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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第226話 神殿の場所は水の中?


 天虎は俺達の前で泣き続けた。恥ずかしくないのか、それとも泣き虫なのかはわからないが。


「洋一君、責任とって泣きやませなよ?」


「いや師匠、責任って……弱いコイツが悪いんじゃないの?」


『みな、旦那様をそう責めないでやってくれ。旦那様には効かないだろうと説明を省いた妾にこそ問題はあったのだ……すまぬ』


 空気が居た堪れない感じになってきた、とりあえずどうしたらいいんだ? 


「蘭、どうしたら良いんだ?」


「知らないよ。神殿さえ分かれば、アナスタシア様と一緒に結界を張り直してくるけど」


 おう、クール。師匠や豪爺いは、警戒しながらも武器の手入れを始めてるし……ああ誰かこのカオスを止めてくれ!


『隙ありー!』


 泣きべそを掻きながら天虎が突っ込んできた。正直師匠や豪爺いとかを見慣れてるせいで、酷く遅く見える。天虎の落下予想地点より、身体を少しズラしてみると、天虎は俺が元いた地面に綺麗に墜落した。


「おお、避けれた」


「洋一君やるねえ! うんうん修行の賜物だね!」


「いや師匠の動きとかだと、反応する前に首がぽろんって落ちると思いますけど、天虎の動きはひどく遅く見えたので」


「へえ……」


 師匠が楽しそうに笑っている。これはスパルタ修行が始まる予感がするぞ! 誤魔化さなければ……。


「でもでも、まだ俺には使いこなせてないかなーなんて」


『死ねえ!』


 這いつくばっていた天虎が飛び上がり、俺に向かって爪を振るう。俺はそれをバックステップをし、着地と同時に左に転がり避ける。天虎は空振りをし、また地面に転がる。


「今の天虎の動きは、さっきよりも少し早かったよ。使いこなせてるじゃないか!」


 やばい、また大量のコボルトやゴブリンと、闘わされる。なんとしても回避しなければ!


『なんで、当たらないんだ! ちきしょう! 動くな! 動くな! そのまま死ねえ!』


 叫きながら、地を蹴り俺に襲いかかる天虎をひらり、ひらりと、マタドールの様に回避する俺。それを優しい目で見守る外野。


 見守ってないで止めてほしいんだが……これいつまで続くんだ?


「なあ天虎そろそろやめにしないか?」


 鼻水のせいで呼吸がうまく出来ないのか、ゼヒューゼビュー言ってるぞ? 酸欠になったりしないかな? なんだか天虎が心配になってきた。


『ふぐう! 必殺風爪(かざづめ)ええ!』


 風が3本の線の様に飛んでくる、アレは当たると痛そうだなあ。とりあえず避けれるか。俺は風爪を転がって回避する。


『わあああん!』


 また天虎は泣き出した。手のかかる子供かよ!


「ねえ洋一君、そろそろ彼奴殺して良いかな? いい加減にイライラしてきたからさ」


 師匠の言葉に俺はギョッとする、確かにイライラする気持ちはわかるが、堕ちていない神獣を殺すのは違うちょろちょろな気が……ちょろちょろ?


━━ちょろちょろ


 音の発生源を見ると、天虎が盛大にお漏らししていた。


『またやったか! 妾の母さんに絡んで、怒られた時と同じではないか!』


 えっ? 天虎の奴ケスディア夫人に絡んだの? 良く生きてだなコイツ。キルされなくて良かったな、ケスディア夫人なだけに。


 あっ蘭が離れた。まあションベン臭いし当たり前っちゃ当たり前か。アナスタシアは仲間を見るような優しい目で天虎を見てるし。


『天虎さん泣かなくて良いのよ? 大丈夫よ。私が護ってあげるから』


 慈しむような目をしているが、一定の距離から近づかないアナスタシア。優しい言葉をかけるなら、ハグ位してやれよ。可哀想だろ。


『うっうわああん!』


 あっお漏らししながらアナスタシアに抱き着いたぞ。アナスタシアの顔がめちゃくちゃ引いてる。流石はションベンの女神だな。


『ちょ! 臭っ!』


 臭ってお前、最後まで慈しむ優しい女神モードを貫けよ。


『怖いよー! ママ〜!』


 ママって完全に虐められた子供じゃねえか。


『よーしよーし、臭いからちょっとどきなさい? 私と契約したら襲われないわよ?』


 彼奴悪どいなあ、人の弱みに漬け込んで契約を迫るなんて、詐欺師みたいだ。


『契約する!』


 ああ、天虎が騙されて契約してしまう。壺とか直ぐに買っちゃうタイプの奴だな。アナスタシアはアナスタシアで言質が取れたからか喜んでるし……。


 天虎の額に赤い八角のマークが浮かび上がる。


『この子は私の(・・)神獣になったからね! 皆んな虐めたら許さないわよ! 葵わかった!?』


 アナスタシアが師匠に睨みを聞かせている。睨まなくても師匠は、アナスタシアの言う事を反故にしたりしないだろ。


「はい! もちろんであります! ですかアナスタシア様一つ意見をよろしいでしょうか?」


『許すわ。なにかしら?』


「ありがとうございます! そこの神獣と一緒に水浴びをしてはいかがでしょうか? 御召し物が汚れてしまいしたし」


 師匠、また覗くつもりだな。


『そうね……天虎、近くに水辺はあるかしら?』


 アナスタシアもバカだなあ、なんで学習しないんだ? 敢えて指摘すると、師匠に殺されるから言わないけど。


『湖があるよ! ついて来て!』


 天虎は尻尾を振りながら先導を始める。俺は、川よりも神殿が知りたいんだけどなあ。


 それから森の中を1時間歩き、摩周湖位の大きさの湖に着いた。湖の水はとても綺麗で、ションベン臭い奴らを入れるのが申し訳なくなる。


 何故1時間もかかったのかと言うと、アナスタシアが意地を張り、必死に歩いたが、アナスタシアの体力が底を尽いたからだ。


 師匠は嬉々として背負っていたからだ。ションベンは気にならないだろうか?


「師匠、ションベンは気にならないの?」


「うん? クリーンの魔法を使ってたからね。常に清潔さ」


「じゃあ水浴びするひえっ!」


 師匠に剣先を首に突きつけられた。


「お前は何も言うな、わかったか?」


 師匠からドスの効いた声で脅された……怖すぎる!


「はあ。2人ともなにやってんのよ……。アナスタシア様、天虎に神殿の位置を聞いて貰えませんか?」


『オッケー。私の可愛い天虎ちゃーん、神殿の場所は何処かしら?』


『神殿? ああ創造神様の古屋? それならこの湖の底だよ?』


 は? 湖の底? 潜るのか? 

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