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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
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第195話 不法侵入はダメ絶対


 マウストウマース、人工呼吸ではない。口と口でのキッスをされた。あああ、初めてのちゅー君とちゅー、オカマとちゅー、なぜか悲しい気持ちがいっぱい……あああああ、汚された、汚されたよ。


 俺は外の水溜りで泣きながら口を濯ぐ。


「ちょっと失礼じゃない?」


 軍服オカマに頭を掴まれ、持ち上げられる。


「せめて女性が良かったんだよおおお! この、ドチクショオオオ!」


 こいつを殺して俺も死ぬ! くっそ腕が長くて、蹴りもパンチも届かない! 俺を片手で宙吊りにしやがって! この! 


「ミレイユ入国手続き早くしてよ。あんたの趣味に付き合ってたら、日が暮れちゃうのよ」


「んもお、アリメリアってば相変わらず固いんだから。そんなんじゃ魔王様のハートは射止められないぞ? えーっと、チェリーボーイが二人、糞女が一人、精霊が2人、鳥さんが一羽。はいオッケー通っていいわよ?」


 バチコンとウインクをしてくるミレイユ。正直殺意が……


『ちょっとあんたあああああ! 糞女ってなによ! ふざけんじゃないわよ! 私の美貌をみなさいよ! 今鼻で笑ったわね!』


 アナスタシアのせいで毒気が抜けたな。流石女神、いじられ体質ナンバーワン!


 ミレイユが俺を抱きしめ頬擦りをしてくる。髭が髭が痛い!


「まあ怖い、野蛮な女ね。あんたモテないでしょ? お猿さんみたいに顔を赤くしちゃってまあ。お下品な女ね、チェリーボーイ貴方もそう思うわよね?」


 俺に同意を求めないで良いから俺を解放しろ!


『きええええ!!!』


 アナスタシアが、唾を吐き散らしながら咆哮をあげている。


「はあ。もう行くわよ、ミレイユも不細工ボーイを解放しなさい」


「またねー! ふふふ貴方に一つ良い事を教えてあげるわ。レイラに絡まれたら、魔王様の名前を出しなさい」


 ウインクして俺を降ろし、部屋の奥へ消えていくミレイユ。レイラって誰? 絡まれるフラグとかいらないんだけどなあ。まあ魔族の国だし、堺さんの名前を使って、いきりまくろう。


 堺さんの知り合いなんだぜ? って言ったらもしかしたらモテるかもしれない!


「ちょっと不細工ボーイ、魔王様の名前を悪用したら引っ叩くからね」


 アリメリアに心を読まれただと!?


「洋一、口に出てたよ。知り合いだからってモテる訳ないでしょ? それに洋一をダシにして、堺さんに取り入ろうとする邪な考えをした人しか集まらないよ」


 正論はやめろ! 夢を見させろ!


『早く行くわよ! 魔族の国がどんなもんか見てやるわよ!』


 アナスタシアは肩を怒らせながら歩いて行く。


『ヨーイチ、ヨーイチ』


「どうしたリュイ?」


『ヨーイチはそんなにモテたいの? なんで?』


 なんでって言われても男の夢だしな。


「男の夢だからだよ! 一度はモテたい! ハーレム系主人公を根絶やしにしたい!」


『変なヨーイチ。あっ置いてかれるよ! 早く行こう!」


 さらっと流された! 異世界のバカやろー! 



 門が開くと、ドーム状の建物が沢山あり、中央にはペレシュ城に似た城がある。すげえ、道がきちんと舗装されてるし、なにより行き交う人々が楽しそうにしている。子供も多く、今まで見てきたどの国よりも平和だ。


 道の所々に柱があり、柱の先には丸い球体が付いている。なんだろあれ? まさか電気があるのか? さっきもモニターあったし。


 羽が生えてる人や、緑の肌をした人、豚の顔をした人、ワニの様な顔をした黄色の肌をした……あれ? ワニおじさん?


 俺はワニおじさんに走り寄り


「ワニおじさん久々!」


「は? お前誰だ? ワニおじさんってなんだ? オラの名前はゲンゴロウだど?」


 人違いだったああああ! 


 蘭が俺の肩に止まり、嘴で小突いてくる。


「(洋一、いきなり走り出さないでよ。種族は同じでも、ワニおじさんとは肌の色が違うでしょ、知らない国なんだから、迷子になると大変だよ?)」


 肌の色が違う? 違いがわからん! 確かワニおじさんの名前ってピーだかピャーだったような気がする。


「(ヒョウさんでしょ……)」


「それだ! ヒョウだ!」


 ゲンゴロウが目を開き俺を見つめる。


「ヒョウを知ってるだか?」


「おう! 流国で元気に研究してたよ!」


「そうか、そうか。ヒョウの奴は元気だったか。よがった……本当によがった。坊主ありがとうな、なにかあったらオラに言ってくれ」


 そう言うとゲンゴロウさんは去って行った。


「不細工ボーイ! 貴方ちょろちょろしないでよ! 城に行くわよ、今ならあの馬鹿も城にいるから」


 あの馬鹿?


「闇の洞穴に行きたいんだけど」


「その許可を取りに行くのよ。最後の四天王、四天王一の変わり者クレイアに」


 うげ堺さんが言ってた奴かよ……律儀にフラグ回収するんじゃねえよ! 


「なんで許可がいるんだ? アリメリアがいれば行けるんじゃないのか?」


「はあ。なに? あんた達人族って無法者なの? 闇の洞穴はクレイアの敷地の中にあるんだから、住人に許可を取るのは当たり前でしょ? 平時ならまだしも、今は崩落の危険があるんだから」


 グググ、地球では当たり前の事なんだが、異世界で言われると違和感が半端ねえ!


「あっああ、人の敷地なら確かに許可がいるな……。おいアナスタシア、今まで見てきたどの国よりちゃんとしてるぞ? 法整備までしてるし」


『うっうるさい! 何処に穴があるはずよ!』


 アナスタシア、お前は小姑かよ。

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