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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第187話 作戦ナンバープランB


 皆んながいる事も構わず声を上げて泣いた。俺ってこんなに母親を求めていたんだな。改めて痛感したよ。


「洋一、落ち着いた?」


 蘭が優しく声をかけてくれる。


「おう悪い、もう大丈夫だ。皆んな、ごめんなさい話の途中で。母さんはなんでいきなり具合が悪くなったんだ? 確かアナスタシアが神国の話をしだしてからだと思うが」


 俺はアナスタシアの方を見ると、アナスタシアは下を見ながら


『私が創造神様に聞いたのもそこよ。禁忌に触れたり、禁忌を破れば、この世界にいる全ての生き物は例外なく、悪影響が起こる。体長が悪くなるだけならまだマシなの、酷い人は気が狂うか最悪死ぬから……』


 死ぬってお前そんな馬鹿でかいリスクがあるのに、母さんやリュイやアースがいる前で話したのかよ。


『精霊は大丈夫だと思ったのよ! それに六華だって貴方と同じ神気無効だからもしかしたら、大丈夫かなって……』


 師匠はアナスタシアの側に立ち


「この事でアナスタシアちゃんを責めるのは筋違いだよ。君もわかっているんだろ? 神は全能でも全知でもない。とっととケリュネイに話をつけに行こう」


 師匠の言う事はごもっともなんだが、納得がいかない。


 大和さんが蘭を手招きしている、蘭と大和さんがなにか内緒話をしている、なんだろう?



 ケリュネイに話をする為俺達は、一度神殿の外に出る。


 母さんやリュイやアースは神殿に残したままにした、禁忌の話をするとどんな弊害が出るかわからないからだ。


「ほら洋一君いくよ」


 ぼうっとしていたら師匠に声をかけられる


「あっはい」


 俺は煮え切らない返事をしながら、師匠達の後を着いていく。


「おーいケリュネイ、隠れてるなら引き摺り出すぞー」


 大和さんがケリュネイを呼んでいるが、呼び出し方の後半が酷過ぎる。


「大和さん、流石にその呼び出し方はちょっと……」


「大丈夫だって、引きこもりは力強くでドアを蹴破ったり、ゲームを壊したりするのが一番なんだろ? テレビでやってたからな!」


 大和さんそれは違います……。それは頭のおかしい、いかれたやり方です。ネットで炎上するパターンですよ、無理やり引き摺り出された姿は、俺も覚えがあるが悲惨だったなあ。


「出てこないなら」


 やっやばい余計な事を考えていたら、大和さんが首をゴキゴキ鳴らし始めた。


「ケッケリュネイー!! 早く出てきてー! じゃないと大和さんが無茶をするから!!」


 俺が必死に叫ぶと、空間が歪む。空間の歪みからケリュネイがゆっくりと出て来る。


『騒々しい……神殿の中に入ったのであろう? ならば私にはもう用は無いはずだ』


『あるのよ! 私が! 他ならぬ私が用事があるのよ! あんた神国の行き方知ってるでしょ? 世界がピンチだから案内しなさいよ!』


『……いくらアナスタシア様の頼みでも』


『なんでよ! このけちんぼ! 私と契約してるんでしょ?』


『あれは寝てる私に無理やり……』


 ケリュネイは渋っている、禁忌の国だからかなのかはわからないが、この分じゃ難しいだろうな。


 それにアナスタシア、ケリュネイと無理やり契約したのかよ。そんなんじゃ頼みなんか聞いて貰えないわな。ケリュネイからしたら、どの面下げてって感じだろうし。


「じゃあ俺の頼みだ!」


 思わずギョッとして大和さんの顔を見てしまう。大和さん、めちゃくちゃ良い笑顔をしているな。


 ただ大和さんの頼みが通る理由が、全く見当たらないよ……。ボコボコにされて脅された人が、オッケー貴方のお願いなんでも聞いてあげるよー! ってなるわけないだろ!


「なっいいだろ?」


 めちゃくちゃフレンドリーにしてる! サイコパスそのものだよ!


『なっ何故、私がお前の頼みを』


 ケリュネイが、めちゃくちゃ嫌そうな顔をしている。


「いいじゃないか! 喧嘩した後は友達だろ? な!」


 なにその超理論。昭和のヤンキー理論なのかな? 同世代でも全く理解できない価値観だぞ。


『いっ嫌だ! 私はあそこには行かない、なにがあろうとも、誰に言われても、通す事はない』


 頑な拒否、これはもう八方塞がりだな。


「うーんわかった。ケリュネイお前さ、神国に行った事ないだろ?」


 大和さんがニヤニヤしながらケリュネイを煽っているが、大和さんの意図が見えない。


『バッバカにするな! 行った事があるから案内ができるんだ!』


 大和さんがビシッとケリュネイを指差す。


「今、神国を思い出して明確にイメージしたな?」


『は?』


 俺もケリュネイと同じ感想だ……良かった口に出さなくて。万が一にも口に出していたら、大和さんに拳骨されるかもしれないからな。


「蘭ちゃん、神国の場所は見えたかな?」


「えっええ、転移で行けそうです。でもいいんですか? こんな騙し討ちみたいなやり方」


 さっきの内緒話の正体はこれか! 蘭も良く協力したな。俺がお願いしたらお説教間違いなしのに。


「仕方ないさ。ケリュネイが素直に協力してくれたらよかったんだが。プランBって奴だな」


「プランBって……Aがさっきの交渉だとしたら、プランCは?」


 プランCなんてないだろうけど、気になったから大和さんに聞いてみた。


「力ずくだな!」


「あっやっぱり」


 聞いた俺がバカだった……。

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