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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十一章 禁忌の中の龍の国
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第205話 酒と涙と男と女?

 桜さんが、俺の叫びにびっくりして飛び退いた。なんなんだ? 尾てい骨、ええい面倒だ、尻尾を握られると尋常じゃなく痛い。俺は孫一族になったのか? そうだ! 種族が変わったなら寿命とか伸びたのかな? 確か蘭も神獣になって寿命が長くなったんだよな? なら蘭と過ごす時間が長くなったのか!


「叫んだと思ったらニヤニヤしてるでござる……掴み所が悪かったんでござるか? 蘭ちゃーん! 洋一君の頭に強めのヒールを!」


 桜さん慌ててるなー。


「あっ蘭、多分寿命伸びべぶらっ!」


 蘭、鳩尾に頭突きはいかん……


「洋一! 正座!」


 痛む腹をさすりながら、抗議の声を上げようとしたら、蘭がブチ切れている。こりゃいかん奴だ……目が本気モードじゃんか……


「はっはい!」


「なんで見知らぬ人に助けられてるの! 私が助けなきゃいけなかったのに! それに種族まで変わってるし! それにあの古龍は誰!? なんでお嫁さんなの!? いつ何処で孕ませたの!?」


「らっ蘭落ち着け……」


「落ち着けえ!? どんな気持ちだったかわかるの!? いつもいつも勝手に危ない目にあって死にかけて、巻き込まれて、厄介ごとにどんどん首を突っ込んでいくし……」


 蘭の瞳から涙が溢れる。


「ごめんなさい」


 その後も蘭の怒涛の説教は日が暮れるまで続いた。



 精霊爺いと古龍のおば……お姉さんも、なんでおばさんって考えただけで睨みつけられなきゃいけないんだ……。仲がいいのかな? エレン爺いと三人で酒を飲んでるし、いいなあ。種族も変わったし、俺も飲むかな。酒


「ヨーイチ、レイに見つかっても知らんぞ」


「大丈夫、精霊爺いがいれば、気づかないはず」


『ブシャシャシャ飲め飲めー!』


『妾に酌をせんかああああ!!』


 いい感じにカオスになってやがる、これなんた? そういや前にエレン爺いの酒を飲んで意識が消えた気がするんだがまあ良い!


「柊洋一! いかせて頂きます!」


 葡萄の匂いが鼻を包み込む。やばいこの酒は絶対に美味い奴だ! 口に含むと葡萄の豊潤な甘みと、程よい酸味が口に広がる。


「うめええええ!! なにこれやばい!」


 大ジョッキサイズのグラスをいっきに飲み干す。


『『「あっ」』』


「あってなんらあ? もっとよこしやがれ!」


 俺は精霊爺いから、酒の瓶を奪い取り、それも一気に飲み干す。


「ふーう、おいそこの女! いきなり来て嫁だあ? ふざけら事抜かすと、そのぶら下がった乳を引きちぎるぞ! だいたい、契約っちゅうのはよう、ハンコがいるだろうが、書面だって買いてないぞう? 口頭契約なんて無効だろうがああん? 名前ぐらいなのりゃや!」


━━ゴンッ!


『あふん!』


 酒瓶で女の頭を引っ叩いてやる。


『すっすいません……妾の名前は、リーヴェルト・ケスディアと申します』


 謝るぐらいならちゃんとしろってんだよ!


「おい、爺い共、お前らばっかり酒を飲みリャがってえ!! ぎょええええええ!!!」


『ヨーイチ! お酒飲んじゃダメって、レイに言われてたでしょ! なにやってんのよ! あっ精霊王様、すいませんヨーイチかりますね』


 リュイに電撃をぶっ放されたおかげで、シラフに戻った俺は、大惨事を目にする事になる。


『妾初めてだった……男に酒瓶で殴られるなんて! 気持ち良過ぎる! 流石は妾の旦那! 抱いて!』


 大喜びする変態ドラゴン。笑いながら酒を飲む爺い達、そしてフルチンの俺。


「洋一、説教が終わって直ぐに、酒飲んで暴れるなんてどうしてそう言う事になるのかな?」


 ヤバイ! 獲物を見る眼だ!


「ひゅえ! 久々のお酒だったので……匂いに釣られまして、その」


「洋一が地球で飲まなかった理由を言ってみて」


「酔って、暴れて、裸で大騒ぎし、交番のお世話になったからです」


「それだけじゃないよね?」


「それと、迎えに来た叔父さんの奥さんにダル絡みして、叔父さんにしこたまぶっ飛ばされたからです」


 そう俺はあの時、裸で奥さんを口説いていたらしい。らしいと言うのは、記憶が定かではないからだ。目覚めた時には、キレた叔父さんにボコボコにされ、入院していた。叔母さんは、何故か俺を見ると頬を染める様になっていた……この時俺は33歳、叔母さんは67……と言う俺の黒歴史。


「あの後、叔母さんは私に、ずっといつ旦那と離婚しようかしらって言ってたのよ」


 うげ! 知りたくなかった事実が蘭から知らされる。叔父さんごめん、俺が酒に酔ったばかりに……


「まっまあ離婚しなかったし、最後まで一緒にいたし……」


「飲むなとは言わないけど、酒を飲むなら飲まれるなだよ。標語になってたでしょ?」


「はっはい……」


 フルチン土下座と言う、人間の尊厳をかなぐり捨てた行為により許しを得る。


「なあ、そこの変態ドラゴン。なんで俺の嫁になりたいんだ?」


『あひん! 御主、妾の一族の末弟を倒したじゃろ? 末弟と言うても分派の糞雑魚だから、気にする必要はない。更に! 黒龍も倒している!』


「おい、レッド・ドラゴンを倒したのも黒龍を倒したのも蘭だぞ? 俺は、外野でわちゃわちゃ騒いでいただけだよ」


『それでも! 人目見てビビビと来たのだ! その細い眼、年齢と魂の不釣り合い、大量の加護、さらに聖痕、魔王の器たりえる肉体! 更に精霊石と龍石まで受け入れた強靭な身体! 完璧じゃ!』


 後半かなり不穏なワードが混じっていなかったか?

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