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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第218話 童貞にSMは無理ゲー過ぎる


 血を使うって病気になったらどうするんだ? 医者とかいないし、回復魔法がウイルスに効くかもわからないしなあ。そう言えば、病気らしい病気って今までかかった事ないな。


『あの! ちょっと! おーい!』


 何故血なんだ? 涎とかじゃだめだろうか? 血はやだなあ。見るのは慣れたけど、どうせ痛いんだろうしなあ。


 考え事をしている最中に、大声を出しながら揺さぶらないで欲しい。


「すいません。血以外でお願いできますか?」


『やっと返事が! ってダメですよ! これは古くからの慣しなんですから』


 頬を膨らませ、腰に手を当てプリプリと怒るメチルさん。メチルだけに、メチルアルコールとか好きなのかな? この世界にメチルアルコールがあるかわからないけど。


『また遠い目をして! 私の話をちゃんと聞いて下さい! 話を聞かない分からず屋さんには! あむっ!』


 メチルさんが、俺の指を掴み口に入れた。


「ひゃっ!」


 メチルさんの口の中、凄く気持ちいい。女の人に指を舐められるって、こんなに気持ち良いんだなっ!


「痛あああああああっ!」


 メチルさんが、急に噛みついてきた。そんなハードなプレイは望んでいないのに!


『|あむ! あむむむむあむむむ! 《もう! 動かないで下さい! 》』


 あむあむ言っていて、なにを言っているかはわからないが、齧られた指がめちゃくちゃ痛い!


「離してえええ!」


 メチルさんが、指を口から離すと、指先から血が滴り落ちる。メチルさんの顔を見ると、赤くなっている……やっぱり血が好きなサイコパスだ……。


『その血で、石版に書いてください! 書いたらまた血を……』


「血はまた今度で……とりあえず書きますから」


 石ペンに触れると、齧られた場所から痛みが走るが構わず、血をつけ名前を石版に書く。


 名前を書いた石版を、メチルさんに手渡す。


「痛っ……とりあえず書きましたよ」


『はい! ありがとうございます。試験を受ける前に、他の方の試験の見学をなさいますか?』


 見学? 試験って見学していいもんなのか? カンニングにならないかな?


「カンニングにならないの? 他の人の試験を見るなんて」


 俺の言葉にキョトンとした顔をしているメチルさん。顎に手を当て、目を瞑り少しすると、手をポンと叩く。


『かんにんぐ? がなにかわからないですけど、そのお顔からして、公平差を考えているんですよね? 安心してください、試験内容は皆さんバラバラですね。あくまで参考程度ですから。……見せないで、文句言われたくないし』


 ん? 最後の方が良く聞き取れなかったな。見せパンがどうとか言ってたな。見せパンなら、パンツを見ても良いのかな?


「見せパンなら、パンツを見てもよろしいか?」


『きゃっ! なにをきゅきゅうに!』


 真っ赤な顔でパンツを隠す動作……違ったか。ツッコミ役がいないと、ただのセクハラ野朗だな。


『とっとりあえず、行きますよ?』


 右手と右足が同時に動いているし、メチルさんガチガチに緊張しているな。


 メチルさんの後をついて行くと、鞭の間と書かれた大きな扉の前に着く。


『こちらの窓から見ても良いですよ?』


 指し示された窓はとても高い位置にあった。パーフェクトボディだった頃でも届かないぞ?


「窓の位置高っ! 届かねえよ!」


『あっ龍化できないんでしたか……なら私が運びますよ!』


 メチルさんが龍化すると、オレンジ色の鱗、黄金の瞳、黄色い角を生やした、大きな龍になる。リーさんよりは小柄だが、綺麗な龍だな。


「綺麗な鱗だな」


 俺はメチルさんの尻尾の付け根付近によじ登る。


『きゃああああ!!! 変態!』


「ぶばっしゃあああああ!」


 メチルさんに尻尾で、ぶっ飛ばされ、壁に叩きつけられた。怪我しなくてよかった、思ったより俺は頑丈になっていたみたいだな。


「いててて。どうしたんですか急に……」


『ふっ不浄の鱗(ふじょうのうろこ)を急に触るなんて、変態じゃないですか! ダメですよ! 結婚もしてないんですから!』


 どうやら龍化した人の恥部を触ってしまったらしい。正直どの鱗が恥部なのかわからないけど。


「すっすいません、恥部とは知らずに……」


『もっもう! 私が抱えますから暴れないで下さいね!』


 メチルさんに抱えられ、窓まで飛んでもらう。正直握りつぶされないか不安だが……。


 窓から覗いてみると


『アッー! アッー! アッー!』


 俺はそっと目を逸らした、だって朱色のドラゴンが緑色のドラゴンを巨大な鞭で叩いているなんて、予想もしなかったから。


「これが試験……まさかSMクラブの試験だったとは……高度過ぎる……!」


『えす、えむ? 他の部屋も見ますか?』


「そっそうですね、他の部屋ならもしかしたら違う光景が……」


 次に案内された場所は、蝋の間。ああ、見たくないなあ、だって予想ができるんだもん。


 蝋の間を覗くと、朱色のドラゴンが、茶色のドラゴンの背中に蝋を垂らしていた。


『もっと! もっと垂らして下さい!』


「……他の部屋は……?」


『では次の部屋ですね!』


 縄の間と書かれていた、その部屋の中では新橋色のドラゴンが縄で縛られ転がされていた。


「もう嫌だ! 龍ってみんな変態かよ!」


『なっなにを失礼な! そんな事ありませんよ!』


「いやあの光景を見て、どの口が言ってんだよ!」


『みんな座禅を組んでいただけじゃないですか!』


「はあ!?」


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