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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
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第198話 ブリーフ姿の土下座はきつい


 闇の洞穴って、アナスタシアのリアクション見る限り入るのも不可能だぞ? どうすりゃ良いんだ? 精霊爺い、呼び出したら出てきてくんないかなー。


「なあ、リュイ、アース、精霊王の爺い呼んでさ、メアを引きずり出して貰わない?」


『『えっ!?』』


 なんで二人してそんなに嫌そうな顔をしているんだ? そもそも精霊の保護なら、精霊爺いの仕事だろうに。


『精霊王様は、今不在だよ』


『そっそうよ、いないのよ!』


 いないのよってリュイ、最近精霊界に帰ってないからわからないだろ。


「いやまあ呼びたくないなら良いんだけど……」


 俺がそう言うとあからさまにほっとした表情をする二人。なんなんだ? そういや前に爺いが来た時もリュイは、隠れてたな。ははーん、わかったぞ! こいつら精霊爺いが苦手なんだな。


「お前ら精霊爺いの事苦手だろ?」


『いっいや僕はその、イケメン君ちょっとフードに入れてー』


 あからさまに挙動不審になり、アースが師匠のフードに潜り込んだ。


『あっアタチはちょっと蘭に用事が……』


「リュイ様用事って?」


 ふははは! リュイめ蘭は耳が良いんだ、こんな近くで用事があるなんて言えば、小声だろうと蘭は聞き逃さないぞ!


「いや闇の洞穴に入れないから、精霊爺い呼ぼうって話したら、二人して精霊爺いが苦手みたいでさ」


「はあ。洋一、人が嫌がる事はしちゃだめだって叔父さんに昔怒られたでしょ? 女の子をつけまわした時に」


「ばっ! つけまわしたんじゃない! ラブレター渡そうとして、タイミングがわからなかったんだよ! そしたら交番に駆け込まれて、お巡りさんがその子の前で俺のラブレターを朗読するって地獄絵面になっただけだ!」


 あっああああ! 蘭のせいで自ら黒歴史おおお!


『アンタ意外と恥ずかしがりやなのね。根っからのスケベな癖に。ねえねえ告白は成功したの?』


「しっしてねえよ! 最後にはお巡りさんとその子に慰められたんだよ!」


『それは……ごめんね』


 謝るなああああああ!!!


「洋一君、僕が闇の精霊捕まえてこようか? 僕なら闇の洞穴の中でも動けるし」


「君達闇の精霊に会いたいの?」


「おわっ! なんで獅子舞!?」


 何処からか取り出した獅子舞を被りやがって、めちゃくちゃびびったじゃねえか。


「獅子舞だー懐かしいなあ。頭を噛みちぎって貰うと縁起が良いんだっけ?」


 獅子舞が出る度に人が死ぬわ!


「葵、子供の頭を噛むのよ。無病息災の為に、ねっ洋一?」


 蘭の知識は間違ってない、間違っていないんだが、レイラがやってるのは焼肉屋をやっている芸人のモノマネだ。


「おっおう。蘭あってるぞ」


「さあ私の獅子舞を剥がすんだ!」


 俺はジャンプし、レイラに向けて渾身のドロップキックを放つ。


「ぴぎゃ! 酷いじゃないか! 衣装が壊れたら大変なんだぞ! 激しいツッコミは違う衣装の時にしてくれ」


 獅子舞を脱ぐと、ブリーフにグラサンのレイラがいた。最早何も言うまい。


「闇の精霊について話してくれ」


「ツッコミ無しだからなあ……条件があるんだけど良い?」


 お笑いライブとかDVDをくれとかかなあ。お笑いライブ位なら我慢するけど、DVDなんて持ってないしなあ。


「土の精霊と神獣ちゃんの力で、私のステージを建設してくれ! 楽屋付きで! M○みたいなステージが欲しいんだ! こっちの奴等じゃ誰一人まともに作れないんだよ……」


 ブリーフ姿で土下座するレイラ、なんか闇金のドラマとかでこんな姿見たなあ。


 師匠は、リュイとアナスタシアにブリーフ姿のおっさんを見せないようにしていて、こっちの会話に入ってくれないし。


「はあ。二人共頼める? 俺もM○は良く見てたから、記憶見ればわかるだろうし」


「造るのは構わないけど、闇の精霊の事は?」


 蘭がレイラを見ないように質問すると


「少々お待ちを。メア! ステージを造ってくれるって! 新作のDVD? ああまた魔王様に頼むから出て来てくれないかな?」


 独り言? いや念話か?


 闇の洞穴から、なにかが出てくる。白い骸骨の頭に黒いモヤが纏わりついて、浮遊している。


 まっまさか、ガチモンの悪霊か!?


「あびゃああああ! お化けえええ!!」


『ぎゃああああ! ガイコツうううう!』


 俺とアナスタシアが同時に悲鳴をあげる。


「メア、加護をあげて、その骸骨を脱いでくれないか? 子供達には刺激が強過ぎるから」


 レイラの言葉に反応し、骸骨が地面に落ちる。


「『ひええええ!!』」


 俺とアナスタシアが恐怖に震えていると


『貴方達が、私達のステージのスポンサー?』


 長い黒髪を一本に纏めたポニーテールスタイルで、黒いゴシックドレス、ゴスロリって言うのかな? 純白の肌で大きな黒い瞳、赤い口紅が妖艶なイメージを強くしている。スタイルも抜群で、ボンキュッボンでグラビアアイドルみたいだ。惜しむらくは身長がリュイと変わらない大きさだと言う事。


「ステージを造る約束はしたけど、金銭的な援助はしないからスポンサーではないんじゃないかな?」


 メアに見惚れている俺に変わって蘭が丁寧に答えてくれた、いっいかん、俺がちゃんと答えなければ!


「あっあの柊洋一って言います、加護ありがとうございます」


『あっステージ作成のスポンサーさんですね、私闇の精霊のメアって言います。今後とも宜しくお願いします』


 今まで聞いた自己紹介で、一番まともな自己紹介だった。



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