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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第四章 獣王の統べる国
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第73話 金玉狩り

 死んだと思っていた、子狐が元気に起き上がり、ハイテンションで、挨拶をかましてくる。


「えっえっ! ケルトさんどうなってるの!?」


「いや、えっ? 僕に聞かれても……わからないよ━━」


「いやー! マスター久々で、ございまっすなあ!」


「うむうむ、元気そうでなによりなのじゃ」


 金玉スレイヤーと子狐は、きゃっきゃっしながら話を続けている。


「瘴気に呑まれた時は、流石にダメかと思ったのじゃ!」


「この牛さんのお腹に移動して、仮死状態になり結界を張りなんとか生き残りました。いやー神獣も減って来てるからパワーバランス崩れまくりで、焦りましたわ」


 瘴気? 神獣? この子狐まさか━━


「貴方、神獣なの?」


 ケルトさんがいるのに蘭が声を出した。蘭の奴、テンパってるのか? 


 あっあれ? ケルトさんが白目を向いて、倒れてる!?


「けっケルトさん?」


「あららら! 神気を出してしまいましたか! 失敗失敗。久々に起きたものでね、テンション上がってしまいましたわ」


 子狐が、ケラケラとケルトさんを見ながら笑っている。


「おや! そこな粗チンの坊ちゃんは、神気に耐性があるんですか! これは珍しい! いくつもの神の加護までありますな!」


 失礼過ぎるだろ!


「粗チンの坊ちゃんはやめろ、俺は柊洋一だ!」


「やや! そちらは神獣? 新しき神獣仲間ですか! いやはや、この世界で新しき仲間に出会えるとは、感激の至り! ワテクシ、フーシェンと申します。そこの小さな小さな、マスター、アーレイ・ディエルマ様と契約した神獣でございまっす!」


 俺を完全に無視して、グイグイ話を進めてくるな。しかし、蘭の他に生き残りの神獣が居たとは驚きだ。もういないと思ってたからな。


「フーシェン、お前が護ってた神殿はどうなってる?」


「━━粗チンの坊ちゃん、ちょっと黙っていなさい」


 辺りの空間がビキビキと音を立てる、何か圧迫感を感じるがなんだ? まあいい、そろそろお仕置きの時間だな。


「この子狐が!」


 ガツン


 拳骨を喰らわせてやった。


「そっ粗チンマン、何故動けるのじゃ━━」


「お前も主人ならちゃんと躾けろ」


 ガツン


 こいつもさっきから失礼だから、鉄拳制裁だ。ちびっこ共め大人を舐めるんじゃない。


「「痛あああああああい(のじゃ)!!」」


「ぼっ坊ちゃん! なんで普通に動けて、更には拳骨を━━ワテクシかなり、いや人間が死ぬ位の威圧をかけたんですが━━すいません!」


 フーシェンが、腹を見せて謝ってきた。


「弱いくせに強いのじゃ! なんなのじゃ! フーシェンが、勝てないなんておかしいのじゃ!」


 テンパってやがるな。


「とりあえず落ち着け。フーシェンに聞きたいんだが、お前はアバドンの神殿の守護をしていたのか?」


「へっへい! 途中で瘴気が強くなり過ぎて、ワテクシは急いで逃げましたが!」


 すげえ変わり身だな。


「えっ? 逃げたのかよ、ってダメじゃん。とりあえずその神殿の瘴気をなんとかしなきゃならないよなあ」


 フーシェンは、俺の言葉にびっくりしている。


「おっお坊ちゃん、なんとかなるんですか?」


「行ってみないとわからん! 蘭ならもしかしたらなんとか出来るかもしれないけど」


 蘭をチラッと見る。


「実際に神殿を見ない事には━━」


 蘭は、困った様に笑っている。蘭はきっとフーシェンの力になりたいはずだからな。


「お願いします! ワテクシに力を貸してください! ワテクシの家が、汚されて困っているんです! ワテクシ1人の力じゃ対抗しきれなくて……」


 ホルケウも瘴気に飲まれてしまった位だから、フーシェンだけじゃ対抗出来ないのは、仕方ないか。だけど、蘭を連れて行って大丈夫なのか? 邪神の影響とか受けないだろうか? うーむ。


「まあ先ずは、俺が入ってみるよ。多分俺なら平気だし。蘭とリュイとフーシェンは、待機だな、邪神の影響がどんな風に現れるかわからないし」


「ダメだよ洋一!」


『そうよ! ヨーイチだけじゃ勝てるわけないでしょ!』


 二人が全力で止めてくる、まあ理由はわかる、悔しいが、俺は弱いしな。だが俺には必殺技がある、外から神殿事吹き飛ばす荒技が。


「まっまあ……とりあえず行ってみようぜ」


「ワッチ、忘れられてる気がするのじゃ……」


「「「『あっ』」」」


 金玉スレイヤーを忘れていたわけじゃないんだよ? だってさっき拳骨したばっかだし。


「酷いのじゃ! フーシェンもフーシェンじゃ! ワッチが契約者なのじゃ! 酷いのじゃ!」


「マスター……まだ癇癪癖が治ってないんですね。ワテクシちょっとがっくし」


「うっうるさいのじゃ! ワッチが粗チンマン━━さんと一緒に行くのじゃ! ワッチだって、神獣の契約者なのじゃ!」


 鼻息を荒くし胸を張る金玉スレイヤー。粗チンマンさんって、俺の名前は柊洋一だって言ってんだろ、さん付けすれば良いってもんじゃねえぞ!


「とりあえず、神殿の場所が分かるなら行くかあ、あっケルトさんどうしようかな」


「ほおっておくのじゃ!」


「んな訳にいくかよ、気絶してるだけだから寝かしといても良いんだが……」


 階段の上から死神の足音が聞こえる。


「師匠ー! 研究室ですかー? あっ!」


 やっやばい見つかった! 俺の金玉を狙うケイナちゃんだ!


「これはその、俺のせいじゃないよ?」


「シャーッ!!! ぐえっ!」


 蘭が、重力魔法で拘束してくれた! ナイス蘭! 金玉を護ってくれてありがとう!


「ぐぬぬ、重いいい、師匠、今助けますからああああ!」


 まるでバトル漫画の様に熱い展開だ。だけどかかっているのが、仲間や恋人の命じゃなく、俺の金玉だなんて笑えない。


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