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第27話 彼女の物語

洋一と蘭は一旦お休みです。


甲賀桜視点です


挿絵(By みてみん)

あっきコタロウ様作の甲賀桜です!




 高い所が好き、山もビルも大好き。私は海外の動画で見たビルクライミングをスリルを求めて私はやりだした。これが超面白い。

 

 初めて登ったビルは、なんとも言えない興奮と感動を覚えた。


 ビルだけじゃ満足できなくなった私は、東京タワーをクライミングした。クライミングを終えたら警察に捕まった。

 警察署でめちゃくちゃ怒られるし、親には殴られ、勘当された。新聞の見出しにはでかでかと《日本に現れた、スパイダーウーマン! 東京タワーで捕まる!?》とか書かれて、SNSにも晒し上げられ一躍有名人になってしまった。


 スパイダーウーマンってなによ、蜘蛛女って……。


 だが私はへこたれない! ビルクライムをやめない。私の次の狙いはスカイツリーだ。警備が厳重だけど、私ならいけるはず。

 

 私は昔から存在感が人より薄い、10回中9回は自動ドアに挟まれる位だ。


 胸だけは人よりあるのに……。クライミングに邪魔だから貧乳になりたかったのに……。


「ニシシシこの程度の警備楽勝でござる!」


 警備を躱し私はスカイツリーを登って行く。気分は最高にハイッて奴だ! 登りきった後の興奮と感動の為に私は登り続ける。


「今日は、風が強いでござるなー」


 そこで、私は普段ならしない凡ミスをしてしまう。


「あっ……」


 私は地面へと落ちて行く、今までの人生が頭の中に流れていく。あるのは後悔。


 まだ海外の高い所に登ってないのになー。



 気付くとギリシャ神話に出て来るような神殿にいた。白を基調としているが、何処か古めかしい感じがする。


「あれ? 私スカイツリーから落ちて死んだはずじゃ、助かったの? いやありえないか」


 とりあえず神殿の上に登ってみよう。


「ニシシシ神殿の上に登れるなんて、滅多にない経験でござる」


 下から女の子の声がする。


『あれー? 転生者がもう一人来てるはずなのに何処行ったのよーもー』


「転生者? 私の事でござるかな? 先ずは情報収集が必要でござるな」


 私は天井から屋内に侵入する。気分は忍者。


「ニシシシ楽しいでござる」


 下を覗くと、羽が生えた人と赤髪の幼女が喋っている。


「コスプレでござるかな?」


『もーどうすんのよ。さっきの男の子みたいに素直にその場にいなさいよねー。あんた達探してきなさいよ』


『お断りします。アナスタシア様がご自分でどうぞ』


 そのやり取りに私は思わず笑ってしまう。


「部下に断られるなんて、人望が無いでござるな。ニシシシ」


『きいー!! 最初の男なんて、絶対に殺しに行くから待ってろとか言うし! もういやっめんどくさい!』


 頭を掻き毟りながら発狂する赤髪幼女。


『自業自得かと。それに殺されたら、もっとマシな方が女神に……』


 怖っ! あの羽の生えた人めちゃくちゃ黒いよ! 赤髪幼女逃げてー!  


 しばらく観察したが特に目立った情報は得られなかったでござる。赤髪幼女達は、私を探しに部屋を出て行ってしまったし。


 机の上にパソコン? みたいなのがある。


「ニシシシ赤髪幼女もいないし、今のうちにみちゃおっと」


 カチャカチャ


 適当に押しまくるとパソコンが起動し画面が映る、そこには私の画像があった。


「ニシシシあれ? これ私の画像?」


 迷わず私の画像部分をクリックする、表示が切り替わり


ステータス


甲賀 桜(こうが さくら)


20歳

女性

職業 ニート(犯罪者)


称号 スパイダーウーマン(どんな場所でも登れる、壁に張り付く事も出来る)


「ふんがあああああ! スパイダーウーマンが称号になってる! 嫌すぎる! 犯罪者って! もう償ったわよ!」


 思わず画面をぶん殴ってしまった。


レベル1

体力500

魔力 600

攻撃力50

防御400

素早さ1000

運50


スキル

未選択→選択してください


加護


「攻撃力が低すぎるでござる! 素早さだけはあるけど……。スキルを選択してください?」


 あれあれあれ? これはまさかのチート選び放題でござるか? 運が私に向いてきた!


「スキル一覧っとーー」


 うーんどれもパッとしないなー。初心者パック? なんだろこれ?


 アイテムボックス(容量無制限)、鑑定、言語理解


「これはとっておこっと、後はー」


 ありがちなスキルばっかりだなー、賢者とか強いスキルはほとんどグレーアウトして押せないし。


「忍術?」


 ありと凡ゆる忍術を使いこなす事が出来る、忍術の使用にはMPが消費される。レベルにより使える忍術の幅が広がる。


「おーこれなら私でも使えるでござるかな? レベルによってって言う部分が気になるけど」


 とりあえず初心者パックと忍術のスキルをタップしてみる。途端にもの凄い量の情報が頭の中を駆け巡る。


「うがあっ!」


 頭に激痛が走りその場に倒れてしまう。


『あー! やっと見つけた! ってなんでこんなとこで寝てんのよ……』


『気絶してますね、回復した方が宜しいのでは?』


『めんどくさいなー。オールヒール(全体治癒)


 私が目を覚ますと発狂赤髪幼女と腹黒天使がいる。


『発狂赤髪幼女ってあんたねえ……。あんたなにしてんのよ探してたのよ』


「えっとまあ色々でござるよ……」


『とりあえずあんたは、死ぬ寸前でこちらの世界に送られて来たの。あんたの称号の関係でね。これから異世界に行く訳だけど何か聞きたい事ある?』


 スパイダーウーマンのせいでござるか……。


「使命とかなにかあるんでござるか?」


『特に無いわね。まあなんかあったら神託を下ろすからシクヨロ』


 この赤髪幼女、適当過ぎでござる。


「適当でござるなー。チートくれるのでござるか?」


『あんたねえ、あんたが勝手に忍術スキル取ったのバレてんのよ! スルーしてあげてただけで。今の段階でこれ以上にスキルを詰め込んだら脳みそ爆けるわよ』


 脳みそが爆けるのは嫌でござるな。これ以上は諦めるでござるか。


 大事な事を聞かなければ


「異世界にも高い建造物はあるでござるか?」


 赤髪幼女が一瞬訝しげな顔をしたでござる。変な質問ではなかったはずでござる。


『沢山あるわよ、地球よりもね』


「早く連れてくでござる!」


 私の無双物語が今始まる!

「蘭、本当に出番がなかったぞ!」


「仕方ないとは言え出番0何て酷いよね」


「ちょっとは俺達の話もいれろー! 主役は俺達だー!」


 ちょっとだけ甲賀のお話にお付き合いくださいませー!


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