表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
271/291

第225話 泣かした俺が悪いのか?


 メチルさんをなんとか拘束し、神殿に閉じ込める事に成功した俺達は現在、リーさんの背中で天虎がいる神殿へ向かい飛んでいる。


「なあ蘭、天虎ってどんな奴かなあ」


「うーん好戦的って話だよね? 話が通じると良いんだけどね」


 好戦的って言ってたけど、多分師匠や豪爺いの方が好戦的なんだよなあ。力だけの奴ならまず間違いなく潰されるだろうし……この禁忌の国の神獣だけは殺したら行けない気がする。何故かはわからないけど。


『そろそろ着くぞ』


 リーさんの声が響く。俺が緊張をしている横でリュイとアナスタシアははしゃいでいる、


『虎次郎の親戚みたいな奴でしょ? なら私の神獣にならないかなあ』


『えー! アタチもアナスタシア様みたいに契約したいなあ』


『精霊は理により契約出来ないのよー』


『えー!! ずるい! ヨーイチだって契約してるじゃん?』


 何故精霊が契約出来ない話で、俺を引き合いに出すんだ? 俺は精霊枠だったのか?


『アレはその……化け物だから……』


『そっか……ヨーイチは化け物だから……』


 なんで2人して、溜めて溜めて俺の事を化け物だって言うんだよ。


『降りるぞ』


 リーさんが言葉共に、森の開けた場所に着陸する。


「ここら辺に神殿があるの? 見た感じ森しかないけど」


『あるにはあるんだが、そのなあ』


 なんで含みがある言い方なんだ? またなにかトラブルがある感じなのか?


「えっなに? トラブルがあるの?」


『いやまあ……時期に向こうから来る』


 向こうから来るって嫌な予感がするなあ……。俺の嫌な予感って当たるんだよな、的中率90%以上。某チリチリ頭の俳優天気予報より、当たるんだよ。


━━ガサガサガサ


 はいきたートラブル来ましたって言うか早くね? なんで高速でフラグ処理するの? 望んでないよ?


━━ガサガサ 『ガウ』


 ガウってなんだ? 


『向こうから来るって言ったろ? そいつだ』


『よっ!』


 リーさんが指差した場所から、純度100%の虎が出てくる。配色さえ完璧なら、なおよかったのになあ……って虎ああああ!


「うわっ! 虎だ!」


『虎って、まあ虎だけど失礼な奴だなあ。初めまして、天虎って言います。リーヴェルトとはまあ、ライバルみたいなもんかな?』


 あれ? 好戦的って話だけど、意外に気さくな感じだぞ? 


「あっどうも。俺、柊洋一って言います。こっちは神獣の蘭で、雷精霊のリュイ、んでおまけのアナスタシアと爺いちゃん代わりの豪爺い、それと師匠」


 師匠と豪爺いは、何故か警戒態勢を崩さない。


『うーんそんなに警戒しなくてもいいのになあ。なにもしないよ? 今は』


「今は? 今はってなんだ?」


 天虎はニヤリと笑う。


『あー気が変わったわ。男、お前を食う事に決めた、さあこっちに来い』


 天虎の瞳が緋色に輝く、サーチライトみたいだな。食うって言ってる奴の側に行く奴なんているか? 俺なら絶対に行かない。だって食われたくないし。


 俺は蘭と共に一歩下がる。


『なんで下がるんだ? 来いって言ってんだよ。俺の言葉聞こえてるだろ?』


 天虎が首を傾げながら、再度瞳をサーチライトの様に光らせる。しつこい奴だな、瞳をピカピカ光らせてなんの遊びだよ。眩しいっつの。


『俺の瞳を見ろ!』


 怒っているところ悪いんだが、さっきからめっちゃ見てるよ。そのサーチライトが、目に悪そうだから直視したくないんだよ。


「見たけどお前なんなんだよ。さっきからピカピカ瞳を光らせて。なんの遊びだよ」


『なっ!』


 なってなんなんだよ。さっきからうるさい奴だ。


「とりあえず聞きたいんだけど、邪神とか瘴気とかに関わってないだろうな?」


『そんなもんに関わる暇なんかねえよ』


 おや? 天虎の口が悪くなってきたぞ。こっちが地だろうな。おー天虎のあの目は、警戒バリバリになっていやがる。俺なんて警戒するよりも、師匠や豪爺いを警戒した方がいいのに。


「洋一君、さっきからなんで言霊が効かないの? 称号にしたって……」


 師匠の言う言霊ってなんだ? 言霊って言えば、言った事をなんでも現実にできるってアレかな?


「━━クックック洋一は面白いな。俺や葵や蘭に効かないのは、精神の強さがあるからだ。後はこの世界の精霊にも効かんだろうな。赤髪のガキは元とは言え女神だしな」


 精神の強さで言霊が防げるのか? 俺の精神ってそんなに強くないはずだけど。


『ガキって言わないでよ……』


 豪爺いにガキって言われたのが悔しいのか。反論は大きな声で言えばいいのに、まだ豪爺いが怖いのか?


『お前ら! なんで効かないんだよ! 一番弱そうな奴から食ってやろうとしたのに!』


 一番弱そうな奴って俺、アナスタシアより弱そうに見えるのかな? それは嫌だなあ。


「お前さあ、一番弱そうな奴にすら効かないって実はお前が一番弱いんじゃないの?」


『あっそれは』


 あってなんだ? 事実だろ?


『うっ……』


 う? うってなんだよ。


『うわあああああん!!』


 えっまさかのガチ泣き? どう言う事? なんで泣くの? 俺が悪いのか?


「これ、俺が悪いの?」


『いやまあ、旦那様が言う事は事実なんだがそのなあ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ