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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第237話 ドラゴンゾンビをワンパンで倒す


 リーさんとマーラになだめられるが、ささくれだった俺の心は治らない。別に龍化はこの際どうでもいい、俺は一生EDで、童貞のまま生きて行く事が決定したのだ。しかも魔力0と言う状態で……。


『そもそもな、魔力がないと龍化は無理だぜ? だから諦めような?』


「じゃあEDを治してくれ」


『俺だって生涯かけて治療方法を探したんだがな、見つからなかったんだよ……』


「じゃあ魔力くれ」


『霊体に無茶言うなよ。俺を掴めたんだから霊力や闘気はあるんだろ? それを伸ばせよ』


 正論なんだろうな、普通はな! だけど俺のはそんな高尚なもんじゃない。見せてやろう、俺の黒木力を!


「はあああああああああ!!!」


 俺の身体から黒いオーラが立ち昇ると、それを見たマーラは、目を見開き驚いている。


『ギャッ!! えっなに? 悪魔系なの? 黒いオーラってヤバくない? ラスボス的なオーラじゃん』


「これしかできないんだよ……。コントロールも出来ないし、体力、防御、攻撃とかにも変化ないし……」


『えーそのオーラめちゃくちゃ力を感じるけどなあ……ちょっとそれを拳に纏ってみてよ』


 マーラに言われた通り、拳にオーラを集めてみる。マーラがなにかを唱えると、青い鱗で黒い瞳のドラゴンが現れる。


『とりあえずそれでこのドラ吉を殴って見てよ』


「ドラ吉って言うの? まあ殴っていいなら、イライラしてるから殴るけど」


 拳を構え、ドラ吉の腹をぶん殴ってみる。


━━ゴウッ!


 俺の拳がドラ吉にあたると、ドラ吉の身体に穴が開きドラ吉が砂になり消えていく。


『すっげ。勇者も勝てなかったドラ吉を砂にしちゃったよ……』


「えっ? ドラ吉ってそんなに強かったの?」


 簡単に砂になったし、感触があんまりなかったけど。木には勝てなかったのにドラ吉には効いたのはなんでだ?


『始祖龍の1頭であるドラ吉様を1撃とは……流石旦那様だ……!』


 リーさんがキラキラした瞳で俺を見ているが、全く実感がない。動かない人形を殴り倒しても、俺TUEEEEとは思わないでしょ? そう言う事なんだってばよ。


『じゃあもう帰っていい? その力上手く使えば神にも勝てるよ?』


「勝てるのか!?」


『おわっ! 急に近づくなよ。多分だよ多分! 神なんて滅多に会わないんだから、正確には測れないよ。ただドラ吉は動かないだけで、神仏レベルの強度はあったからね。もしなんの力も無ければ、触れた瞬間に存在ごと消し飛んでたよ』


「そんなに危ない奴だすなよ!」


『じゃ! そう言う事で! 龍化もEDも治らないし、魔力は0だけどね!』


 マーラは、俺に効果抜群な捨て台詞を残して消えていった。


「結局ちょっと硬いドラ吉を倒せただけじゃねえかあああああ!! くそおお!」


『旦那様少し手合わせをしよう』


 リーさんの突然の提案に俺は驚いた、だって今ドラ吉倒した俺だぜ? 


「よーし!」


 リーさんが低く構え突進してくる。俺はサイドステップで、突進を回避しようとした瞬間、衝撃を受ける。


「おげらっ!」


『旦那様、予備動作が遅過ぎるぞ。目で見えていても反応できなければ意味がないぞ!』


 リーさんの動きは見えているが、速さに身体が付いていかない。右、左、右、左、と連続で当身や打撃を当てられる。


「おべっぶべっぶべ!」


 容赦なく続く連撃、見えてはいるが躱せない。


『旦那様! 力を使ってみせろ! それともこのまま嬲られるだけか!?』


 リーさんのアドバイスを受け、身体中に黒いオーラが行き渡る様にイメージをする。


「おらあっ!」


 蹴りを横っ飛びで回避をする、あれ? 今までボコボコにやられていたのに初めて回避できた?


「よっしゃああああべし!」


『気を抜くな!』


 喜んだ瞬間に、頭を蹴られた。理不尽じゃない?


『修行中に気を抜く奴はいないぞ! 旦那様はこれから悪神と闘うんだ生半可な修行ではダメだ。そのオーラを使いこなす為に、これから私は鬼となる。愛する旦那様の為に』


「えっいやあの……」


『行くぞ!』


 俺の地獄が始まった……。



 リーさんの修行は、師匠よりもスパルタできつかった。師匠のは短い時間に濃密な修行だが、リーさんの修行は丁寧な拷問。


 何度も殴られ、蹴られ、転がされた。傷は直ぐに回復され治される。無駄に上がった体力のせいか、気絶もできない。


 オーラを使っている間は、不思議と身体が軽くなる。身体能力も僅かばかり上がっている感じがした。


「だいぶ避けれるようになってきた……」


『妾の本気の攻撃を避けれる様になるとは流石旦那様だ!』


 リーさんにきつく抱きしめられた、嬉しいが痛い。


「リーさん本気だったの!?」


『少しずつ力の段階を上げていったんだ。旦那様が気付かない様に』


「もし避けれなかったら……」


『死んでいたな!』


 物凄く笑顔で言われた……。

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