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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
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第200話 魔王がニートなら部下もニート


 精霊爺いがまともなプレゼントをくれた! 流石だぜ。一度、魔獣の森に戻るべきかな? アリメリアとレイラは、精霊爺いの圧で白目を剥いて気絶してるけど。


「蘭、二人を回復してあげて。精霊爺いがいるとまた気絶しちゃうから先に魔獣の森に行っててよ」


「うん、精霊王様が帰った後にでも回復させるよ。怪我してる訳じゃないしね」


『ブシャシャシャわかったぞ! とう!』


 あっ今回はちゃんと飛んでいくんだな。褌爺い、空を飛ぶ!


『はー怖かった。なんでヨーイチは平気なの? 精霊王様の圧力凄かったけど』


「多分称号のせいだろうけど、なんだろなあ優しい爺いちゃんにしか見えないんだよ」


『君すごいね……』


 リュイとアースから、尊敬の念を込められた目で見られる。なんだかくすぐったいな。


「いやまあははは」


 皆んな俺をもっと褒めるんだ! 褒められて伸びる子なんだぜ! 時代は正に洋一時代!


「僕も平気だったけどね、大和さんの圧に慣れると、あれ位じゃ平気だよ」


『『凄い!』』


 一瞬で時代が終わった……俺の天下、短過ぎだろ。リュイとアースが、師匠の周りではしゃいでいる。


「蘭、俺の天下は短かったぜ。まるで信長だぜ」


「短かったぜじゃないよ。二人にヒールもかけたから、起こしてよ」


 俺は二人を起こし、事情を説明する。


「精霊王が来たなんて、不細工ボーイ貴方の人脈どうなってんのよ……」


 まあ知り合いが凄いだけで、俺は凄くないからなあ。ん? レイラがぶつぶつと呟いている。なんだ?


「褌、禿頭、髭……! なんと言う濃さ! 羨ましい! 妬ましい! 私と交代してくれえええ! なあ私も連れて行ってくれ! 邪魔はしないから!」


 邪魔もなにも精霊爺いを見たら気絶するだろうに。


「なあ頼むよ! 靴も舐めるから! なんなら君のを咥えるから!」


 なにをだよ! とんでもない下ネタをかますんじゃねえよ! 気持ち悪いよ!


「先ずレイラ、精霊爺いの前に行ったら気絶すんだろ? それに城に住んでるんだから仕事とかあるんじゃないのか?」


「ない!」


 仕事ないのか……ならなんであんな良い城に住んでるんだよ。


「あんたねえ! 仕事しなさいよ! 全部配下にやらせるんじゃないわよ!」


 アリメリアが、レイラの肩を掴み怒鳴りつけている。ボンテージのオカマが、ブリーフ姿のパンチパーマのおじさんを揺さぶる……物凄くおぞましい構図だな。


「離してくれ! そうだ魔王様! 魔王様なんとか言ってください! 魔王様だって座ってるだけで、仕事は配下にやらせていたじゃないですか! 知ってるんですからね!」


 こいつ自分が、サボる為に平気で上司を売り渡したぞ。アリメリアも怒るんじゃないのか?


「魔王様、流石です!」


 いやいやいや、流石じゃないだろ。堺さんもニートじゃないか。


「だったら私も……! ネタの探求を……」


「だがレイラてめえはだめだ!」


 アリメリア……なんと言う変わり身の早さだよ。レイラが流石に可哀想だけど、こいつは絶対に連れて行かない。だって突っ込みがしんどいから。


「とりあえず俺達は帰るから」


「ちょっと待った! ステージがまだだよ! 今造ってくれなきゃ一生君に付き纏うからね!」


 目が血走ってて怖いよ! 唾も飛んでるし。


「らっ蘭、助けて!」


「はあ。場所は何処に造るんですか?」


「ここで良いよ! ステージさえ有れば完璧だから!」


 鼻息が凄い、そんなにステージが欲しいのかよ。


「わかりました、洋一記憶を見るよ」


「おう」


 蘭が記憶を読むと、周りの木々を斬り裂いていき、地面を慣らし、某ステージが現れる。


「めちゃくちゃ凄い魔法なのに、造った物がこれかあ……」


「言わないでいよ、虚しくなるから」


 レイラはステージの柱を抱きしめ、涙を流している。あっ柱を舐めたぞ彼奴。そんなに欲しかったのかよ。BGMとかどうするつもりなんだ? まあ自分のやりたい様にやるか。


「ありがとうありがとう、この恩は一生かけても返すからね!」


 泣きながら、俺と蘭に頭を下げてくるブリーフ姿のおじさん。


「じゃあ俺達はもう行くから、二人とも元気でね」


 そそくさと去ろうとする俺に


「不細工ボーイ、ピンチになったら呼びなさいよ」


「私も全力で駆け付けるから、アリメリアより先に!」


 俺達は転移で魔獣の森へ戻ると、様変わりした光景に唖然とした。


「なっなんじゃこりゃあああああ!」


 心地いい風が頬を撫で、木々が生い茂り、小さいが泉まで出来ている。家が見えない、我が家は一体何処へ……


「蘭、転移先間違えてないよな?」


「洋一、気持ちはわかるけど間違えてないわよ」


『凄い、精霊の力が溢れてる! 僕もなんか造ってこよっと!』


 アースがハイテンションで飛んでいってしまった。


「やべ! 止めるべきだった!」


『凄いわね。私のステージも造らなきゃ! アース、ステージが先よ!』


 ああ、メアまで行ってしまった。


「って言うかレイ先生や、桜さんや、エレン爺いは大丈夫なのか!?」


「洋一、葵、三人を探そう!」


「そんなに焦らなくても、大丈夫だと思うけどなあ」


 師匠が呑気にしているが、そんな場合じゃない!


「急ごう!」


 俺と蘭と師匠で、俺達の家があった方角へ走って行く。


 あれは煙か!?


「多分エレン爺いの工房だ!」


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