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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
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第197話 シリアスだって出来るんだからね!


 なんと言うかこの四天王嫌だ。隙を見せると直ぐにボケて来るし、古いネタから最新ネタまで網羅しているところがまだウザさを際立たせている。しかも衣装以外のクオリティが低過ぎる。


「あっじゃあ俺達はこの辺で、闇の洞穴に向かいますんで」


「一緒に行こうじゃないか!」


「だが断る!」


 この流れをもう5周している。最初は丁寧に断っていたが、ひたすら「一緒に行こうじゃないか」を繰り返してくる。バグってんのかと思う位に。まるで、「はい」を選択しないと先に進まないRPGの強制イベントの様に。


「洋一、もう諦めたら? レイラさん、一緒に行かないと気が済まないみたいだし」


 蘭の言葉にウンウンと頷く姿がまたムカつく。こいつが着いてきたら、絶対にろくな事にならない気がする。


「私、強い、凄く凄く有能でーす。貴方達の力になれまーす。100万馬力でーす!」


 アピールの仕方がめちゃくちゃうざい! なにがでーすだ、お前をDEATHしてやろうか!


「空を超えて、山も超えれまーす!」


「ボケるんじゃねえ!」


「これが、ジャパーニズ横暴……! 山猿め!」


「山猿めっじゃねえんだよ! そのエセ外国人の真似をやめろ!」


「リラッアクス、リラッアクスした方が良いですよ? ひっひふーひっひふーひっひふー」


「ラマアアアアズ! もう堺さんに頼もう、二度と人目につかない場所に隔離する様に」


「サカイサン? サカイサンなんて関係ないんだぜ!」


 言ったな? 関係ないって言ったな? 堺さん、堺さん、合コンした事は許さないけど、応答願います。この芸人を黙らして下さい。


『柊君は僕の事をなんだと思ってるのかな? 一応魔王だよ? ゲームのラスボスだよ? わかってる? 僕だって、シリアスができるんだよ? できる男なんだよ? ねえねえねえ』


 頭の中で堺さんが、めちゃくちゃ喋り倒してくる! シリアスだったじゃんじゃないよ! ここぞとばかりにボケ倒さないでください! シリアスできるのはわかりましたから!


『絶対わかってないよね? なんならまた身体乗っ取るよ? ちんちん出して走り回るよ? 裸でエルフの軍の前に行くよ?』


 やめてください! 彼奴らの前に裸で行ったら間違いなく犯される! とっとりあえず堺さん、このモノマネ芸人をどうにかして下さい。着いてきても良いんですが、ネタを振り撒かれるのはやめさせてください! 突っ込みが追いつかないんです!


『仕方ないって言うか、レイラこの話聞いてるでしょ?』


 えっ? いやいや俺の心の中の会話ですよね? あのモノマネ芸人が聞こえる訳ないじゃないですか?


「あっもう喋って良い感じですか?」


 普通に俺の心に入ってきやがった!


『いやー当然の様に入ってくるね。レイラ、こないだ貸した笑う○の全巻見終わった?』


「魔王様、あれは私に下さったのでは!?」


『あげてないよ!』


 人の頭の中で、DVDの返却で揉めないでくれ! って言うかこの国が色々発達してるのと、このモノマネ芸人のネタは堺さんのせいか。DVDで異世界ファンタジーをぶち壊すなよ!


『レイラとりあえず、ボケなしで闇の洞穴まで柊君達を連れて行ってあげて』


「DVD……」


 DVDそんなに欲しいのかよ!


『はあ。わかったあげるから、ちゃんとしてよ? このままじゃ、柊君に魔王軍が色物軍団だと勘違いされちゃうからさ』


「了解しました!」


『それじゃ、僕は忙しいからまたね』


 堺さん、魔王軍は色物軍団だよ。


「はあ、とりあえずレイラはもうボケないって約束してくれたから、闇の洞穴までお願いします」


闇の洞穴(・・・・)までね!」


 闇の洞穴までを強調された気がするけど、とりあえず真面目に案内してくれるならいいか。


「じゃあ転移しまーす」


 レイラの気の抜けた掛け声が聞こえた。



「はい、到着ー。皆様足元が悪いので、気をつけてくださいね? 滑って転ぶと痛いからね?」


 闇の洞穴は岩肌に大きな穴が空いている。ただそれだけの場所なんだが、闇が深過ぎて奥が全く見えない。混じりっ気がない黒、辺りに生物の気配すらない。


「あのアナルが……あっ間違えた穴が闇の洞穴でーす。でもなんでこんなところに来たかったの?」


「あんたがなにも聞かずにボケ倒してただけじゃない!」


 アリメリアよ、もっと言ってくれ。


「まあ特に興味ないけど、なんか良いネタの気配がするよ? そうだ! そこの女神っ子ちょっと入ってみてよ!」


『えっなんで私が?』


 突然レイラに話を振られたアナスタシアがびっくりしている。


「まあ良いから良いから。ズイズイずっころばしってって感じでさ。そりゃそりゃ」


 アナスタシアの背中を押して、闇の洞穴の中に押し込む。


 アナスタシアが闇の洞穴に入った瞬間、姿が見えなくなる。


「アナスタシアが消えた!?」


『ほぎゃああああああああああ!!』


 アナスタシアの絶叫が響く。


「アナスタシアちゃん!」


 師匠が闇の洞穴の中に突入する。数秒も経たずに、泣きじゃくるアナスタシアを抱えて、師匠が出てくる。


『手、足、顔、身体、ある!?』


 自分の身体を触りながら確認するアナスタシア、その顔は顔面蒼白で、身体は小刻みに震えている。


「これが闇の洞穴さ! 全ての感覚を奪われる圧倒的な闇! そこのイケメン君は凄いね、迷わずに入ったし女神っ子を直ぐに見つけ出したし」


「お前、殺すぞ? なにアナスタシアちゃんを泣かしてるんだ?」


 あっヤバイ師匠がキレる


「イケメン君、そんな事言って女神っ子をお姫様抱っこ出来て嬉しい癖に」


 レイラはなんで、この場面で師匠を煽るんだよ!?


「まっまあそれは、ありがとうございます」


 師匠が御礼を言った!? お姫様抱っこを堪能してる!?


「それにしてもほぎゃあああああだって、中々ない驚き方だ、参考になるよ! ありがとう!」


 こいつ変な意味でブレないな。

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