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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第234話 謎の婆ちゃんはノリが良い


 封印系も回復系もスキルもダメ。こうなりゃスーパー精龍人とかになれないのかな? 金髪になって周りからバチバチしたりとか、霊力を撃ったりとか……あっ!


「なあなあ、魔力以外の力ってないのか? 霊力とかオーラとか気とかさ!」


『あんたねえ……オーラってなに? 気ってなに? 霊力はまあなんとなくわかるけど、あんた霊力なんてあるの? 霊力あったら幽霊とか見える筈だけど』


「はい! 霊力はいりません! ちょっと外行ってくるわ」


『あっちょっと! 待ちなさいよ!』


 うーんアナスタシアも煩いし、ちょっと外に出て考えるか。皆んなには魔力やスキルがあったり、弛まぬ修行をして得た力や技がある。だけど俺には鷹匠としての修行しかしてないからなあ、武道なんて習った事ないしな。


 フラフラと考えながら歩いていたら、結界の端まで来てしまった。思いつかん、なんかないかなあ……。バトルもんなら覚醒イベントがあるけど、俺の覚醒イベントって……邪神になりかけたり、ダメだろくな事がない。


「もし、そこの悩める少年よ。御主力が欲しいか?」


 俺は願うみんなを護れる力が欲しいと


「ああ……神に負けない力が欲しい」


「ならばくれてやる!」


「これが新しい力って……! なにやらすんだよ婆ちゃん! って婆ちゃん誰!?」


 いつのまにか目の前に現れた婆ちゃんは、白髪で、びんぞこ眼鏡に柔道着の様な服、木の杖を持つ仙人スタイル。結界があるはずだよな? なんで入ってきてんだ?


「およよ? 力が欲しいんじゃないのかえ?」


 およよってアラレちゃんかよ! 


「神と戦うんじゃろ? ならこのキャサリンの技が役に立つぞい?」


「キャサリン? こんな和風テイストな婆ちゃんなのに、名前がキャサリン? パツ金グラマーじゃないキャサリンは、ノーサンキューだけど」


 婆ちゃんが俺の前から消える。いつの間にか、俺の後ろに立っている、魔眼でも追いきれないスピードって化け物か?


「早っ! 人間か!?」


「あひゃひゃひゃ。人間だよ、正真正銘な。さあ修行をしよう」


 修行? 痛っ! 背中に激痛が……なんなんだ!?


「あひゃっひゃひゃっ痛かったかの? 先ずは少年の力の淀みを解消した。次はのう、これ見えるか?」


 婆ちゃんが杖を目の前に突きつけてくるが、杖が見えるだけでなにも……あっハエだ。


 ハエが杖の先に近付いた瞬間、溶けて消え去ってしまう。


「ハエが溶けた!?」


「あひゃっひゃひゃっ。力は見えないか……ならば、せいっ!」


 杖を頭に押し付けられると、押し当てられた場所がじんわりと暖かくなる。


「なんか暖かいような感じがする。ちょっちょっと婆ちゃん……さっきのハエみたいに溶けるんじゃ!」


「溶けはしないよ、あのハエならほれそこに」


 ハエが杖から出てきたのか? 正直ハエだと区別はつかないんだが。


「まあハエの話はいい、少年は集中力が足りんなあ。闘気の暖かさを感じられるなら、見込みはあるぞ。さあ修行をしよう」


 修行? ってなにするんだ?


「先ず禅を組むんじゃ」


 禅ってなんで知ってるんだ? とりあえず言われた通りにしてみるか。なんか、この人には逆らっちゃいけない気がするんだよな。


「そうじゃそのまま動けない様に、少年のツボを突く」


 動けない様にって痛ええええ! まじで動けないぞ! トイレとかどうすんだこれえ! また声がでねえ! 俺の喉になんか怨みでもあるのかよ! 


「次にワスの闘気を少年の身体に入れる」


 闘気を入れるって、ツボ押しだけでも痛かったのに大丈夫なのか!?


「微動だにせんとは……既に死をも覚悟していると……なんと言う気概! 流石じゃい!」


 微動だにせんって! お前がツボ押したからだろーが! 俺は動きたいんだよ! 逃げたいんだよ! 反論したいんだよ!


「死の話をされても、声も出さないとは……これはワス以上の大物になるな」


 関心してる場合じゃねええ!


「行くぞ!」


 やめてえええええええええ


 俺、心の準備ができてないからああああ!


「こりゃすごい……! ワスの闘気がどんどん入っていく!」


 どんどん入っていくってなに? どんどん入ってきてるの? そんな感じしないけど、大丈夫なんだよ?


「まだまだ入るだと……!?」


 いやなんだと? みたいに驚いているけど、こっちは全然なんともないぞ。そもそもなんで俺に闘気を入れてるんだ? 


「こりゃ凄い……。よし闘気の他にもどんどん詰め込もう」


 えっ……? 


「闘気の次はワスのありったけの霊力じゃ!」


 それってアナスタシアが言ってた幽霊が見えると言う……いっいやだ! それはいれないで!


「これも沢山入るのおー」


 あたりに黄色や白い光の玉が溢れていく。あっこれ、テレビでカメラを通すと映るオーブとか言う奴じゃないか? 待ってくれ、俺お祓いとかできないから、俺に助けを求められてもなにもできないから!


「ワスの霊力、ありったけもってけえええ! きええ!!」


 目ん玉ひん剥いてんじゃないよ! 目の前で老婆が目ん玉ひん剥いてみろよ、ホラー映画よりもお化け屋敷よりも怖いぞ。


「はあ……はあ。凄い器じゃ……後はそうじゃのう。魔女よなにかないか?」


「ふふふふふ。この子にも深淵の導きをあげるわ」


 深淵の導きってなに? 後ろから知らない人の声がするんだけど、幽霊か? 幽霊なのかああ!?


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