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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第227話 モーゼの十戒


 湖の中って、うーん。どうしたら良いんだ? 潜るのか? 俺、金槌だし蘭は鳥だから水には入れたくないし……どうしたら良いんだ?


「湖の中って……天虎はどうやって管理してたんだ?」


『管理なんかしてないよ、だって湖の底までいけないし。この湖の周りで暮してただけだよ? 創造神様も別になにも言わなかったし』


 ファンキー爺いの職務怠慢のツケが俺達に回ってくるなんて、嫌な世界だ。


「ファンキー爺いめ、適当な仕事しやがって」


 師匠が何故か俺の首を急に掴む。


「とりあえず洋一君、真ん中辺りに飛ばすから、天眼で神殿の位置を見て来てね。せーの!」


「俺泳げなあああああ」


━━ザバアアン!


 水に叩きつられた、やばい、死ぬ、どうにかして泳がないと、だめた身体が沈む! どんどん、下に落ちていく。服は身体に絡みつき重くなるし、息が続かない! 誰か助けて……。


 俺がジタバタともがいていると、身体が急に浮上する。


「はあ。洋一大丈夫?」


「おエッ!! ゴエッ! ゴエエ!」


「全く葵も無茶するんだから」


 無茶ってレベルじゃない! アレは殺人だ!


「豪爺いとリーさんを宥めてからきたから、助けが遅れてごめんね?」


「あっああ……だいじょばないけど、あの3人が戦ふよりは……いい」


 蘭に浮遊の魔法で連れられ岸に戻る。


「洋一君、ごめんね? でも金槌だったんだね。まさかヨワヨワの実でも食べたの?」


 ヨワヨワの実ってなんだよ、食べたら弱くなる実か? まあ師匠が、一応茶化してはいるけど謝ってくれたからよしとしよう……って言うか怒る気力もツッコミを入れる気力もない。


「━━洋一、大丈夫か! まさか泳げんとは……特訓だな」


『旦那様は泳ぎが苦手だったのか。なら修行しましょう、泳げる様になるために!』


 あっあれ? おかしいぞ? 何故に特訓やら修行やらと言うワードが? ちょっと特訓したくらいでどうにかなる深さじゃなかったぞ?


「待って待って! 特訓してどうにかなる深さじゃないよ!?」


 これでは結局洋一、水中殺人ショーの開幕になってしまう。どうにかして止めなければ!


「━━泳いで行こうとしてるのか?」


「へっ? だって泳ぎの特訓って」


「━━クックック。葵も見て来てとは言ったが、行って来いとは言ってないだろ? 大体の位置に辺りを付けたかっただけだからな」


「じゃあなんで特訓を?」


「━━この先使わないとも限らんだろ? せっかく水耐性もあるんだから、ちょっとは泳げたほうがいいからな」


 水耐性、水の中じゃまるで役に立たなかったよ……自然エネルギーには勝てなかったんだよ……。


『旦那様、妾が手取り足取り教えるぞ!』


「水着ないぞ? フルチンでやるのか?」


『水浴びは裸で……』


 リーさんは俺、師匠、豪爺いと見て顔を赤くして、蹲る。


「━━洋一ならフルチンでも良いだろ」


 俺ならってどう言う事!?


「豪爺い、俺がフルチンを正装にしているみたいな感じで言わないでよ!」


「━━クックック、いやいやそうじゃない。肉体年齢的な問題だ。俺や葵がフルチンでは問題があるだろ?」


 確かに成人間近の師匠、それに豪爺いが全裸は絵面的にもキツイ。


「魔法で酸素マスクを作って潜れたり、魔法で神殿の周りの水を退けれたら楽なのになあ」


『蘭の魔法でも、天虎の言霊でもできるんじゃないの? 特に言霊なら、水に命令するだけで良いと思うけど?』


「それだ!」


 俺達とは反対方向にいるアナスタシアの方へ走って行くと、なんと言う事でしょう、そこには全裸のアナスタシアがいました。


「ぶっ!」


 思わず魅入ってしまった。鼻血も止まらないし……いやしかしアナスタシア、綺麗なおぱああああい!


『変態!』


 アナスタシアの前蹴りが俺に当たると、アレが俺の目の前に、はっはじめて生でみた……!


『えっなんで、赤い顔して倒れてんの? ちょっとえ? 蘭! 来て!』


「アナスタシア様、これは興奮してこうなってるだけですから大丈夫ですよ。それより早く服を着てください。向こうで葵も鼻血を出しながら倒れてますから」


『きゃあああ!』



 俺と師匠は豪爺いからゲンコツを落とされ説教された。何故豪爺いからと言うと、俺や師匠に効く攻撃が出来るのが豪爺いであり、最年長で良識があるからだと言う事だ。


 だが俺にはアナスタシアの身体が脳裏に焼き付いて離れない。こんな時でも、俺の息子はスタンドアップしてくれなかったが……モザイク無しがここまでの破壊力とは……。


「豪爺い、女の子って良いね」


「━━クックック洋一、お前モテないだろ」


「うぐっ! まあモテないけど……」


「━━まあそう言う事したいなら、ちゃんと結婚して責任が取れる時にしろよ? 葵お前もだ」


「「はい……」」


 めちゃくちゃ正論すぎて俺と師匠はぐうの音もでなかった。


「━━天虎、言霊で水を避けれるか?」


 豪爺いは俺達に背を向け、天虎に話しかけると。


『自然相手に使った事ないからわからない。まあやってみるけど……水よ神殿周りから退けてくれ』


 天虎が湖に向け、赤い瞳になり話しかけると、水が自然と引いていく。


 モーゼの十戒みたいな光景に俺の視線は釘付けになる。


「すげえ!」


『これ……思ったより疲れるなあ。この力自然にも効くんだ!』


 天虎は自分の力が、自然に通用した事な驚き喜んでいる。試した事なかったのか、普通試しそうなもんだけどな……。天虎が馬鹿なのか、天然なのか判断に迷うな。

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