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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第173話 触手が嫌なら土波を乗りこなせ!


 2人は杖を起動させると、黒い渦が現れる。おお、ドラク○のワープゲートみたいなの感じかな? すげえな。欲を言えば詠唱とかして欲しかったが。


『ヨーイチ元気でな!』


 アユウさんが快活に笑う。


『俺達とはもう会う事はないかもしれないが、親父さんに会ったらぶん殴ってやれ。その権利がヨーイチにはあるからな』


 ソキンさんが拳を前に突き出す。俺はその拳に自分の拳を手を添える。


『ヨーイチ死ぬんじゃないぞ!』


 不穏な言葉を残して、アユウさんとソキンさんはゲートの中に消えていく。死ぬ危険が待ってるのか、そういや外はどうなってるんだ?


「大和さん外ってどうなってるんですか?」


「あーちっとばかしヤバイ状況だな。柊君俺の背中に乗れ、最短距離で行くぞ!」


 俺は大和さんの背中に乗る。


「しっかりつかまっとけよ! 破ッ!」

 

 大和さんがなにもない場所を殴ると、殴った場所の空間がひび割れ、外が見え……あれ? まさか!


「行くぞー!!」


 大和さん! 止まってー! せめて俺をおろしてええ! 高所恐怖症なんだよおおお!


 あっだめだ意識が……



「おい! おい! 柊君、下に着いたぞ!」


「ふえっ?」


「全く……あれくらいで気絶するなんて。これからの戦いについてこれないぞ?」


 俺が目を覚ますと、目の前に青い触手を生やした化け物がいる……体表には沢山の黄色い眼があり、腐臭を放っていて、大きさは像三頭分くらいか? めちゃくちゃでけえ。色は普通のスライムに似てるが……なんなんだこの化け物。クトゥルフとかに出てきそうだ。


「なんだこの化け物? 葵達は……あっちか。ケリュネイとバトってんのか。しゃあない柊君二手に別れるぞ。柊君はこの触手の化け物を引き付けていてくれ、俺がケリュネイと取り巻きの小僧をぶちのめしてくるからよ」


 そう言った瞬間大和さんが消えてしまう。あれ? あれ? 俺が触手プレイの相手をするのか?


 触手の黄色い眼とばっちり眼が合う。


 触手が俺の方に伸びてくる、俺は逃げながらアイテムボックスから雷砲を取り出す。


 大和さんが戦っているのは向こうか? 連続して爆音がしてるし。


 触手野朗をここから引き離さないと雷砲の余波で向こうがやばいかもしれん。


「アース! 俺のポケットに戻っているんだろ! 地面を液状化して石のボードを浮かべてくれ!」


『ふああ。眠い……うげ触手の怪物!? 僕もやられたくないから……嫌々だけど手を貸してあげるよ。大地波(アースウェイブ)! そんでもって石板(ロックボード)


 よしよし! 良い感じに地面も波うってる! それに石の板も浮いてるぞ、形は真四角だけどこれでサーフィンの要領で逃げ回れる筈だ!


「アース頼むぞ! 俺は器用に動けない! 出来るだけ向こうの戦闘音から離れるんだ!」


『りょーかい!』


 アースとの初の共同プレイ、急ごしらえのコンビだがなんとかなるだろ! 俺は石板のボードの上に乗り、なんとか立ち上がる。思ったよりバランスが取りにくいが、修行で鍛えたバランス感覚を舐めるなよ!


『いくよー!』


「合点承知!」


 アースが土波とボードを同時に操る。おっおお! 揺れる! サーフィンなんて初めてやったが、意外にいけるもんだな。おわっ! 触手が迫ってくる!


『危なっ! 制御に忙しいからサポートはできないからね!』


「ああ! こっから離れてくれるだけでいい、離れたら雷砲をぶっ放すから!」


『ライホウ? ライホウがなにか知らないけど……うわっと! 君触手野朗に好かれ過ぎじゃない!?』


 触手が連続して俺達に攻撃を仕掛けてくる。触手のサイズもどんどん太くなってるし! 今じゃちょっとした大木だぞ! 殺す気満々、殺助かよ!


『触手野朗が、顔見知りとか言う落ちは!?』


「そんな落ちねえよっ! うひっ! かすった! 今かすったぞ!」


 こえええ! こんなん一発でも当たったら俺達終わりだぞ!


『そろそろ撃てる角度だよ!』


「これだけ動いてたら当てられねえよ! なんとか止まって彼奴の動きも止めてくれ!」


『無茶言うなあ!』


 文句を言いながらも絶妙なタイミングで触手を躱して行く、素晴らしい技だな。ちょいちょい俺に話しかけてくるタイミングで集中切れてるけど。


 アースが急ブレーキをする。あぶねっ! 落ちるとこだったぞ!


土防壁(アースウォール)! こいつ相手じゃ長持ちしない! アースウォールが崩れた瞬間を狙って!』


 狙うのはいいんだが核とかあるのか? スライムとかなら核があるはずなんだが


「アース! 雷砲は一発しかないぞ! 核とかあんのか!?」


『核? 魔核か! 多分ど真ん中だよ! くるよっ!』


 アースが作った土壁に亀裂が入り青い触手が見え隠れし始める。


━━ビキビキビキビキ


 触手の化け物が目の前に現れた!


「くらえ!」


『いけえ!』


 俺はトリガーを弾き雷砲をぶっ放す。青い触手の化け物に雷砲が当たる瞬間、自らの身体に穴を開けたのを確かに見た。


「避けられた……!」


『げえっ! もう魔力ないよ!』


 アースの魔力も尽きてしまったらしい、雷砲を外してしまったし絶対絶命か……せめてアースだけは護らないと! 


 俺はアースを自分の下に隠し身を丸くする。


━━ドパァン!!


 突如起きた爆風に吹き飛ばされそうになるのをなんとか堪える。


「全く困った家族であり、困った相棒だよ」


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