表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第四章 獣王の統べる国
84/291

第74話 乙女の秘密を暴いたら……


「蘭、早くヒールをするんだ! ケルトさん起きて! お願い! 俺の金玉が八つ裂きにされる!」


 蘭がヒールをかけ、ケルトさんの頭を小突いて起こす。


「ん? 僕は? アレ? ケイナ面白い格好をしてるね」


「ぐにににに! 師匠〜今……金玉を八つ裂きにして助けますうー!」


 怖えよ! まだ金玉狙ってんのかよ! お股に挟んでガードしとこう。


「助ける? なにから? むしろ研究室で暴れたり埃を立てないで欲しいんだが」


 ケルトさんは不思議そうな顔で、ケイナに注意をしている。


「妖狐なんて……長年研究してきて、初めて見た種族なんだ! ケイナ余計な事をせず、部屋に戻りなさい、いいね?」


「ぐににに、……はい」


 尻尾や耳が垂れ下がる、ショックを受けているんだろうなあ。でも、俺も金玉を護らなきゃいけない手前がある。蘭に魔法を解除してもらい、ケイナはトボトボと歩いて部屋に戻って行く。


「ケルトさん、割と厳しいですね」


「ケイナは少し特殊だからね、彼女はしっかりと礼節を覚えておかなきゃいけないのに……お転婆だからねえ」


「特殊? まさか姫様だったり?」


 ギョッとした顔で、俺を見るケルトさん


「どっどうしたんですか?」


「━━ヨーイチ君、何処でその秘密を? これは極秘事項何だけど」


「いやあの、物語でありがちな感じを言ってみただけで、その他意はないと言うか━━」


 あちゃー。スパイ疑惑降臨だよ……。


「(はあ、洋一、余計なことばかり言うんだから)」


「そんな事どうでもいいのじゃ! ワッチ達は神殿に行くのじゃ!」


 ああ、更に余計な事を……。余計な事を言った俺が言えた義理じゃないが。


「神殿? 何故かな?」


 そりゃ気になっちゃうよね、神殿って大体国の主要な場所だったりするもんなあ。


「なんじゃ! こっちには神獣がいるんじゃぞ! 神殿に行ってなんの問題があるのじゃ! 言うてみい!」


 神獣まで言っちゃったよ━━。フーシェンと蘭が揃って、頭を抱えている。


「神獣!? まさか本当に!? 神獣がいるの? 見せて! 見せて!」


 あっケルトさんのスイッチが入っちゃったよ……。収集がつかないぞこれ。


「(はあ。どうしようか?)」


「ここにいるフーシェンこそが、神獣なのじゃ!」


「ワテクシこのタイミングでの紹介とか、頭が痛くなるばかりでございます」


 フーシェンが、やれやれとため息をつけながらケルトさんの前に出る。


「ワテクシが白狐の神獣であり、瘴気渦巻く、アバドンの神殿を解放する為に、こちらのお坊ちゃん方にご助力を求めた次第です」


「なるほど、ですが我等が信仰しているパーン様の神殿はどれも正常な筈ですが……」


 パーンって神には会った事ないな、いや会いたいわけじゃない神に関わるとろくな事にならないからな。フラグじゃなくてガチだからな!


「ワテクシが言っているのはパーン様ではなく創造神様の神殿です。知らないのは無理ない事です。何せ瘴気が出て神殿が廃棄されましたから。昔のお話ですしね……」


 フーシェンが悲し気に語っている。自分が護れなかった事を悔いているのだろうか、口では逃げ出したと言っていたが、本当は辛いんだろうな。


「フーシェン、お前の家は取り返してやるからそんな顔をすんな」


 俺はフーシェンの頭を撫でる、綺麗な毛並みが気持ち良い。


「坊ちゃん、神獣の頭を気安く撫でてはいけませんよ?」


 フーシェンに手を払われ、怒られた。感動的なシーンだったのに!


「ワテクシとマスターと、蘭さんと坊ちゃんで行きますので、貴方様にご迷惑はかけませんです。行かせて貰えますか?」


「僕も連れてってくれ! 君達だけで入れない場所も僕なら入れる! 迷惑らかけないから頼む!」


「ワテクシ達に嘘は通じませんよ?」


 フーシェンが、そう言うとケルトさんは


「瘴気がどんな事象か確認したい、後は君達への興味さ! 神獣がどんな生態か知りたいし、妖狐族の彼女にも興味がある! だから連れてってくれ!」


 ケルトさん、欲望100%じゃんかよ……。まあ正直になったから良いのか?


 俺の神殿センサーだと、反応は弱いけどかなり近くに神殿がありそうだし。


「神殿も近くに有りそうだし、皆んなで行こうぜ」


「近いのかい!? 方角はわかるかい?」


 ケルトさんの鼻息が凄い。


「えっああ、えっとケルトさんの家の裏手の方だけど、多分下の方かな?」


「裏手の下……えっと、正確な方向を指差してくれるかな?」


ケルトさんに言われ、俺は神殿の方向を指し示す。


「あっちには、なにかあったっけな、民家はない筈だけどえっと……ちょっと待って地図出すから!」


 出された地図と、頭の中に浮かぶマップを照らし合わせてみる。


「ここかな? ってかフーシェン達に案内して貰えば良いだけなんじゃ……それに俺の神殿センサーなら、そもそも地図いらないし」


「そっそうか! ヨーイチ君! 実に天才的な発想だよ!」


「(はあ。とりあえず行くんでしょ?)」


 蘭にため息をつかせてしまった……。ケルトさんめ! そう言えばさっきからなんで、白狐金玉スレイヤーはケルトさんを変な顔で睨んでるんだ?


 そりゃケルトさんの研究内容はいかれてるけど。睨むほどか?


 まあなにかあったら、蘭やフーシェンやリュイが反応する筈だし大丈夫だろ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ