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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第178話 最後の四天王フラグ!?


 ホワイトホースの唾でべちょべちょだよ。めっちゃ臭えし、蘭が俺から少し距離を開けている。蘭め、俺が気づかないとでも思ったのか? そう言う態度に傷ついているんだぞ! 


「祖霊に祀る、この者に着いた悪しき魔人呪いを解きたまえ。おーちんちん」


 アリメリアが呪文の詠唱をしている。って言うか詠唱短っ! 最後におちんちんとか言わなかったか? おちんちんの部分絶対いらないだろ!


『柊君、おちんちんの部分が一番重要だよ? むしろそこだけでいいのに。かっこつけたかったのかな?』


 堺さんが、とんでもない事を言い出した。おちんちんだけでいいってなんなんだよ……魔王軍がわからない。コポォちゃんが一番まともだったな。きっと苦労してたんだろうな。そういやあと一人の魔王軍って誰なんだ?


『あーその内出てくるんじゃない? 彼は色々な意味でアリメリアより濃いよ。強さと性格の濃さは魔王軍一だよ?』


 性格の濃さが魔王軍一とか嫌過ぎる、魔王軍ってなんなの? お笑い集団かなにかなの?


「不細工ボーイ! イケメンの呪いが解けたわよ!」


 アリメリアが俺に向けて手を振っている。誰が不細工ボーイだ! でも良かった師匠の呪いが解けて。蘭やリュイも疲れてるな……大和さん大丈夫なのかな? 戦闘音がしなくなったけど。


「洋一君はまだ理解してないんだね。前に言っただろ? 全てを殺すって。それは比喩でもなんでもない。敵対した時点でゲームオーバーな糞ゲーなんだよ」


 全てを殺すって言ってもさっき防がれてたし、心配なんだが……。


 俺が心配していると大和さんが手になにかを持ちながら歩いてくる。


「いやー手間どった。久々に一段階成長出来る相手だったわ。まともな情報も言わねえし……まあ手加減ミスって身体はなくなっちまったが、まあいいだろ首だけあれば」


 そう言って大和さんは、手に持ったなにか(・・・)を投げてきた。ゲェッ! さっきの化け物女の生首だ! 気持ち悪っ! 化け物女の死顔は恐怖に歪んでいる。


「あれ? 呪い解けたのか? ってきり血がいるかと思って首だけなんとか残したんだが」


 なんとか残したのではなく、ギリギリ首だけ残ったんだろうな。大和さん、自分で投げた首を拾ってるよ。


『ひょええええ! あっあんたどんだけ強いのよ……』


 アナスタシアが虎次郎を盾にして隠れている。盾にされた虎次郎は、腰が抜けているのかお座り状態で震えているし。


『うわー大和の奴、前に会った時より更に非常識な強さになってるよ。こりゃ太刀打ちできないわ』


 堺さんも大概規格外だと思うんだけど、大和さんはその上をいくのか……。


「あっあの! そいつを倒したって事は勝利君の魂は解放されたんですか?」


 蘭が大和さんに質問をしている。距離があるからか、勝利君の魂は、俺には見えなくなっていた。


「わからん!」


 大和さん……わからないならせめて申し訳なくしてください、ドヤ顔は反応に困ります。


『そこのアナスタシアに輪廻の輪に返してもらいなよ。それ位の神力は戻ってるはずだし、役立たずなんだから使わないと』


 堺さん、アナスタシアは役立たずでもないんだぜ? 戦闘に関して言うなら俺と同様にガヤでしかないけど。


「アナスタシア、勝利君の魂を……」


 アナスタシアが俺の前に歩いて来て、俺の顔を見ている。


『屈みなさいよ!』


 そして何故か屈めと指示を出してくる。はむかってもいいが、なにか意味があるのか?


 俺が仕方なく屈むと


━ぺちん


 デコピンをされた。だが、弱過ぎて全く痛くない。


『いたあああああい!』


 何故かアナスタシアが指を押さえながら涙目で、痛がっている。


「なんでデコピンした側のお前が痛がるんだよ」


『くううう! 私も、仲間なんだから! お願いの一言でいいのよ! 任せなさい! 絶対に彼を輪廻の輪に返してあげるわ!』


 鼻を膨らませ、手を腰に当て息巻いている……めちゃくちゃ良い台詞なんだが……鼻の穴が凄く気になるな、エイッ!


『ふがっ!』


 ふがって言ったぞ! やべえめちゃくちゃ面白え! 素晴らしいリアクションだ!


『あんたなにふんのよ!』


 顔を真っ赤にして怒るアナスタシアは、お猿さんみたいだな。


「いやなんか生意気だったから。とりあえず勝利君の事宜しくな」


『わかってるわよ。預けた私の服出しなさいよ』


 服? そんなん預かったか?

 

「? 預かってたか?」


『あれがないと困るのよ! 輪廻の輪に返す儀式をやるには正装じゃなきゃならないのよ! それにあの服は神の装備でもあるのよ!』


「洋一……いつまでも遊んでないの。はい、アナスタシア様」


 蘭が渡した綺麗な着物、あれ? あんなに綺麗だったか?


「はあ。綺麗にしといたのよ……アナスタシア様お願いします」


 蘭がぺこりと頭を下げる。羽根を器用に使いアナスタシアに着物を渡す。爪や嘴で着物を持ったら破けるからか、偉いな蘭。


『あっありがとう、虎次郎ちょっと彼の肉体がある場所まで戻ってちょうだい。あそこに彼の魂もまだ囚われているから』


 アナスタシアが虎次郎の頭を優しく撫でている姿が、サーカスの新米調教師みたいで可愛いな。


「あっアナスタシアちゃん! 着替えはどうするの!?」


 師匠、目が血走ってるし物凄く興奮してて怖いんだが……。アナスタシアも師匠に言われて、動揺しているし。


『あっどうしよ……』


「私が隠しますし、見張りもしますよ」


 蘭の言葉に師匠が落ち込んでいる、そんなにアナスタシアの着替えを覗きたかったのか。


「リュイ様も葵を見張ってくださいね?」


 俺のポケットの中で身体を丸くして喋らないリュイに蘭が優しく声をかける。


『うっうん……』


 気のない返事、リュイは魂が見える分俺よりきつかっただろうな。今回、何故俺にも勝利君の魂が見えたのかは謎だ……。

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