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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第208話 リーさんショック


 「龍人じゃない!? えっじゃあ俺なんなの? 尻尾生えたけど……」


  まじかよ、俺はってきり龍人だと思っていたんだけど、もしかしてただ尻尾が生えただけの人間って事!?


「正確には龍人じゃないみたいだよ? 精龍人って出てるし。精龍人かなにかわかる? ゲームとか漫画とか洋一好きでしょ?」


「いや、初めて聞くよ。龍人、聖人、星人、廃人、灰人、屍人、焔人、なんての聞いた事あるけどさ」


 星龍とか聖龍ならわかるんだがなあ。精の精だもんなあ……。リーさんならわかるかな?


「リーさんに聞いてみるか」


「それがいいかもね。洋一、リーさんを連れてくの? 危ないんじゃない?」


「それなあ。俺も思った」


 リーさんも古龍とはいえこの世界の住人なら、神国の話題を出せば、母さんの様に具合が悪くなるんじゃないのか? 誰が聞いてるかわからない状況で、神国のワードを出すのも危険だしな。


 とりあえず蘭にリュイ達が近づかない様にして貰おう。


「蘭、この世界の人達が近づかない様にしてほしいんだが、できるかな?」


「大丈夫よ」


 蘭がそう言い俺の部屋から出ると、精霊達からブーイングが上がっている。ブーイングするなよ、お前等の為なんだぞ。


『だっ旦那様、人払いまでして妾を呼ぶとは……妾その初めてだから……』


 頬を染めてくねくねするな!


「ばっ! なに勘違いしてんだよ! これから俺達が行く国についてだよ。禁忌の国に行くんだが、お前着いてくるの? 危ないんじゃないのか?」


『旦那様が妾を心配してくれる……!』


 身体を抱きしめて、色っぽい仕草をするなよ。


「いやまじで、おふざけなしでさ。俺の母さんは具合が悪くなったし」


 ふざけるのをやめたのか真剣な顔付きになるリーさん。真面目な顔をしてたら綺麗なのに。


 リーさんが指をパチンと鳴らす


『外からも結界を張っているみたいだが、中からも念の為に遮音結界を張らせて貰おう。旦那様に問おう、禁忌の国、神の国、その国に挑むと言う意味がわかっているのか?』


「挑むとかそんな大それたもんじゃねえよ。神殿があるから行かなきゃならないだけだし、残りの神獣の無事も確認しなきゃならないんだ。それに蘭がきちんと創造神の加護を貰う為にも必要な事だしな」


 リーさんが目をクワッと開く。


『ふむ……妾の威圧も効かんか』


「あー威圧してたのか? 全然わからなかったけど。急にクワッとやったから、なにかと思ったけど」


『なっ! それじゃあ妾が急に目を開けただけの馬鹿みたいじゃないか!』


 めちゃくちゃ怒ってらっしゃる!? 理不尽過ぎるだろ。


「まっまあ急にふざけだしたとしか、思わなかったけど」


『とことん規格外じゃないか。話を戻すが挑む覚悟はあるのか?』


「あるよ。まあこれは俺の責任みたいなもんだしな」


 リーさんが、頭を押さえて深いため息を吐いている。


『悟……すまんな約束を違えるやも知れん』


 さとる? サトル? サドル? 悟? あれ悟さんって豪爺いの


「さとる? 黒岩悟さんの事か? まさかそんな訳ね……おわ! なんだよ急に!」


 俺の呟きに、リーさんが超スピードで近付き俺の肩を掴む。


『旦那様よ、何故、悟を知っているのだ? 元いた世界での知り合いか? 疾く答えよ!』


 俺をガクガクと揺さぶるリーさん。


「あぶぶぶぶぶ!」


 揺らされ過ぎて喋れねえ! 心が読めるなら、今すぐ揺らすのをやめてくれええ!


『あっああ……すまん……すまん』


「はあ、はあ、はあ。リーさんさ、先ず最初に期待を裏切るようで悪いけど俺は、黒岩悟さんに会った事も無いし、顔も知らない、今いる場所も知らない」


 俺の言葉にリーさんが項垂れる。あからさまに落ち込んでるな……。


『それならば、何故、悟の事を』


「それは俺の知り合いが悟さんの親族だから」


『悟の親族が生きている!? 時系列が合わないぞ! 妾を謀っているのか!?』


 瞳が獰猛な野生動物みたいだな。


「んーちょっと待ってろ」


『なっ!』


「いいから」


 文句を言おうとしてるリーさんを押し除け、俺は蘭を呼びに行く。


「おーい、蘭やーい、出ておいでー」


「変な呼びかけ方しないでよ」


 蘭が俺の肩に停まり、耳を噛んでくる。


「痛たたたた!! 痛いよ! 豪爺いを呼ぶか、念話でリーさんと話させてあげて欲しいんだよ。なんかリーさん悟さんの知り合いらしいからさ」


「はあ。それは良いけど、自分の種族については聞いたの?」


「あっ忘れてた……」


「忘れてたって……次からは私も話し合いに参加するから」


 それだけ言うと蘭が静かになる。多分豪爺いに連絡してるんだろうな。


「豪さん直ぐ来るって」


「直ぐ来るって近くにいたのか?」


「知らない。魔獣の森の家にいるって言ったら、直ぐ行くって言って念話が切れたんだもん」


━━ドゴン!


 馬鹿でかい音が響く。俺と蘭は顔を見合わせる。


「豪爺いかな?」


「多分……」


「早過ぎないか?」


「豪さん転移スキルなんて持ってなかったと思うけど……」


「とりあえず外にいるだろうから、迎えに行くか」


 2人で外に出ると、傷だらけの豪爺いが横になっていた。


「豪爺い!! 蘭、回復を!」


「わかってる!」

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