第184話 ヨー○のローブってカッコいいよね?
六華さんが、俺に似てるって言ってもなあ。この人が、母さんだったら、毎日賑やかだろうけど、俺母さんと暮らした事あんまりないから実感がなあ。
俺達は六華さんの案内で、祭壇の前に着く。祭壇の奥には石像がある。創造神には似てないな、イケメンだし、髪はフサフサだし、アロハシャツじゃなくて、バスローブ? みたいなの羽織ってるし、ズボンはサルエルみたい感じだし。ありゃヨー○のパクリか?
「似てねえなあ……」
って言うか3メートル位あんなこりゃ……でも洋一像の方が大きいな。うんうん、俺の勝ち……いや待て良く考えたら、俺の恥の塊である像が、この世界一高い建築物になるのか? 後から転移や転生してきた人達が見たら、ドン引き間違いなしじゃないか。
皇国のエルフ軍人以外の人達からしたら、ドン引きもんだよな。
「はあ……あの像爆破できねえかなあ」
「「「『『『えっ?』』』」」」
全員の視線が俺に集中する。なんでだ? なんか変な事言ったか?
「洋一、流石に爆破しちゃだめよ? いくら創造神様に似てないからって……」
蘭までドン引きしているぞ、いかん誤解されている気が
「あんた以外に過激やなあ、ちゃんと教育されなかったんやなあ……堪忍やあ」
六華さんまで涙目になってしまった。本格的にやばい
「違う、違うんです! 爆破したいのはエルフの軍人が作った超巨大洋一像」
━━バギン!
俺が誤解を解こうとした瞬間、創造神の像が、大きな音を立てて崩れ始めた……皆んなの視線が痛い。俺は大和さんじゃないんだから、こんな事できないぞ!?
「あれ? 壊したかったんじゃないの?」
犯人が俺の真横にいた、犯人はめちゃくちゃ満足そうな顔をしている。
「しっ師匠なんでいきなり……」
「だって爆破したいって言ったじゃん。爆破すると建物が壊れるから、切り崩したんだけど」
師匠がドヤ顔しているが、師匠気付いて! 大和さんの顔が憤怒で染まって……あれ? 笑ってるぞ!?
「よーし葵ナイスだ。だが、洋一君のせいにしたのは頂けないなあ……」
ゴンッ! と鈍い音がする。
「痛ええ! 糞親父! いきなり頭を殴らないでよ!」
また糞親父って……うわあ、正確に同じ場所に拳骨を落としてるよ。めちゃくちゃ痛そうだなあ。
「壊した理由をちゃんと言え」
「痛ったいなあー! あの像の中から瘴気を感じるし、多分次元性の毒みたいなもんだよ。あのままにしていたら、ケリュネイは何れ堕ちてたよ。実際に堕ち始めていたから、大和さんが割とキツめに攻撃をしてたんだよ。本来なら、あんなに攻撃しなくても意識を奪うだけで良いしね」
あそこまでボコボコにしてたのには理由があったのか! 憂さ晴らしじゃなかったんだ……。
「柊君、その目はなにかな?」
「ひい! すいません! なんでもありません!」
怖っ! 師匠と同じ轍を踏みたくない、ここは必殺の土下座だ!
「すみません! すみません!」
「いやまあ……そこまで卑屈にならんでもいいんだが」
「嘘やろ? この像が出来たのは何百年も前やで? それが瘴気を垂れ流す装置になっていたなんて……信じられへん」
大和さんが壊れた像の方へ行き、創造神の頭の部分を砕く。大和さんの手には黒い宝石みたいな物が握られている。
「これだ。この瘴気核が、長い年月をかけてケリュネイを堕とす為の装置だ。ケリュネイは瘴気に敏感だからな、一気に事を起こしたら直ぐに気づかれるだろうしな」
そう言うと大和さんは瘴気核と呼んでいた物を、指で摘んで握りつぶす。
「うちにも気づかれん様にそんな物が……」
「それとあんたもだな。瘴気に汚染されてるぜ、柊君ならわかるんじゃないか?」
俺ならわかる? 邪神センサーの事か? うーん? うっすらと反応があるが、でもなんだろ? 邪魔されてるみたいで分かりにくいな。
「あるような? ないような?」
「洋一なんで疑問形なのよ」
なんでって言われてもな
「なんか邪魔されてる感じがするんだよなあ」
『多分、六華の力のせいよ。あんたと同じで神の力を無効かするからね、それに例外はないのよ。あんたのその力だって神の力なんだからね』
アナスタシアが鼻を膨らませながら、胸を張っている。
「そっそうか。とりあえず消すには尻を触らなきゃいけないんだが……人妻の尻を触っていいものなのか……どうなんでしょう?」
大和さんならきっとわかるはずだ!
「よーしそう言う事なら、俺達は外に出るぞ。アース、葵行くぞ」
「『はーい』」
ウゲッ!! まるっとスルーして出て行きやがった!
「蘭! リュイどうしよう? 良いのかな?」
『なんで戸惑うの? 助けたいんでしょ? それにこの人を助けられなかったら、ヨーイチはまた後悔する事になるよ?』
「リュイ様と同意見ね。洋一が助けなきゃだめよ。洋一の手で」
二人して猛プッシュして、大和さん達の方へ行ってしまう。助けたいのは助けたいんだが、また後悔するって
『グダグダ考えてないで、助けちゃいなさいよ。私が着いててあげるから』
アナスタシアが俺の左手を握ってくれる。
「おっおう。サンキューな」
顔を真っ赤にしたアナスタシアが
『勘違いしないでよね! あんたが身重の六華にいやらしい事しないように見張るだけなんだからね!』
テンプレなツンデレ台詞、ありがとうよ。
「まあ。あんたに見せるならウチに異論はないよ。さっウチを治しておくれ?」
形のいい綺麗な尻を俺に向けてくる六華さん。だが何故かいやらしい気持ちが起きない……なんでだ?
『ほらっさっさと治す!』
アナスタシアに急かされ、俺は邪神センサーに意識を集中する。
俺の手が光るが、六華さんの尻の光が弱い。
「アナスタシア! 六華さんの尻の光が弱い! これじゃあ! 多分成功しないぞ!」
くそっ光れえええ!
『大丈夫、あんたの力を信じなさい。アタシの力も貸してあげるから! 助けたいと強く願いなさい!』
アナスタシアの暖かく優しい力が、俺に流れてくるのを感じる。流石は女神様だ!
六華さんを助けたい、六華さんのスキルよ、お願いだから邪魔しないでくれええええ!! 俺は六華さんのスキルに呼びかける。
俺の呼びかけに応じたのか、俺の手と六華さんの尻が強く光る。
「いきます!」
スキルの光が、一際強く光り俺達を飲み込む。
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