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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第236話 童貞には貫けない厚い壁


 リーさんはマーラを呼び出すために、地面に魔法陣を描いている。マーラを呼び出すって字面だけみたらとんでもないよな。だってマーラだぜ? 確かちんちんの邪神がいたような……。


 リーさんが魔法陣を描き終わると、魔法陣に魔力を注いでいる。結構な量の魔力を入れてるな、魔法陣が光り始めたぞ?


『出よ、始祖たる精龍人よ!』


 魔法陣からピンク色の光が立ち昇り、半透明ななにかが出てくる。


『えっ? ちょ待っ! いきなり召喚とかねえから! インターホン押すか、ノックしろよ! 今ちょっと立て込み中だから!』


 めちゃくちゃ突っ込んできた。インタホーン知ってんのかよ。さてはこいつ俺と同じ元地球人だな。


『まじないわあ……あーちょっと着替えてくるから、5分後に呼び出してね』


『あっはい……』


 リーさんが魔法陣に魔力を注ぐのを止めると、ピンク色の光が消えて、半透明のマーラが消える。


「リーさん! 従わなくて良くね? 彼奴真正の馬鹿だよ? 5分とか待たなくていいから。しかも元地球人だし」


『なんと! 旦那様と始祖が同類とな!?』


「だからマーラって名前を嫌がってたんだな。まあ元地球人なら、マーラなんて名前嫌だろうな」


 待てよ? 嫌なら改名とかできないのか? ステータスとかある世界だと難しいのか?


「なあなあ、リーさん改名とかできないの? 俺の国なら国に申請すればできるんだけど」


『改名? 旦那様のいた世界では、そんな事が出来のるのか? 自分で如何に名を変えたり名乗ろうと、初めに付けた名前は死んでもかわらないが……』


「あーなるほどな。とりあえずマーラ呼ぼうぜ」


『いやしかしまだ対して時間が経っていないが……』


「いいからいいから。大丈夫だから」


『しかし……まあ旦那様がいいと言うなら。出よ始祖たる精龍人!』


 あれ? 今度は出てこないな。抵抗してるのか? ピンク色の光は出てるんだが……。


 そうだ! 引きずり出してみよう。


「出て来いってーの!」


 光の中に手を突っ込むと、なにかの感触がある。


『なっ!』


 リーさんがDB張りのリアクションで驚いているが、この際無視だ。


『おわっ! なんで掴めるんだよ! こっちは霊体だぞ? 頭いかれてんのか!』


 おお、引きずり出せたな。黒髪に赤い眼、中国の武術家が着るような道着に、赤い尻尾。眉毛太っ! 眉毛太いのイケメンとか腹立つな。


『次代の次に呼び出すとか舐めてんの? って言うかここ龍の巣でもないし、なんでこんな森に呼び出してんの? 呼び出す場所とか考えらんないの? ラスボス前に呼び出すでしょ? 神殿とかで可愛い女神がさあ! なんで次代のEDに呼び出されなきゃいけないんだよ! こっちは風呂入ってたのに!』


 出るわ出るわ文句の嵐。


「うるせえ! 龍化について教えやがれ! なんで霊体の癖に風呂入ってんだよ!」


『はあ? 霊体だってお風呂に入りますー! 地球の常識とかまじ寒いんでやめてもらえますう? ここ異世界なんでー』


 うっうぜえ! なんだこいつ、めちゃくちゃムカつくぞ。


『異世界なんだから、ゴーストだって歩きますー。リッチだって、自我が芽生えますう。妖国には妖怪だって沢山いますう! だって俺が召喚したんだからー!』


 妖国? 召喚? こいつなに言ってんだ?


「は? 妖国の人が召喚獣だって言うのかよ!」


『はあ? 今の世代は知らないけどーオリジナルは俺が召喚したんだよ! こっちに知恵が無い生物だらけだったからな! どうだ崇めたてやがれ!』


 こいつが元凶であんな恐ろしい国が産まれたのか!


「くらえ! 必殺 塩アタック!!」


『ぎゃああああ! って清められてない塩で効くか! なにすんだこの野朗!』


「ならば物理だ! 必殺洋一パンチ!」


『効くわけねえおげええええ!』


 塩アタックはダメだったが、物理的には戦える様だ。これなら簡単に尋問できそうだな。


「フハハハハ貴様に霊体と言うアドバンテージはないようだな! さあ龍化の方法を吐きやがれ!」


『人を無理やり呼び出して、ぶん殴って質問するとかいかれてんのか? まあ別に良いけど。気合いを入れます、はい終わり』


 俺はマーラの頭を鷲掴みにする。


『痛ったたたたたたたたた!!! 離せ!』


「それ以外の方法を教えてくれ」


『だからさっきから人に頼む態度じゃないんだよ! それ以外なんて、童貞でEDの君には無理だよ!』


「なんでだよ! お前もEDだろ!」


『俺は精龍人になる前に済ませてんだよ! 精龍人になったらEDになって……それからは一回もできなかったけどな!』


 まっまさかその方法って……


『気付いたようだな! セックスだよセックス! 童貞や処女のまま精龍人になったら、一緒そのままなんだよ! だから龍化もできませーん!』


「あっあああああ!!!」


 俺はマーラを乱暴に突き飛ばし、蹲り泣いた。俺は一生童貞でEDと言う消えない呪いを受けてしまった……。


『そっそもそも精龍人になった時点で、精霊魔法や龍魔法使えるんだから、龍化の必要ないだろ? だからなっ? 元気出せよ?』


『あっあのマーラ様、旦那様は魔力が0で……』


『へっ? 魔力0? うわあ……』


「おぎゃあああああああああああ」


 俺の泣き声が虚しくこだました。

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