表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
261/291

第215話 YES女好きNO男色


 いきなりなにかに、吹っ飛ばされた俺とゴロウマリさんは2人仲良く地面を、顔面で滑っていった。漫画的な展開なら怪我をしないんだろうが、俺とゴロウマリさんは、蘭が回復してくれるまで、色々な意味でボロボロになったぜ……。


『全くあんたは! 娘に恥をかかせるんじゃないよ!』


 現在ゴロウマリさんを説教しているのは、青色で腰まである長い髪、青い瞳、一重で切れ長の目。着物を突き破りそうなロケットおっぱい。肌は色白で、鹿のような青い角が2本生えている。


『あたしは言ったよねえ、粗相がないようにしろって! 婚約だ云々は別として、なまじ力が強くて、身分もあるから友達も出来ずに、引きこもっていた娘が友達や彼氏まで連れて来たんだぞ!?』


『いやちょ……母さんあの』


 うわあ、実の母親に引きこもりからボッチまでバラされるとかきついな……。リーさん、顔面蒼白でオロオロしちゃってるじゃないか。


『それをあんたが変質者だからってこの方々が、引いちゃって、リーヴェルトがまた引きこもりなったらどうするんだい? あんた責任取れんのかい!?』


 胸ぐらを掴まれガクガク揺さぶられるゴロウマリさん。奥さんに怒られている叔父さんみたいだな。あの時の叔父さんと同じ死んだ目をしている。


『いやでも母さんこいつが』


『こいつ!?』


『いやあのこの方がリーヴェルトの事が気にいらないみたいに言うから……』


 ちょっと待て、その言い方じゃ誤解されて、怒りの矛先が……


『ああん? うちのリーヴェルトになんか文句があるって言うのかい? 胸は小さいけどこの美形だよ? 絶世の美女と言っても過言じゃないんだぞ!?』


 ぐえっ! 襟で首が締まるううう


『なんとか言ったらどうなんだい!』


 苦し、喋れない! ギブギブう!


「あの首が締まって洋一が喋れないんですが」


 蘭ナイス! だけど遅いよ! 


『おっとすまないね、じゃあ遺言を聞こうじゃないか』


 やばい、言葉を間違えたら首に添えられた手で首をへし折られる。


「まっまず、娘さんの魅力について説明をしたいと思います。綺麗な紫色の髪、綺麗な唇、綺麗な瞳、綺麗なボディライン、私の国にいた有名人と遜色なく、絶世の美姫だと思います。加えて龍族でありながら、呪術にも優れ、武に関しては私などが言うまでもなく完璧そのものです」


『おっおう、わかってるじゃない……』


 ん? 引いてる? だがここでやめたら殺される!


「更に知力に秀でていて、羞恥心は生娘そのもの。龍になり背に乗った時は天にも勝る思いでした。私は元人間と言う卑しい存在なので、高貴な龍の背に乗る事得も言われぬ幸福感なのです! わかりますか? えーとお名前は……」


『あたしは、キル・ケスディアだが……』


 キル!? 殺される!? 名前を聞いただけなのに! 軌道修正しなければ!


「でっでは、ケスディア婦人とお呼びします」


『あっあたしが婦人!?』


 やばい婦人呼びが気に食わなかったのか? だがこのままごり押すしかない!


「ケスディア婦人の血を色濃く継いだ美しさ、そして力強さ! この世にこれだけの美と武あっ武と言っても武道の武ですからね? ゴホン、美と武を体現した人は彼女とケスディア婦人しかいません! そこのちんちくりんな元女神を見てください、今もちんちくりんと言われて、醜悪なゴブリンの様な面をしているでしょう? それに比べて娘さんは頬を染め、恥じらいを持っている! 女性としても完璧じゃないですか!」


『ちょっと誰がちんちくりんのゴブリンよ! この粗チン野朗が!』


 アナスタシアにディスられたが、気にしている場合じゃない!


「そんな完璧な女性が、人間から精龍人になりたての卑しい性欲だけの虫けらが、伴侶であっていい筈がないのです! もっと高貴で完璧な殿方がいるはずです!」


 どうだ、参ったか? おっ手も話してくれたぞ! 俺は生き残ったぞ! 限界突破サバイバーしたぞ!


『旦那様はそんなにも妾の事を……』


 ん? 何故リーさんは潤んだ瞳で俺を見ているんだ?


『父上! 母上!』


 えっ? なんでリーさんが土下座!? あっあれか、俺の命を取らない様にだな? よし俺も土下座だ!


「ゴロウマリさん、ケスディア婦人!」


『妾と旦那様の結婚を認めてください! お願いします!』


「そうだ! 俺の命を、お願いしまっ? えっ?」


 恐る恐る顔を上げて見ると、ケスディア婦人は感極まって涙を流し、ゴロウマリさんは覚悟を決めた様な表情をしている。


『あんた達の心意気伝わったよ! あたしは賛成だ!』


『非常に不愉快だが、認めるよ。だけど君は、龍人になったばかりでは赤子同然、成龍に成るための試験は受けてもらうけどいいね?』


「いや、あのですから」


 ぐっどうしたらいいんだ! 断ったら殺されるし! 身体中に力を入れて考えるんだ! 煌めけ俺の脳細胞!


『もちろん! 旦那様の尻も光りやる気に満ち満ちておる!』


 エロスうううう!! お前のマーキングのせいで要らぬ誤解が生まれてるぞ! そっそうだ、エロス俺が結婚してもいいのか? ダメだろ? 助けやがれええ!


『ヨーイチ君の正妻の座は渡さないよ!』


 現れたエロスは、裸だったがこの際気にする必要はない。エロスの耳を引っ張り


「エロス、余計な事は言わないでいいからな? とりあえずこの状況を打破してくれ!」


『任せてよ! 正妻だからね!』


 そう言うと唖然としているケスディア夫妻の前に立ちはだかり


『ヨーイチ君が欲しいなら、神を倒す覚悟をして貰おうか! ヨーイチ君は僕の夫なんだからね!』


 ばっ馬鹿やろう! 余計な混乱を招くんじゃない!


『だっ男色だと!? 男色でありながら娘にも手を出す気か!? 娘は妻よりも乳はないが女だぞ!? とらあああああああい!!』


 ゴロウマリさんが、ケスディア婦人とリーさんにぶっ飛ばされた。


「洋一君、まさか僕の尻も……」


 師匠が尻を隠しながら後ずさる。


「違います! 誤解です! 俺はケスディア婦人の様なロケットおっぱいが好きでぎゃあああ!」


 真っ赤な顔をしたケスディア婦人のパンチが腹に突き刺さった……。


「ナイスストレート……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ