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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第206話 俺の心臓は左にある


 魔王の器たりえる肉体、これって堺さんが俺の身体を乗っ取るフラグじゃねえか!


「あわわわわ! 堺さんに乗っ取られる!」


「洋一、既に何回も乗っ取られてるでしょ……」


「あっそうか! なら安心だな」


「なにが安心なのよ……」


 魔王の器だとしても、俺の身体は魔力0だし、堺さんが力を使おうとしても、使えないだろうしな。精霊達は、リュイとアース位しか力を貸してくれないし。なんの魅力もないだろ。


 次に気になるのは精霊石と龍石に身体が、耐えきれたって部分だな。


「精霊爺い、精霊石いやお前の鼻糞って普通の人に入れて大丈夫なのか? 確か光の加護がないから不完全だとか騒いでなかったか?」


『ブシャシャシャ! 人間に入れたのなんて初めてじゃからわからん!』


「こっこの野朗! 自分でもどうなるか、わからもん入れやがったのかよ!」


『ブシャシャシャ、生き返ったからええじゃろ! まあアレじゃ、なんというたかなあ、そうケースバイケース!』


「人命救助をケースバイケースでする奴がいるかよ!」


 ゲラゲラ笑い続ける精霊爺いを睨みつけていると、勢いよく手をあげる変態ドラゴン。


「はい、変態ドラゴン」


『はい! 実際妾が龍石を入れなければ、旦那様の身体は魂もろとも砕けちっていました!』


「うんそうだね、砕けちっていた……ってええええ!!! 危なかったじゃん! 永眠するところだったよ! ふざけんなよ!」


『ブシャシャシャ!!』


 この爺いの処罰は、酒に混ぜ物をしてやるとして


「変態ドラゴン、お前の龍石があって助かったが、お前の龍石も危険なんじゃないのか?」


 眼を逸らし口笛を吹き始める変態ドラゴンの口を両手で掴む。


「俺の目を見ろ、真実を言わなければここら叩き出す。結界をどうやって抜けたかも吐け」


『けっちゅかいは、しぇいれいおうといっちょに、りゅうしぇきをいれたひとはちにます。※ 訳結界は精霊王と一緒に、龍石を入れた人は死にます』


「死ぬんじゃねえか! 立ち悪過ぎだろ!」


 変態ドラゴンを掴んでいた手を離すと、変態ドラゴンは頬を摩りながら


『今回は色々な条件が重なったから、大丈夫だと踏んだのさ。魔王の乗っ取りにも耐えられるその肉体、精霊石、加護に聖痕、これだけの好条件は中々ない。現に御主の身体は、身体は……どうなってるんだ?』


 えっ? 俺の身体って尾てい骨が尻尾になった以外なんか起きてるのか? 俺の身体の右胸に頬を当てて驚愕の表情をしている。


『しっ心臓が動いていない……』


「俺の心臓は左だ、右にはない」


 俺の言葉を聞き左胸に耳を当て


『あっ動いている。大丈夫か……ふう。いやー焦った、心音が聞こえないからびっくりした。でもおかしいな、妾の耳ならこの距離でも確実に心音が聞こえるはずなんだが……』


「お前、酔ってるだろ……」


『いやいやいや妾、龍よ? 龍なんだぞ? 酔うわけない……ヒッグ』


「とりあえず寝てろ。話は酔いが覚めてからだ」


『ちょっとあんた! 服を着てからこっちにきなさいよ!』


 アナスタシアがフルチンの俺をチラチラ見ながら、服を着ろと要求してくる。さっきまでキレてたから気にならなっかたけど、他人から指摘されると恥ずかしいな。


『あんたねえ、病み上がりで酒を飲むとか馬鹿じゃないの? 中身は大人でも、身体は子供なのよ? 酒なんか飲んだら身体に悪いじゃない。あっ後あの古龍とけけけけ、結婚すすすすするつもりなの?』


 あん? なんで俺が結婚しなきゃならねえんだ?


「結婚? しないけど」


『龍石は結婚相手におおお送る物なのよ!』


「知らなかったから無効だな。知らないままにしておこう」


『そうね! それが良いわ!』


 あからさまにほっとしてやがるが、俺が結婚しないのがそんなに嬉しいのか?


「なに安心してんだよ。まあそれは良いとして、アナスタシアなんでやつれてんの?」


『やっやつれてないわ!』


「いややつれてるから、頬だってこけてるし、なんか紗香さんを封印した時よりも状態が悪くねえか? 信仰とは違うが女神だって認めてんだけどなあ。やっぱり俺だけじゃ足りなかったか?」


 アナスタシアが顔を真っ赤にして、やつれた頬を膨らませていて、ハムスターに激似だ。


『しっ知らないわよ! このフルチン童貞!』


「なっなんだよ! もうちんこは閉まっただろ! 心配してんだぞ!」


『うっうるさい! バーカ!』


 ベッドで寝ている桜さんを引き摺り、桜さんの小屋に戻っていくアナスタシア。


「なんなんだよ!」


「洋一君……」


 師匠から物凄い量の殺気を感じる。


「ひっ! なんでございましょうか?」


 師匠は満面の笑みを浮かべている、寒気が止まらない。


「訓練しようか? 種族も変わったし、レベルも99もあるんだから、いっぱい戦えるよね?」


 師匠は俺の襟首を掴みずるずると外に引っ張って行く。


「いやだああああああ! 離してえええ!」


 その後師匠に、訓練と言う名の拷問をされる。蘭は助けてくれないどころか、師匠の訓練に参加してきた。俺がへばると回復をかけられ、強制的に延長される。


 デスマーチも裸足で逃げ出す訓練メニューだった。

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