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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
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第203話 口移しってエロいよね


 ポッカリ開いた胸の傷に、彼の生暖かい、黒いダイヤモンドが入ってきた。私は色々な意味で死んだ……。


 って恋愛小説みたいに語ってる場合か! 身体の中が引っ掻き回されるうううう! 


 痛みが身体中を這い回る。


 グハッ! 俺は鼻糞に殺されるのか、嫌だそんな死に方、ダサ過ぎる……なんとかしないと、痛みで思考が定まらない


 部屋の窓から、大きな瞳が俺を見ている。


 って瞳!?


「なんだ? ドラゴン?」


「葵、今は戦わないでね。向こうも戦う気がないみたいだし、洋一になにかあっても困るから」


「やらないやらない。蘭ちゃん、いくら僕だって時と場合を考えるよ」


「えっ?」


「あははは、信用ないなあ」


 そうか戦う気がないのかって、なんか家がミシミシ言ってるうう! こんなふざけた状態で死にたくないい! って言うか誰か鼻糞とってえええ! 


『ブシャシャシャ、こりゃ珍しい古龍か』


 古龍かじゃねえよ爺い! 鼻糞取りやがれ!


『小さき巣だな。御主(・・)はこの姿のままじゃ話しにくいか、魂魄変化(こんぱくへんげ)


 外から凛とした声が響く、女性にしてはやや低い? 


『久々にこの姿をしたが、変じゃなかろうな?」


 紫色の長い髪、透き通るような白い肌。切れ長目で、東洋人のモデルの様な顔立ち。そしてなにより、裸だ! 小振りだが形の良い乳、綺麗な尻に、紫色の尻尾!?


『尻尾がまだ隠せておらなんだか。ふんっ!』


 おおお! 完璧だ! って言うか痛みがなくなったな? まさかマジで死んだ? いよいよゲームオーバーかよ……堺さん、精霊爺いの鼻糞じゃだめだったよ。


『死んではおらん、妾が痛みを逃がしてるだけだ』


 痛みを逃してくれてるのか、なるほどなるほど。って心読めてんの!?


『心が読める事は気にするな、些末な事だ。それに御主は、

死んではおらんが、もう時期死ぬぞ? 妾が持つこの龍石(りゅうせき)を入れねばな。そもそも光の精霊が足りん時点で、かなり無茶な実験だ』


 実験じゃない! 一応人命救助の筈だ! その龍石で俺に復活の儀式を! 龍石って意外に小さいんだな、紫色のビー玉みたいだな。


『人間でいたいんじゃないのか? 今なら人間のまま死ねるぞ? 精霊石(鼻糞)と龍石を入れたら確実に人間じゃなくなるぞ? 死ぬか、人間を辞めて生きるか、考えてみよ』


 人間じゃなくなるってモンスターになるのかな? モンスターにはなりたくないなあ。見た目と中身が今のままなら、種族は化け物でも構わないんだが。


『人間と結ばれ、子をなす事は出来なくなるぞ?』


 まっ! それマジかよ、人間と結婚できなくなるのかあ。待てよ? 人間の女の子って知り合いにいるか? レイ先生はエルフだし、リュイ達精霊は妹や弟にしかみえないし、アナスタシアは元女神だし、紗香さんもアマルナも女神だし、、アーレイも妖狐族だし、ケイナちゃんには嫌われてるし、アーレイの義母さんや、母さん、大和さんのお嫁さんは外すとして……桜さんも今や魔族と融合してるわけだし……あれ? あれ? 人間の知り合いがいない? なら別に人間じゃなくてもいいんじゃね?


『御主、大分数奇な人生を歩んでいるな……人間のをなごと、そこまで縁がないとはな。見た目は対して(・・・・・・・)変わらん。異種族としか結ばれない運命になるが、本当に良いんじゃな?』


 命が助かって見た目や中身がそのままなら、むしろお願いします。元々女の子には縁がない人生だったしな。ん? 種族が変わったら最強になるんじゃない? 今LV99な訳だろ? そこで種族チェンジが起きたら、それはもうメガ進化なんじゃないのか!?


『めが? 妾にはわからぬが、そんな簡単な物じゃないぞ? 種族が変われば価値観も変わるからな。それにLV99でそれしか力がない御主が、種族が変わった処で劇的な力の変化はないぞ』


 価値観か、価値観ならこの世界に来てから嫌って程違いを見せつけられてきたよ。だからまあ大丈夫だろ。やってくれ、そして師匠の前では服を着てくれ。


『あいわかった。その覚悟受け取った。御主が起きてから、改めて自己紹介もしよう。師匠とはあの強者か? 服など面倒なんだが……』


 面倒でも着てくれ、師匠が鼻血まみれで死ぬから。って言うか蘭も師匠も貴女の変化に気付いてないのはなんでだ?


『この姿は御主の魂にしか見せておらん、この方が話しやすかろう? 彼奴らの眼には、妾の真の姿しか見えておらん』


 あーなるほど、そう言うあれな感じか。おっぱいをしまわれるのは嫌だが、ここは人命優先だ。俺と師匠の為に服を着てくれ。


『仕方ない、後は妾に任せて見ているが良い。これは妾と御主の契約じゃ』


 それだけ言うと藍色の着物を着た女性が、部屋から入ってくる。服着れんじゃねえか! って言うか契約ってなんだ? 契約内容なんて聞いてないぞ!


『ブシャシャシャ古龍よ、なにしにきた?』


『妾の未来の夫を助けに来たまでよ』


「「えええ!?」」


 蘭と師匠がめちゃくちゃびっくりしてる。そりゃそうだよな、龍が消えて女になって、俺を見て未来の夫を助けに来ましたって……情報量多過ぎて戸惑うわな。


『とりあえず、話は後じゃ。不完全な精霊石など入れおって……』


 そう言うと、紫色の玉を口に加え、俺の傷口に口を当て紫色の玉を押し込んだ。


 なんかエロいな……。


 そこで俺の意識は途絶えた。

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