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第41話 紗香神爆誕! 


 俺達は、買い物を済ませ王都を後にした。これ以上王都にいれば、迷惑がかかる可能性があるからな。桜さんはまた遊びに来るでござるよ! と言い俺達を送ってから、城に帰っていた。


 あれからピエロ野郎が来る事もなく3日が過ぎ、俺は今、蘭と屋根の上でダラダラしている。


「いやー豪爺いに連絡した時、直ぐに来てくれてびっくりしたな」


 あの時蘭が、念話石で豪爺いに連絡をすると30分しない内に豪爺いはやってきて、俺の身体を一通り触って調べ


「━━怪我はないな。ピエロと邪神か……洋一は関わるんじゃないぞ! わかったな! 蘭と言ったか洋一の手綱を握っておけ! 絶対に邪神に関わらせるな!」


 と怒鳴り散らして、豪爺いは足早に消えていった。


「洋一を心配してるんだよ」


 孫と重ねらてもなー、地球での年齢と合わせたら50オーバーだから複雑なんだよなあ、まあ悪い気はしないけど。


『バーニア! あんた、あたちのお菓子食べたでしょ!』


『知らなーい』


 バーニアが来てから、リュイは毎日元気だ。主にバーニアの盗み食いのせいでリュイが、激おこになっているだけだが。


 バーニアは普段エレン爺いの窯の中にいる。エレン爺いは火種変わりに、バーニアを使っている。なんでも窯に住ませる家賃だそうだ。


「バーニアだけが、家賃がある状況になったな」


「家賃なのかな? バーニア様も監視と言いながら洋一の事全く見てないしね」


「まあなんでもいいけどなー」


 畑の方を見ると、光一はレイ先生に教わりながら農作業をしていた。光一を見守りながら、縁側でのんびりする紗香さんも見える。


「昔の日本みたいな光景だな。それにしても光一は良く働くなあ、前は働きたくないって言ってたのに」


「洋一は、全然働かないけどね」


「ウッ、戻って来てからちゃんと農作業手伝ってるよ!」


「今、サボってるじゃない」


「いやこれはあのその、息抜きと言うか何というか……そう言えばアナスタシアいなくなってたなー」


「はあ、露骨に話題を変えないでよ。光一の話だと、助けに行った時には影も形なかったみたいよ」


「誰かに助けて貰ったにしてもおかしいよな。蘭が気付かないはずがないし」


「多分上手く隠れてるんでしょう。神様だし食べなくても死なないだろうし」


 そう言いながら、蘭は右の方に視線を向けている。


「あーなるほど、でも俺が読んだり見てきたファンタジー小説だと、大体の神がなんか食って」


━━グウウウウウ!


「なんだこの音? 地鳴りか?」


「噂をすればなんとやらね」


 蘭が、投網を家の右後方向にぶん投げると


『ぎゃあ! なっなによおお、だめ、お腹空いてもう無理』


 投網に捕まったのは、やつれたアナスタシアだった。全く嬉しくない釣果だ。


「お前やつれてるけど、なにやってんの?」


『いっ以前は神気もあり神界にいたので食べなくても大丈夫だったんですが……』


「神気もないしここは神界でもない。ナイナイづくしで腹ぺこって事か」


『はっはい、あのなにか食べ物を…………』


「魔法使えないの?」


『神気が無いので、ただの村娘と変わらないスペックです』


 やつれて素直になった、アナスタシアがいた。村娘と変わらないスペックって俺と同じかよ。


「そう素直に返されるとやりにくいなー。仕方ない飯食ってけよ! 見た目と頭がガキな、ロリババアだが行き倒れられても面倒だし」


『あでぃがどおございまず!』


 アナスタシアがすがり付いてきた、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら。


「やめろ! 鼻水をつけるな! 後、涎が汚い!」


 俺はアナスタシアの頭を押さえて、服にアナスタシアの鼻水や涎がつかないように戦う。こいつ、行き倒れかけていた癖になんて力だよ。


「俺らがいない間、光一とかレイ先生とかエレン爺いに飯貰えば良かっただろ? 言えば皆んなくれるだろ?」


『しょしょれが、その、私この世界の人間に存在を認識されなくなったみたいで……』


 存在感0になったって事か?


「はあ?」


「アナスタシア様、光一には見えるんですよね?」


 そうだよ光一は、地球人なんだから見えるだろ。


『見えるけどその、嫌悪の対象になってるみたいで』


 光一がアナスタシアを嫌悪? 紗香さんに悪戯さえしなければ、アナスタシアに恩がある筈の光一が、そんな態度取るなんてありえないと思うが。


「とりあえずアポをやるからかじってろ」


 アナスタシアにアポを渡し、光一のところに行く。


 アナスタシアがネズミのようにアポに齧り付いている。戦時中かよ。


「光一、ちょっといいかー?」


「あれ? 洋一君、蘭さんどうしたの?」


 いつもと変わらない光一


”どうしましたか?”


 いつもより後光が増し増しで眩しい紗香さん。


「アナスタシアについてだが、アナスタシア嫌いか?」


「はい!」


”え?”


 淀み無く返事をする光一、紗香さんは光一の返事にビックリしている。


”あの光一さん? どうしちゃったの?”


「え? 特に異常はないですよ?」


「ステータス的にも、問題はないわね。紗香が神格化して、アナスタシア様の神格が消えはじめているのかな? だから、この世界の住人であるエレンやレイには認識されなくなったのかな?」


 紗香神誕生か! アナスタシアは神として問題ありまくりだからまあ良いか。嫌われるのはまあちょっとだけ可哀想だけど。


「痛っ」


 頭が痛い、風邪かな?

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