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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第241話 親のテンションに引くのは子供ばかり


 変態親父とアンラマンユの龍球ゴッコは続く。俺達はそれを冷めた目で見ていた。なんなんだこいつらは、緊張感って言葉を知らないのか? 2つの世界が大変だってのに集中できない。


『ヨーイチ、アタチいつまでバチバチしてればいいの? バチバチ頼まれたからやってるんだけど、良くわからないし飽きてきたんだけど』


「あーもうやめてもいいぞ」


『あ! バーニア達がお菓子食べてる気がする! 部屋に戻ってるねー!』


「あんまり食い過ぎると晩飯入らなくなるからな」


『はーい!』


 元気よく部屋に飛んで行く、リュイを見送る。


『歴代のグラビアアイドル達より、俺に力分けてくれ! もっと、もっとだああああ!』


 両手を上げ、ピンク色の玉をアンラマンユの映像にむき投げつける。


『なんだその力は!』


『次はもっと良い奴に生まれ変われよ!』


 良い顔をする変態親父、焦るアンラマンユ。


『ピンク玉ああああああ!!』


『ぎゃあああああああ!』


 俺は変態親父の金玉を蹴り上げる。


「もう気はすんだか? 変態親父とアホ神。なにがピンク玉だよ、なにがぎゃあああだよ。そもそも映像に技が届く訳ねえだろ」


『ほわああああ!!』


 親父が涙目で訴えてくるが知った事じゃない。


「アンラマンユ、こっちの闘う人は決まったぞ。そっちは決まってるのか?」


『もっ……もちろんだよ! 素敵なデュエルになるさ!』


「えっデュエル? カードゲームなのか?」


『ちっちがうよ! 天下○武道会だよ!』


「いやどちらかと言うとセ○ゲームじゃね?」


『うっうるさいな! 試合は明日! 迎えに御使を出すからここにいてよね!』


 映像が消え辺りが静まり返る。


『おい息子! 明日絶対勝つぞ! 世界なんてどうでも良いがグラビアアイドル達の無念をはらすんだ! 地球に残っていた筈のグラビアアイドル達の悲しみを! 怒りを力に変えるんだ!』


「いやグラビアアイドルの事は知らんがな。って言うかあのピンクの玉なんだったんだよ。アンラマンユがぎゃああって叫んでたけど効いたのか?」


 親父はクツクツと笑い


『彼奴の大事な物を全部……グラビアアイドルの顔に変えてやった。機能も絶対しないおまけ付きだぜ。戦いに使おうと思って、戻そうとしても絶対に戻らない仕様にな』


 彼奴が気付いたら明日めちゃくちゃキレながらくるんじゃないのか?


 俺の肩に止まった蘭の頭を撫でる。


「蘭、明日勝てるか?」


「もちろん勝つ。むしろ勝つ事しか考えてないよ。それより洋一は大丈夫なの? 相手は悪神だよ?」


「うーん。一応リーさんのおかげで、それなり動けるぜ。なんとかなる筈だ、負けたら2つの世界からクレーム殺到だしな」


「いやクレーム以前に世界が無くなるけど……。大和さんは負けないだろうけど、葵や豪さんの先の闘いも気になるし」


「魔王との闘いだったりして」


「それはないでしょ」


『そうだぞ! 息子よ、ゲームでも魔王、大魔王、邪神の順番だろ! ダ○の大冒険を知らんのか? アニメだって再開するんだぞ?』


 ここぞとばかりに会話に参加してきやがって……変態親父はしゃぎ過ぎだろ。


「アニメ再開もなにも地球があんなんじゃ無理だろ」


 俺の言葉にワナワナと変態親父が震え出す。


『じゃじゃあこれから作られる筈だった、夏アニメや冬アニメも……来期のアニメも……! 彼奴まじで許さねえ!』


 アニメとグラビアの為にブチ切れるってヤバ過ぎだろ……。


「変態親父は邪魔だから、ヴァイシュラヴァナをからかって遊んでろよ」


 シッシッと変態親父を追い払うと、直ぐに檻の前に行き


『芋虫ヴァイシュラヴァナおい! お前どうすんだよ! グラビアのピンチだぞ! アニメの危機だぞ!』


『知らん! 我を解放しろ!』


『それこそ知らん! あの馬鹿止めないとお前の信徒が死ぬぞ! 後さっきの映像を見る限りじゃ、お前の神社はもう……』


 口をわざとらしく押さえ、オーバーなリアクションをする変態親父。


『なあにいいい!? 今までは我に関係なかったが、我の神社……我の信徒……!! 彼奴ぶち殺す!』


『そうだ! ぶち殺そうぜ!』


『我を解放しろおおお! 今直ぐ彼奴の首を引き抜いていやる!』


『お前、首を引き抜くのはないわ。怖いよ……』


 ダメだあそこを見てると馬鹿になるから、離れよう。馬鹿どもから離れ部屋へ向けて歩いていると


「洋一のお父さんって、やっぱり洋一そっくりだよ」


「蘭、失礼な事を言うんじゃない」


「魂の在り方とか、誰とでも仲良くなったりとか、テンションとか雰囲気とかさ。親子なんだなーって思うよ。あからさまに嫌そうな顔をしないでよ」


 なんて嫌な事を言うんだよ。まあノリは似てるかもしれないけど……。認めたくはないけど。


「だってなあ……悪ふざけしてる大人にしか見えん。母さんには別の意味でびっくりしたけど……2人そろったらめちゃくちゃなテンションなんだろうなあ」


「洋一は2人と暮らしてみたかった?」


「まあ……それはあるかな。俺、両親と暮らした事ないから帰って来て母さんがいて、夜には酔っ払いながら親父が帰ってきて……とか想像したら楽しそうではあるな」


「そっか……」


「今じゃ母さんも再婚して、別の家庭がある訳だしな。母さんは気にしないだろうが、なんか複雑だ」


『おい! 息子! 明日俺とヴァイシュラヴァナが全力で応援するからな! アニメとグラビアアイドル『我の神社と信徒!』を護ってやろうぜ! 勝ったらお前もモテモテパラダイスだ!』


 この軽さなんとかならないかなあ……。

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