エピローグ 自分の足で歩いて行く
あれから俺はアルテミスに復讐を果たした。虎次郎専用の肥溜にアルテミスを浸けてやったり、服にパンクロッカー宜しくなギザギザを付けてやった。蘭と糞親父に魔法で、二度と取れないようにして。
これから彼奴は転移や転生させる時に、中途半端なパンクロッカーとして会わなければならない。こうしておけば、プライドの高い彼奴は転移や転生を行わないはず、何故なら儀式に使う服らしく、複製不可の一張羅らしいからな。
まああれが服なのか、ただの布なのかは知らんけど。肥溜よりも効いていたのにはうけた。
「あれから堺さんは地球にガイアちゃんとギギギギギ!」
「洋一、まだ許してないの?」
「そりゃそうだろ! 可愛くてボインでつおい幼妻だぞ! あああ!! どちくしょー!」
あれから創造神、紗香さん、アナスタシアは神界に帰っていた。2人でこの世界の女神をやって行くらしい。なんで2人かって言うと、アナスタシアが紗香さんに仕事を押しつけてちょくちょく遊びに来るからだ。
進展があるとしたら、アナスタシアが俺を名前で呼ぶようになった位かな。
『ちょっとヨーイチ! あんたまた私のお菓子盗んだでしょ!』
「神界に帰る時に持ってくか聞いたら、いらないって言ったから食っただけだ! もしもし天使さん、アナスタシアを発見しました。捕獲宜しくお願いします」
『ぎゃああああ! 裏切り者めええ!』
俺は、腹黒天使からアナスタシア捕獲専用無線を貰った。アナスタシアは元々抜け出すのが異常に上手く、天界にいれば捕獲可能だが、他の世界に逃げられると手がつけられなかったらしい。
『おっヴァイシュラヴァナ、またアナスタシアちゃんが天使に捕獲されたぞ。今回の賭けは俺の勝ちだな』
『くうう! 我のオカズが! 我の信徒よ、我に貴様のオカズを捧げよ!』
「嫌だよ! またアナスタシアを賭けの対象にしてたのかよ! 親父、母さんに言うからな」
『おまっ! 六華を出すなよ! 再開した瞬間にまた死に別れするかと思ったんだぞ!』
「親父が悪いんだろ」
全部終わって母さんの元に行ったら子供が産まれていた。ケリュネイが、俺の妹に対して、異常に過保護になっていて、俺をバイキン扱いしてきた。抱こうとしたら、ひたすら消毒してきやがって……。
母さんに親父の話をしたら満面の笑みで連れて来いって言ったから、連れて行ったら親父が血塗れにされた。アナスタシアが言っていた称号の効果なのか、母さんが強過ぎるのかは謎だが。余裕こいていた親父が、途中からヘルプミーしか言わなくなっていた。母さんを怒らせたらいけないと悟った瞬間だった。
『ヴァイシュラヴァナ聞いたかよ! 親父だってよ! 親父の前に糞とか変態がつかなくなったんだぜ! 今日は祝杯だな!』
『親子なら普通だろうが! 親父と呼ばれる度に飲み会を開くんじゃない! 我は貴様と違って暇じゃない! 友達いないのか!』
『いねえよ! 魔王の奴は新婚だからって構ってくれないし! 創造神の奴は話が長いし!』
『いっいないのか……なら仕方ないな……』
親父友達いねえのかよ! 知りたくなかったよ! あれでも俺も同性の友達って……光一はもういないし……師匠は大和さんのところで鍛え直すって言っていないし……あれ? 同性の友達いなくね?
レイ先生やエレン爺いは変わらず、俺達と暮らしている。あの黒いオーラに関しては、詳細不明らしい。創造神も親父もわからないと言っていた。星冥辺りなら知ってそうだが、あれ以来星冥は現れていない。
害になるもんでもないしほっといているのが現状だ。いつか遠い未来にわかったらいいなあ。
俺は魔獣の森を起点にしながら、挨拶周りをした。
アスベルク王国に行くと王様から感謝された。桜さんが元の世界に帰った事を告げると、ぶん殴られ泣かれた。この人は、本当に桜さんを大事にしていたんだって事が伝わってきた。その後王様は、ライルに殴られていた。
ケルトさん達のところに行ったら、王城に拉致られ、投獄された。
尻を触ったんだから、結婚して子孫を残せと言われた、正直子孫は残したかったが、牢獄から出る為に恥も外聞も捨ててEDである事を伝えると、ウホニアさんから手厚い歓迎を受けた。なんでもウホニアさんも最初の雌ゴリ……奥さんが原因でEDになったらしい。
皇国には行かなかった、里帰りしたレイ先生から聞いた話だと俺の銅像が国中にあり、女子供は君悪がり、男、特に軍人からは多大な尊敬をされているらしい。何故か1日1回、俺の銅像に放屁をかける戒律が出来ていたらしい。それが嫌になり、レイ先生は直ぐに里帰りを中断したらしい。
アーレイは俺に会ってくれなかったが、たまに手紙が届く。なんでも次期女王になる為に修行しているそうだ。強くなりたいらしいが、手紙の最後に浮気したら金玉を八つ裂きにするこのED野朗と、悪口が書かれていた。アナスタシアは、それを見て大爆笑しやがった。浮気もなにもEDだから、なにもないのに。
ハヌマのいたギレイアの国は、ハヌマがいなくなった後崩壊したらしい。まあハヌマが、洗脳して作った国だから仕方ないっちゃ仕方ないか。
エルレシアは、ワニオジさんが国主になっていた。ワニオジさん以外にも人がいた事にびっくりした、いるのは当然なんだが、水の中から「歓迎しまっす!」って言いながら、ワニおじさんに似た人が沢山出てきたのは、ホラーだった。未だに夢に出てくる。
龍の巣では、ケスディア婦人に褒められ抱き締められた。ゴロウマリさんには、殺されそうになったけど。「嫁と娘は渡さん!」って言って襲いかかってきた。その後ケスディア婦人にキルされかけていたな。
魔国では、コポオちゃんが魔王にされていた。なんでも魔王軍四天王で、真面目に働いているのがコポオちゃんしかいないらしい。
「そう言えば蘭、ドワーフの国って結局行かなかったな」
「まあエレンが側にいたし、神獣がいないなら寄る必要はなかったからね」
「いつか行ってみたいな」
「いつかじゃなくて、今から行こうよ。私と洋一の2人で冒険を始めよう。使命もなにもなく自由な冒険を」
「おっおう! 俺の足で歩きながら世界を見て回ろう! なあ蘭そう言えば蘭のステータスって……」




