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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第219話 性の世界へさあ行くぞ!


 鞭、蝋燭、磔、目隠し、縛り、俺が知ってるだけでも相当種類のSMプレイだっだぞ? それをただの座禅だと? メチルさんには、朝飯前のプレイと言う事か?


 メチルさんは、SなのかMなのか非常に気になる。俺はMじゃないしなあ。何気に言葉攻めの部屋が一番嫌だったなあ、この豚が! って言われてブヒイブヒイ喘ぐドラゴンとか……。


「メチルさんになにが見えてるかは知らないけど、普通あんなもん見たら、トラウマになるぞ」


 メチルさんは困った顔をして。


『私には座禅をしている姿しか見えないんですが、試験を受けられ、突破した方はなぜか皆んな私を罵るんです。また試験をクリアできなかった方は、試験の部屋から出てこなくなるんですよ……』


「SMにハマるか、ブチ切れて出てくるかの二択かあ。あの試験ならまあブチ切れるだろうなあ……」


『私には座禅をしているだけで、いきなり怒られるので、こうなったら事前に見せちゃおうって思いまして。事前に見せたら、異様に興奮してやりたいって言う方か、無言で立ち去られる方かで別れてまして……お客様はどうされますか?』


 どうされますかかあ。受けたらあのSMプレイを朱色のドラゴンとしなきゃいけないんだよなあ……気が重いがやらなきゃ、リーさんやリーさんの両親に殺されるだろうしな……。


 しかもなあ、メチルさんの目、めちゃくちゃ期待してんだよなあ。俺が、断ったら多分傷つくよな。


「やりたくないけどやるよ」


 俺の言葉を聞くと、メチルさんの顔がパァッと明るくなり


『わああああ! 苦節15年! 久々の試験案内ができるうう!!』


 余程嬉しかったのか、ガッツポーズをしている。


「はははは……がんばりますんで、案内お願いします」


『さっ行きましょう! 試験の間へ』


 俺をつかみ、凄いスピードで羽ばたくメチルさん。風が肌を切り裂きめちゃくちゃ痛い。飛ぶ事5分程で、メチルさんがやっと止まってくれた。


「早すぎる……良く死ななかったな」


 メチルさんが、やっと手を離してくれた。正直身体中が痛い。


『あっああ! 大丈夫ですか!?』


「大丈夫、なんとか……とりあえず中に入れば良いのかな?」


『はっはい! このスペーシャリの間で!』


 スペーシャリってなんだ? スペーシャル、スペシャル? スペシャルの間!? 今さら断れないし、仕方ないか……。


 重い足取りで、メチルさんが開けてくれたドアから中に入る。


「こっこんちわあ。試験受けにきやしたー」


 中に入ると、中は暗くなにも見えない。俺が目を凝らして見ていると、中央が光り輝く。


『オーッホホホ! スペーシャリの間へようこそ! 貴方が試験を受けに来た、男ね!』


 SMプレイをしていた、朱色のドラゴンが高笑いをしている。ドラゴンの身体にボンテージ、変な仮面に鞭、やっぱりコイツかあ。


「なあ一つ聞きたいんだけど、ドラゴンと龍の違いってなに? メチルさんとかケスディアさん達は和風の龍だったけど、あんたと変態プレイをしてたのは洋風だろ? この違いってなんだ?」


『よっようふう? わふう? メチルにケスディア家……ああ! それは成龍になるとこの身体からメチルみたいになるのよ! 私はなりたくないからこのままだけどね!』


 大人と子供で姿が違う、なんて言ったかなあ。


「ああ変体か。龍って変体なのかあ」


『変態? そう私達は性を解き放った存在! Sの向こう側、Mの向こう側の世界の住人よ! 貴方見どころあるじゃない!』


 朱色のドラゴンは俺をめちゃくちゃ褒めてくれている。ただコイツは変体と変態を勘違いしているな。まあ敢えて言わないでもいいか。


『試験を始めるわよ! 名乗りなさい!』


「柊洋一です……」


『ヒラーキヨーイチ! 気に入ったわ! さあそこに座りなさい!』


 朱色のドラゴンに促されるまま、部屋の中央に座る。とりあえず胡座でいいか。


『素直な子ね!』


 めちゃくちゃ喜んでるが、とりあえず気になる事を聞いてみよう。


「質問いい? まず人化できないの? ドラゴンの姿にその服はなんか嫌だ。後、なんで試験の間の試験管が貴女しかいないんだ?」


『人化? 出来ないわよ! やり方知らないし。もう一つ答えるなら、試験管をやりたがる人がいないわ! 私には天国的な場所なんだけどね』


 そりゃそうか、SMプレイにハマる人はここから出ないし、ハマらない人はキレて帰ってるんだもんなあ。


「男性しか試験受けないの?」


『女性も受けるわよ? 女性はメチルが担当するから、なにをしてるか知らないわ。興味もないけど』


 俺が女性ならメチルさんが担当で、まともな試験を受けられたのかあ……男だから仕方ないけど、性別なんて変えられないしなあ。


『先ず目を瞑りなさい! 貴方が目を瞑ったら試験を始めるわよ』


 とりあえず言われた通りに目を瞑るか。グダグダ悩んでも、仕方ないしな。


━━バチン!


「痛っ!! なにすんだよ!」


 目を瞑った瞬間、いきなり鞭で背中をひっ叩かれた。


『試験開始よ! 行くわよ! 貴方の性の世界へと!』


「はっ? 性ってなん……」


 俺の言葉はそこで途切れた。

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