのか? 最高じゃないか! ファンキー爺いありがとう!


「洋一、ケルトさんに殺されないと良いね」


 そう言えばあの子、俺の事めちゃくちゃ嫌いじゃん! どうすれば……無理矢理撫でるか?

 

 俺が頭を悩ませていると、フーシェンが駆け寄ってくる。


「粗チンのお坊ちゃん、蘭様、リュイ様、本当にありがとうございます! ワテクシ、とても嬉しいです! この神殿を生涯ずっと、護っていく次第でございます! それで、あのマスターを起こして貰えますか? ワテクシ回復術ができなくて……」


 蘭を見ると


「とっくに起きてるはずだけど?」


「フッフッフ、ワッチは全てを聞いたのじゃ!」


 ひゅばっと起き上がるアーレイ。


「聞いたから、どうした?」


 別に聞かれて困る話もしていなしな。


「ワッチは確かに聞いた、嫌がる女の尻を弄る力を得たと!」


 あー、一番めんどくさい部分を聞いてたのか。しかも、勘違いしてやがるし。


「それで? お前は、なにが言いたいんだ?」


「不埒な真似はやめるのじゃ! 邪神の力なら、ワッチが消すのじゃ!」


 邪神の因子が、関係しているところも聞いてたのか。


「どうやって?」


「それはこれから考えるのじゃ!」


 代案なし、はい終了ー。


「消さないとヤバイなら消すけど、ほっといて害があるのか? これまで皆んな平気だったんだろ?」


「因子が覚醒したら魔族になるか、死ぬかの二択じゃ!」


 えっマジ? 思いっきりヤバいじゃん、尻を弄るしか無いじゃん……。ケイナさんには嫌われているが、死んで欲しいわけじゃないしな。


「じゃあ俺が消すしかないな」


「ムムム!」


 アーレイは納得してないが、早いうちに消さないと大変な事になりそうだしな。


「マスターはややこしくなるから、下がっていた方が宜しいかとワテクシ進言します!」


「フーシェンは、此奴らの味方なのじゃな!?」


 フーシェンを睨むアーレイ。


「はあ。アーレイ、因子を消さないと死ぬか魔族なら……迷う必要無いでしょ? 消さなきゃいけないのはわかっているんでしょ?」


『ヨーイチに任せとけば、なんとかなるんだから、ヨーイチを信じなさいよ!』


 二人に責められ、縮こまるアーレイ。


「なっなら、せめてワッチも一緒に行くのじゃ!」


 なんで、そんなにこだわるんだ? 


「まあついてくるのは構わないけど」


「うむ! ワッチに任せるのじゃ! ━━魔族にさせては絶対にダメなのじゃ……。父様も母様も……」


 風が吹き、アーレイの声を途中からかき消す。


「なんだ? なんか言ったか?」


「なんでもないのじゃ!」


 アーレイはそう言うと、ケルトさんに馬乗りになり


「起きるのじゃ! 起きるのじゃ! 早く、早くメイドのとこに行かないと……!」


 アーレイが凄く焦ってるが、なんでだ? 別にゆっくり行っても間に合うだろ? 館からそんなに離れてないし。


「おい、やめろって。なにしてんだよ……」


 俺は、アーレイをケルトさんから引き剥がし、フーシェンに引き渡す。いきなり気絶した相手を叩くなんて、なにをそんなに、焦ってんだ? とりあえず、蘭にヒールをかけて貰い、ケルトさんを起こす。


「ケルトさん、起きてください。館に戻らないと」


「うっうん? あれ? ヨーイチ君瘴気はどうなってえええ! なんだいこの建物は?」


 新しい神殿のインパクトに、ケルトさん目をまん丸にして驚いてるな。


「フーシェンの新しい家であり、神殿です。神様からの贈り物ですよ。今まで一人で神殿を護ってきましたからね」


「そっそんな事が! 僕は何故気絶していたんだ! チックショオオオ!!」


 ケルトさんの絶叫が、こだました。


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