表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第十章 精霊を追い求めた先に……
236/291

第193話 チェリーボーイ


 魔大陸、魔族、魔族なあ。ん? 魔族って言えば堺さんも魔族だよな? じゃああのニュータイプのアリメリアも魔族って事か? 


「なあ蘭、アリメリアって魔族だよな? ニュータイプだけどさ。アリメリアなら、その場所がわかるんじゃないか?」


「そうだろうけど、洋一のお母さん達のところに置いて来たよね? 堺さんに聞いた方が早いんじゃない?」


 堺さん直ぐに連絡つかなくなるんだよなあ。なにしてんだろ?


「それが堺さん応答してくれないんだよ。多分だけど、リア充だから合コンしてるんじゃないか? 羨ましいけど」


「うっうーん? じゃあとりあえず、アリメリアを螺貝で呼んでみたら?」


 蘭の言う通りだな。とりあえず螺貝を吹くか。


━━ブオオオオン!!


 空からホワイトホースが見える。ニュータイプは相変わらず行動が早いな。


 ホワイトホースが俺を見つめている。多分また涎つけられるんだろうなあ、着替えたばっかりなのに。臭いからやだなあ……


「ちょっと! 不細工ボーイ! なんで私を置いてったのよ! あんたは魔王様との通信係でしょ? なんで私を置いて行くのよ!」


 通信係ってなんだよ。俺は電話かよ、そんな係拝命してないぞ。仮に就任しているなら、給料よこせ!


「あっあはは。すいません、色々立て込んでて」


「すいませんじゃないのよ! 全く。今度はなんなの? ピンチの時に使いなさいって言ったでしょ?」


 普通に怒られた、ボンテージ姿の人に怒られるって中々シュールだよな。


「あのー魔大陸の闇の洞穴って知ってますか? 知ってたら教えて欲しいんですけど」


 少し考える仕草をしている……綺麗だな。ニュータイプじゃなけなればお付き合いしたいのに。


「もちろん知ってるわよ。ただあそこは崩落の危険があるから今は立ち入り禁止よ?」


 えっ立ち入り禁止の理由って崩落なの!?


「危険って崩落だけ!?」


「不細工ボーイ! 子供や老人や力の無い人達が、間違えて入ったらどうすんのよ! 馬鹿じゃないの? 人間には常識がないの!?」


 ごもっともだけど、異世界で、しかも魔法がある世界でこんな風に怒られるなんて思わなかった。


「子供達は好奇心旺盛だから、ちゃんと危ないって教えないといけないのよ。ねえそこの女神、あんた達魔族を野蛮だとか迫害してきたけど、私が見る限り魔族以外の人間の方が、よっぽど野蛮よ!」


 うわー魔族から野蛮扱いされてるよ。アナスタシアどんまい過ぎる。涙目でプルプルしてるし


『そっそんな事ないわよ! 人族には愛があるわよ! 他者を思いやる気持ちがあるのよ!』


 アナスタシアが言い返しているが、それは逆効果だろ。完全に論破されるパターンだぞ。


「それが魔族にはないって言うの? じゃあいいわ。あんた達を魔族の国に連れて行ってあげるわよ。闇の洞穴にも連れて行くわよ? どうする? それとも貴女はここで私に吠えるだけ?」


 ほらな。アリメリアのあの自信満々な顔に発言、アナスタシア完全敗北だな。


『ふんぐぐぐぐ!!!』


 すげえ顔してんな、般若みたいだ。師匠もアナスタシアを見ないように、視線を宙に逸らしるし。


「行くの? 行かないの? まあ貴女からしたら面白くないかもしれないわよお? 魔大陸の方が文明も進んでいるからね! オホホホホ!」


 オホホホって笑い方初めて聞いたぞ。リアルでやる人いるんだな。


『ぐぎゃ! ぐぎゃ!』


 アナスタシアがゴブリンみたいな顔をしながら、地団駄を踏んでいる。こいつ本当は女神じゃなくて、ゴブリンなんじゃないか? 女ゴブリン的な。


「不細工ボーイどうするの? 行くなら私が連れてくけど?」


「じゃあお願いします」


「だめー!」


 なんでだよ! 連れて行ってくれんじゃねえのかよ!


「頼む時はそこの女神と二人で、くると回ってお願いパーリナイって言わなきゃだめよ? 常識でしょ?」


 お願いパーリナイってなんだよ。まあ別に俺は構わないが、アナスタシアがやるかどうかだな。


『やるわよ!』


 おお珍しくやる気だな。俺達は二人で華麗にターンを決め


「『お願いパーリナイ!!』」


「はいオッケー。じゃあいくわよー」


 おい! なんで全力スルーなんだよ! 


『やりきったわね!』


 なんでアナスタシアは喜んでんだよ! めちゃくちゃ恥ずかしったぞ!


「洋一君、もうちょっと画学考えてよ! 撮影する側の気持ちにもなってくれないと困るよ! これだから汁ばかり飛ばす素人男優は!」


 男優じゃねえ! 俺は断じてAV男優じゃない! AVの会社に履歴書送っただけだ! 好きな女優やら性癖やら書かされたけどな! 無駄に暴露させられて終わっただけだよ!


「あっ童貞には無理か」


「師匠だって童貞だろ!」


「やれやれだぜ」


 肩を竦めてニヤニヤする師匠。イケメンだから様になるけど、師匠も俺と同じ童貞だからな。


 俺は絶対師匠より先に、童貞を捨ててやる。


「ほらーそこのチェリー君達行くわよー」


『ねえねえチェリーってなに? ヨーイチや葵はチェリーって名前じゃないよ?』


 あのニュータイプ余計な事を! 絶対に堺さんが教えた知識だ、間違いない。チェリーボーイがこっちの世界に、浸透している筈がないしな。


「はあ。アリメリアも洋一も葵もふざけてないで、早くしてよ。闇の洞穴にも行かなきゃいけないんだから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ