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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第171話 二人の秘密 親父は御使様?


 あれから数十分、俺のアレは尻から召喚され続けた。ソキンさんがなにかに気づき、親父と同じような言葉を呟くまでは。


『いやー死ぬかと思ったよ、余りにも臭くて』


「ソキンさん! 死ぬかと思ったのは俺ですよ! トイレで死を覚悟したのなんて俺くらいですよ! 危うくトイレで死んだ偉人達に名を連ねる所でしたよ!」


『あはは、死因が便の出し過ぎとかうける』


 ソキンさんが腹を抱えて爆笑している……だが実際にやってみて欲しい。死ぬ程きついんだぞ! 肛門痛いし!


「くっさ! お前ら換気位しろよ。なんだよこの臭い……」


 戸を開ける音共に大和さんのデカイ声が響いてくる。臭いに関しては申し訳なく思うが、半分はソキンさんのせいだ。


「おーう柊君調子どうだ?」


「調子って言うか試練を受けて、家族が偽物で、多分親父が試練に干渉してきて……なんかソキンさん達が神代がどうのって騒ぎ出して」


 大和さんは顎に手を当て


「さっぱりわからん! 家族が偽物ってなんだ? アユウから神代の力が働いてるかもってのは通話で聞いたが」


 今の説明でわからないのか? だとしたら説明が難しいぞ!?


 俺が頭を抱えて悩んでいると、ソキンさんとアユウさんの二人が大和さんに説明をしている。


「それはまたなんて言っていいかわからんな。言葉にまる感じ? お前の家も大概めんどくさかったんだな。お前の親父代わりの奴なあ。多分御使様だろうな」


「は? あのダメ親父が御使様!?」


 御使様って確か天使だよな? 似合わねえ……。


「そのダメ親父の名前や体格、いやなんでもいい個人にまつわる記憶があるか?」


「えっ?」


 ダメ親父の名前は柊……なんだっけ? いや性格、体格、年齢、一つも思い出せない……。しかもさっき記憶の中であった筈なのに、声や身体や顔すらわからない。なんでだ? そんなに時間も経ってないぞ?


 冷や汗が背中を伝う。


「ほら、なにもわからないだろ? まあわからなくて当たり前なんだよ。柊君は信徒じゃないし、何処の神様の御使様かもわからないだろ? 認識できなくて当たり前なんだよ」


 待って認識できないってじゃああの親父はなんなんだ? 御使様が連れてきた俺っていったい……。


「あーパニックになるなよ? 深呼吸しろ? とりあえず干渉してきたって事は何れ出会う事になるだろうから、そん時にぶちまけたらいい。だが神代の力に御使様か。ひたすらにめんどくせえな」


 大和さんは首をゴキゴキと鳴らしながらため息をついている。


「あの皆んな神代の力って言ってるけどいったいなんなんですか?」


「はあ……そこからか。サンスクリット語って知ってるか? まあ古代語なんだが。この古代語に神の力を載せて放つ技なんだが……まあ大概の事ができる。魔力と同じでできる事には個人差があるがな。記憶改竄に認識を弄るなんて、相当の力の持ち主だろうな」


 なっなるほど、わかったようなわからないような。とりあえずあの親父は馬鹿みたいに強いんだろうな。ん? 待てよ? じゃあさっき腹が痛くなったのはソキンさんが古代語を使ったから?


「あー! じゃあさっき腹が痛くなったのってソキンさんのせいじゃんか! やめてくださいよ!」


『ごめんごめん。でも気にする方向が違うでしょ?』


 まあ謝ってくれたなら良いけど……気にする方向が違う? あっそう言えばソキンさんはなんで、古代語を使えるんだ? 


「ソキンさんも神様って事ですか?」


『残念だけど僕やアユウは神様じゃないよ。ヨーイチも気付いてる通り元地球人で、神様に支えてる。だからちょこっとだけ古代語が使えるんだよ』 


 ニヤっと笑うソキンさん。地球に関しては薄々気付いていたが


『まあ俺達の話は良いだろ。そもそも俺はアルテミス(・・・・・)を神だなんて認めてねえからな』


 アユウさんが頭を掻きながら呟いた名前、アルテミス(・・・・・)二人はアルテミスに仕えている?


「その二人は……アルテミスに仕えているんですか?」


 出来るだけ冷静に聞かなければ。


「柊君、落ち着け殺気がダダ漏れだぞ?」


 大和さんに頭をチョップされる。


『訳ありだった? じゃあヨーイチも俺達と同じでアルテミスに怨みがあるんだな』


 からりと笑うアユウさん。


「同じ?」


『そう同じだ。俺やソキンはこの世界に縛られている。理由はまあアルテミスの異世界召喚を逃げ回ったからだな』


 それって逃げられるのか? 漫画とかだと問答無用なはずだけど


「異世界召喚を逃げ回る?」


『俺達は、アルテミスからの召喚要請の連絡を無視した。異世界に興味がなかったからな。更にアルテミスがあの手この手で俺等を召喚する為に殺そうとしてきたから、俺達はあの手この手で逃げたんだよ。最後にはまあやられちまったがな』


 アユウさんの表情には陰りがあった。


『そんな訳で拉致られた。だが俺達も条件を付けた、試練のクリア者が出たら解放するって言うな。だけどよー彼奴の方が上手でよ、ここには俺達以外の試練の試験管はいるわ。外には番人がいるわ、そもそもケリュネイが試練を受けさせる回数が極端に少なくてなー』


「それって事実上……」


 そう事実上、脱出不可の監禁だ。ゲームクリアが無いゲームなんて糞過ぎるだろ。


『ああ、出る事ができない巧妙な罠だよ。大和が来た時は俺達試練に関わる事もできなかったしな。まあ大和は、ケリュネイの誓約や塔の誓約を無視して俺達を見つけてくれた訳だが』


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