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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第212話 秘儀アナスタシアバリアー!


 リュイは堺さんから貰ったネックレスを首にかけている。因みに、蘭と師匠に入念に鑑定をさせた後にだが。


 魔王の呪いやら加護が、ついていないかと念入りに確認していた。


 豪爺いの体調も回復し、俺達は龍に戻ったリーさんの背に乗る。蘭、師匠、豪爺い、リュイ、アナスタシア、俺の布陣だ。桜さん、エレン爺い、レイ先生、精霊達はお留守番。桜さんは、精霊の加護を貰えたが、禁忌の国の話をしたら体調が悪くなった為連れて行けない。


 桜さん曰く、桜さんの中のディアナがアレルギー反応みたいな感じになったと言っていた。


「リーさんよろしく頼むよ」


『しっかりと捕まっておいてくれよ? 旦那様を振り落としたくないからな。蘭よ魔法を頼む。空中は風圧と気温が一気に下がるからな』


 空は確かに地上より寒いって言うしな。俺半袖だけど大丈夫なのかな? 凍死しないかな?


「アナスタシア落ちるなよ? フリじゃないからな?」


『落ちるならあんたでしょ! 私は絶対に落ちないからね! 葵、私を落ちないように支えてて!』


「ハッ! お任せを!」


 師匠がアナスタシアの後ろに座り肩を抑える。


『これで私が落ちる心配はなくなったわ!』


「リュイ、俺のポケットから出るんじゃないぞ?」


『もちろん!』


 うんうん、リュイは良い子だなあ。


『ちょっと私を無視するんじゃないわよ!』


「うんうん。アナスタシアはどうしようもない、悪い子だなあ」


『あんた女神に向かって失礼なのよ!!』


「━━蘭よ、いつもこんな感じで賑やかなのか?』


「はい……洋一だけでも賑やかなのに、アナスタシア様が揃うといつもこんな感じです」


「━━ふむ。洋一、アナスタシアと結婚するのか?」


 豪爺いが優しい眼差しを向けて俺を見ている。


「『はっ!?』」


「━━違うのか? まあ洋一には神じゃなく普通の人間と結ばれて欲しいが……」


「豪さん、洋一は種族が変わった影響で、異種族としか番になれないんです」


「━━なんとまあ……洋一も数奇な運命だな」


「ちょっと蘭! なに余計な事言ってんだよ! リーさんGO GO!」


『旦那様は愉快じゃな。では行くぞ!』


 リーさんが空に飛び上がり、グングンと進んで行く。街が点にしか見えないぞ……って言うかめちゃくちゃ怖い。ションベンちびりそうだ。


「うおっすげえ! これが蘭がいつも見てる景色か! ちんたまがヒュッてなるぜ」


『ちんたまヒュッヒュッ!』


「リュリュイ、それは女の子が言っちゃダメな台詞だからな?」


 リュイが俺を見上げながらニマニマしている。


『ちんたまヒュッヒュッヒュッヒュッ!』


「リュイやめろ!」


『妾の背中で珍妙な掛け声を出すな! そろそろ神国の結界を抜けるぞ、しっかり捕まっておけ!』


 紫色の薄い膜を突き抜けると、色とりどりの光りに満ち溢れた世界が視界に映る。


「めちゃくちゃ綺麗だな。魔力に満ち溢れている? なんだここ?」


 ん? 光の中になんかいるぞ? 蘭や師匠も警戒しているし。


『ここが、禁忌の国だが……やっと来たな。我がなヴァイシュラヴァナ、いや貴様には毘沙門天と名乗った方がわかりやすいか? 我が魔獣は主の傀儡になったか。まあいい』


 右手には赤い棒、多分如意棒か? 左手には宝塔、背中には火焔、顔は厳つい、昔の武将みたいだな。如意棒を俺に向けてくるヴァイシュラヴァナ。


「なんのようだよ。虎次郎はやらねえぞ、魔獣の森に置いてきたしな。って言うかお前! 神夜って言うキチガイをこっちの世界に放り込んだろ!?」


『かみや……? 知らん!』


 なに歌舞伎の見え切りみたいなポーズしてんだよ!


「知らんじゃねえよ! 来てんだよ! お前が召喚したのはバレてんだよ! 後ジャングルの王者、太一を転移させてきたろ?」


『ジャングル? ジャングル? あー!! 裸の馬鹿男か! 我が転移させてやったぞ! 力も分けてやったからな』


「なんで太一の事は覚えてんだよ……」


『あっアンタ! なんでこっちの世界にいるのよ、どうやって入ってきたのよ!』


 アナスタシアがヴァイシュラヴァナに向けて、怒鳴り散らす。


『それは言えん! 秘密だと約束したからな』


『くっ、この馬鹿! 頑固者! じゃあなにしにきたのよ!』


 確かになにしに来たんだこいつ?


『我は、神々が気にかける男の顔を見に来ただけだ! 良い面構えと、淀みの無い魂、人間じゃないのが惜しいが……我の加護を喰らえ!』


「アナスタシアバリアー!」


 俺はヴァイシュラヴァナが、なにかしようとした瞬間にアナスタシアの背後に隠れる。


『うぎゃっ!』


「ふう。危なかった……」


『危なかったじゃないのよ! 私に思いっきり当たってるじゃないのよ! なんにもなかったから良かったけど』


「得体の知れない相手の加護なんていらないだろ? お前なら平気だろ? ほぎゃ!」


 師匠に頭をぶん殴られた。


「洋一君、アナスタシアちゃんに、変な虫がついたらどうするつもりなんだよ。もし加護のせいで、アナスタシアちゃんが筋肉ムキムキになったら……僕は君を殺すかも知れない」


 やっやばい、あの目はマジで俺を殺す目だ……。


「おい! 大丈夫だよな?」


 縋るようにヴァイシュラヴァナを見ると


『知らん!』

 

「お前そればかりだな!」

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