第33話 まさかの定員オーバー!?
レイ先生と紗香さんに桜さんを紹介せねば!
「レイ先生、紗香さん、光一、この人が忍者のコスプレイヤーの桜さん」
「私の紹介は、忍者のコスプレイヤーで決定でござるか……。とっとりあえず甲賀桜でござる。宜しくお願いするでござる!」
なにやら桜さんが、気落ちしている。コスプレイヤーって呼ばれたのが恥ずかしいのかな? だけどコスプレイヤーの人達は誇りを持っていると、俺はネットの人達から昔に聞いたぞ。
カメラ小僧は節度を守れとも聞いた、近付いて接写は犯罪だからな。
「甲賀さんは、地球の方ですか? 日比谷光一です。こちらの紗香さんは、訳あって筆談しか出来ないので僕の方から紹介します、柊紗香さんです。洋一君と縁深い方です」
”柊紗香です、こすぷれいやーが私にはわかりませんが忍者ごっこが好きなんですか?”
紗香さんが、桜さんを凄く純粋な瞳で見つめている。
「あっ、私も地球人でござる。紗香さん、あっあの忍者ごっこではなく……えーとあの忍者ごっこです……。すいません」
桜さんが、謝ってる、あの姿はコスプレじゃなくて忍者ごっこだったのか!
「洋一、少し静かにしてなさい」
「口に出してないぞ!」
「なにを考えているのか直ぐにわかるのよ。洋一は、顔に出やすいから」
蘭め、理不尽だ! 俺は空気を読めるナイスガイなはずだぞ?
「私も、こすぷれいやーはわからないけど、こちらの世界で、探索者をしているレイよ。サクラさんよろしくね!」
「宜しくでござる!」
レイ先生の笑顔は。可愛いなあ。待てよ? レイ先生は巨乳エロふ 紗香さんは巫女美人 桜さんはコスプレ巨乳、ここから導き出す結論は!
「光一ちょっとだけで良いから、独り立ちしないか?」
「えっ? 洋一君いきなりなんで?」
光一鈍過ぎるぞ……
「俺だけのハーレムにあべしっ!」
レイ先生に、頭を殴られた。最近皆んなして、俺を殴りすぎじゃないか?
「ヨーイチ! にやけた顔で変な事言わない! 光一君にも、失礼でしょ!」
「おっ男の夢が……あったんだよー!!」
思わず涙が出ちゃう。だってボディは12歳だもん!
「洋一はほっといていいわよ」
蘭は、桜さんが家に来た用件を簡単に紗香さん達に話した。
魔獣の森の活性化現象には触れずに。
「異世界の街に、桜さんの転移で行きたい人ー! はーい!」
あれ? おかしいな? 聞こえなかったのかな?
「異世界の街に、桜さんの転移で行きたい人ー! はーい!」
無視か? ここは皆んなで手をあげて、誰が行くか熾烈なジャンケンバトルのターンじゃないのか? ん? 光一が困った顔をしてるな。
「はあ。洋一、光一君はまだトラウマが残ってるかもしれないし、紗香さんを護りたいんだから行けないでしょ。それに紗香さんだって本調子じゃないんだし」
「あーそりそゃうか……ごめんなさい!」
失敗した。もっと考えてから言えばよかったな。テンションが上がると、いつもこうなんだよなあ……。
蘭がいなかったら俺は、気付く事すらできなかったかもしれない。紗香さんと、目が合うと紗香さんは優しく笑った。
”洋一君は、異世界の街が見たいの?”
「正直見てみたい。ここしか知らないし、異世界の、文化や歴史を肌で感じたい」
俺は、正直に紗香さんに話した。
”洋一君、行っておいで。ここにはエレンさんもいるし光一君もいてくれる、だから楽しんでおいで? 子供は我慢しなくていいの。ただ危ない事はしちゃだめよ?”
「えっでも……」
紗香さんは、俺の頭を撫でながら
”ちゃんと謝れたし、人一倍頑張ってるのは私も見ててわかるからね。たまには楽しい思いをしないとね”
そう言ってくれた。
「なんという母性でござるか! 紗香さん優し過ぎでござる!」
『ヨーイチが行くなら、アタチも行くわよ! 後は蘭とレイ、一緒に行くわよ!』
良い雰囲気が、外野の野次によってかき消された。頼むから空気を読んでくれ。
俺だろ? 蘭だろ? 桜さんだろ? レイ先生だろ? リュイだろ? 5人いるじゃないか!
「おい。定員オーバーじゃないか?」
『あちゃー! アタチは、ヨーイチのポケットに入ればいけるんじゃない? 蘭は、どういうカウントになるかわからないけどやってみましょ!』
「物は試しでござる。家の外に転移するでござる」
「『らじゃ!』」
「はあ。落ち着きがないなあ」
「蘭ちゃん、それが二人の良さよ」
足元に、見た事がない模様の魔法陣? が広がる。
「転移でござるー!」
シュバっと俺を残して、レイ先生、桜さん、リュイ、蘭が消えた。そう俺を残してだ、蘭はカウントされなかったのかな? 逆にリュイは1人としてカウントされたのかな?
「あっあのー俺が、取り残されてますよー」
生暖かい視線が俺に降り注ぐ。
「あれ? おかしいでござる。洋一君と二人で、転移してみるでござる! 転移でござるー!」
おっ外か? 転移すげえ!
「洋一、良かったね。一応一緒に転移してみたけど、問題なさそうね」
「あーよかった。俺だけ、転移出来ないのかと思ったよ。でも定員オーバーかあ。どうすっかなあ」
うーん、悩ましいところだ。待てよ、これ自分の足で行く冒険じゃないよな? んーでも活性化した魔獣の森じゃ、抜け出すのに何年かかるかわからんしなあ。
でも、異世界の街に、興味があるんだよなあ。
「あのヨーイチ? 悩んでるところ悪いけど、私は留守番よ? 紗香さん達のご飯を作らなきゃだし」
「え? レイ先生行かないのかあ。残念だけど、光一とエレン爺いだけじゃガサツ過ぎるしまあ仕方ないな」
「ねえ洋一、自分の足で行く事にこだわってるんでしょ?」
「俺は、蘭の相棒じゃん? だから……強くなりたいんだけど……うーん悩ましい!」
「洋一、桜に紹介してもらって、王様になにか強くなる方法がないか、聞いてみたら?」
王様かあ、いきなり首切られたり、騙されたりしないかな?
「うっうーん」
悩んでいると桜さんが
「お爺いちゃん強いから、なにか掴めるかもでござるよ? 行くのは無料だし、危険もないでござるよ?」
「わかった! 異世界の街に行きたいし、俺、蘭、リュイ、桜さんで行こう!」
「了解でござる!」