第194話 軍服の美人さん?
俺達はアリメリアの転移で魔大陸に飛ぶ。転移でいけるならホワイトホースの意味はなんなんだ? ホワイトホースいらなくないか? 俺に唾つけるくらいしか能がないんじゃないか? 今は蘭が俺の肩にいるから唾をつけてこないが
「なあアリメリア、ホワイトホースっているのか? アリメリアが転移するならいらなくないか?」
「これだから素人ボーイは困るのよ。ホワイトホースがいるから私は存在する、ホワイトホースがいなかったら私の存在はないわ。そう言う事よ?」
ドヤ顔だが全く意味がわからない。って言うか転移ってもっとパッと着いてたんだが、今回長くないか?
「転移ってもっとパッパッと行く感じだったんだが、違うのか?」
「は? それはイケメンボーイやら神獣ちゃんの魔力があるからでしょ。私の魔力じゃこれが精一杯よっとそろそろ着くわよ」
「ホゲっ!」
なんだよ急に! めちゃくちゃ揺れたし、舌噛んだじゃねえか。
「はい到着、魔国グリードへようこそ。先ずは城門で受け付けするわよ。私の客として扱うんだから、貴方達、行儀よくしてよね」
城門、でかくね? 上が見えないんだが。鉄で出来ているのか? めちゃくちゃ機械的なんだが。
「ほらキョロキョロしないでよ、受け付けはこっちよ」
アリメリアが指差す方向に小さな家がある。ドーム型じゃん、あれまさかカプセ○コーポレーション製か? まさかの異世界にも企業進出してたのか?
「わあ、ドーム型の家なんて初めて見た。地球でも流行り始めてたけど実際に見たのは初めてだなあ」
ドーム型の家が流行り始めていた? うちが田舎だからか? 見た事ないぞ。
「ほら早く、中に入って受け付けするわよ」
ドアの前に立ち横を見ると、でっぱりとミミズが這ったような悪戯書きはされている。なんで受け付けに悪戯書きされてるんだ? 魔族の国の治安が怪しくなってきたな。
いくら待っても開かないな。仕方ない俺が開けっ……ん? なんだこれ、押しても引いても開かないぞ。
「アリメリア開かないんだけど」
「なにをやってるのかと思ったら……そこのボタン押しなさいよ。そこに御用の方は押して下さいって書いてあるでしょ」
アリメリアにため息をつかれたが、読めるか! なんだよこの字! 日本語で書いてくれよ!
「皆んなは読めたの?」
「僕は読めないよ、そもそもこの世界の文字に興味ないし」
師匠は欠伸をしているし、ドーム型の家にもう飽きたのかよ。
『アタチは読めるのよ!』
『僕も当然読めるよ』
おおう、ちびっ子精霊二人は読めるのかよ。
「アナスタシアは当然読めないよな?」
『なっなんで私が読めない前提なのよ! 私はこの世界の女神よ! 読めないわけないじゃない!』
なっこの野郎読めたのかよ。普段天使に読ませて、読み書きなんて絶対にしてないって思ってたのに。
「早く押しなさいよ」
あっああ。緊張するな、ポチッとな。
━━ビー! ビー! ビー!
「おわっ! 俺なんか間違えた!?」
「大丈夫よ」
ドアが上に上って行くなんて、予想外だぜ! ちょっとびびったのは内緒な。アナスタシアも固まってるし
「すげー! 動力はなにかな?」
「洋一君、SFチックだね!」
師匠もテンションが上がってる、これはヤバイだろ! 中はどうなってるんだ!?
俺と師匠が中を覗き込むと、壁面にモニターが10数個埋め込まれている。モニターの下にはマイクやらスイッチやら機械的な物が沢山ある。
「すげえ、めちゃくちゃモニターがある。門の外が写ってるぞ! なんだよ世界観違いすぎだろ!」
「うわあ! 僕が行ったどの世界もこんなに機会が発達してなかったよ!」
俺達が騒いでいると奥から緑を基調とした軍服を着た女性が現れる。肌の色は人と同じだが、瞳には白目がなく全体的に赤い。更に背中から羽根が生えている。物凄い美人だ、正にクールビューティー! おっぱいは……あれ? おかしいな洋一スカウターが起動しないぞ?
「お兄さん方見ない顔だね、アリメリアの連れ?」
卑猥な手の動きをする軍服の美人さん。
「しっ師匠綺麗な女性ですね」
俺が師匠に、小声で話しかけると、師匠が嫌な顔をした。
「はっ? あの人アリメリアと同じだよ」
アリメリアと同じって事はまさか……
「あの、貴方は女性ですよね?」
「ウブな人、可愛いわあ。食べちゃおうかしら? 性的に」
あっヤバイこれはアリメリアと同じって言うか、新宿二丁目な人だ!
「すっすみません! 俺には好きな人がいるんで!」
「いいじゃない、私は気にしないわよ? 貴方凄くタイプだわあ。濡れる!」
濡れないで! 師匠がいない!? あっリュイとアナスタシアの目隠ししてる、俺を生贄する気か!?
「近づくな! やめろ!」
ぐあ! 軍服オカマに抱き締められた!
「はっ離せ!」
「私の愛を受け止めて! ちゅー!」
「アッー!!」
軍服オカマに汚されてしまった……。ファーストキスが……髭がジョリジョリしてたし、どうせならアリメリアにされた方がましだったよ。
なんで俺はオカマにモテるんだろう、女性にはモテないのに。
「その辺にしときなさいよ。不細工ボーイが泣いてるわよ?」
「あら刺激が強過ぎたかしら?」
「不細工ボーイ、ほらシャキッとしなさい。手続きするわよ!」
オカマ達が騒いでいるが、俺には衝撃が強過ぎたよ、オカマのキッスなんて。オカマのキッスをあげる〜イエイイエイ
「(洋一! 現実逃避してないで、早く手続きしようよ! 中には綺麗なお姉さんがいるかもよ?)」
蘭の言葉でオラ、元気が戻ってきたぞ!
「さっ! 早く手続きしよう!」




