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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第168話 ロッカーに閉じ込めないで!


 ひたすらに筋トレをさせられた、しかも俺の意思を無視して強制的に訓練を続行させられる。スタミナポーションで、疲労を瞬時に消されて延々と繰り返される拷問のような時間。


「もっもうやめて……」


『すごっ。こんな無茶苦茶な筋トレに耐え切るなんて……俺なら絶対に無理』


 めちゃくちゃハードな筋トレをさせた側が、ドン引きするなんておかしいだろ! ソキンさん眼鏡がずり落ちてるよ!


『ソキン眼鏡落ちるぞ。あーじゃあとりあえず、第二試練も突破おめでとう! 第三試練はこれを着てもらう!』


 今度は水泳帽と水着を渡してくる。


「これを着たらまた強制的に……」


『いいから早く早く』


 更衣室と書かれた看板がついた、ボロ小屋が現れ、アユウさんにボロ小屋に入れられる。


「これは着替えなきゃいけないパターンだよなあ」


 俺は体操着から水着に着替え小屋から出ると、そこにグラウンドは無く、25mプールが建設されていた。


「なんじゃこりゃあああ!」


 俺がプールの方へ走ろうとすると


━━ピーッ!


『プールサイドを走るんじゃねえ! 先ずは準備体操からだ!』


 確かにプールサイドは走るのはダメだが……ここ異世界だろ? まあ異世界にグラウンドやらプールがある時点で既におかしいんだが。


『えっと飛び込み禁止ね。色々な泳ぎ方するから頑張ってねー』


 ソキンさんがプールの監視員席から手を振っている。


『よーい! 始め!』


 それから俺は、バタフライ、平泳ぎ、クロール、背泳ぎ、神銃流、小堀流蹴水術、山内術、神伝流、水任流、岩倉流、能島流、小池流、観海流、水府流水術、向井、流水術、向井流水法……様々な泳法を強制的にやらされる。少しでもぎこちないと水着に判断されると延々と繰り返される。


「はあ、はあ、はあ、なんなんだよ……知らない泳ぎ方まで……」


『次はどうしようかなあ。ソキン、なんかない?』


『そもそもなんでヨーイチは試練を受けたいの? 別にこの試練クリアしたって、報酬ないよ? 金銀財宝もないし』


 ソキンさんが不思議そうな顔をして質問してくる、理由かあ


「ケリュネイからアルテミスの糞の事を聞き出す事」


『それだけじゃねえんだろ?』


 それだけじゃない、俺は……俺は


「強くなりたいから……レベル1にまで戻ってみんなの足手纏いでしかない、自分の状況を変えたいから!」


『そっか。じゃあ肉体訓練も終わったから次は精神訓練しようか、心技体の体はできてきたしね』


「それなら先ずは精神訓練からなんじゃ……」


 俺の言葉にアユウさんの顔が凍りつく


『えっ……ソキンそうなの?』


『えってアユウの好きな漫画にも書いてあるじゃん』


『いや……だいたい肉体の修行だけだったような……』


『アユウまさか龍玉を参考にしたの?』


『おう! 次は重力空間にしようと思ってたんだけど、普通に重力空間に送り込んだら死んじゃうから悩んでたんだよね』


 俺はサイ○人じゃないんだぞ! だいたいそんな修行あの漫画の地球人もやってないぞ!


「あっあの俺チートとかないし、普通の地球人なんですけど……」


『あちゃー』


 あちゃーって! 確かに何人かとか、チートがあるとか聞かれなかったから言わなかったけど!


『まあとりあえず精神修行ね。扉の試練をクリアしてるからやる必要がないかもだけど。まあそこのロッカーに入ってよ』


 この掃除用具入れに入れと!?


「なんかちょっと臭いんですが……」


『いいからいいから』


 グイグイ押してくるアユウさん。


「やっちょ! 押さないで! マジで臭い!」


『一名様ご案内ー!』


 暗い狭い臭い! マジできつい! なっなんでこんな……うわっ! 足が沈んでいく


「たった助けてー!」



 見渡す限り真っ暗な空間。心無しか少し寒い。


『ココデは貴方のトラウマが再現サレマス』


 機械的な音声……ソキンさんやアユウさんの声じゃないな。


「トラウマが再現って……嫌って程今まで色々経験してきたからな。望むところだ!」


『では先ず一つ目』



 小さい子がソファーの影で泣いている。あれは幼少期の俺? なんで泣いているんだ? こんな家見た事ないぞ?


━━ガシャン ガシャン ガシャン


 皿が割れる音が連続して聞こえてくる。


「あんたが! あんたが悪いんじゃない!」


 女性の叫び声が聞こえる。これは母さん……?


「あんたがこの子を連れてきたんじゃない!」


 連れて? えっ?


「私に全部押しつけて! あんたは良いわよね! 修行修行修行って頭おかしいんじゃないの!?」


 待てなんだよこれ、俺は知らない、こんな会話も怒り狂う表情をした母さんも。


「あんたのせいよ! この子が変なのも! あんたは見てないからわからないのよ! 気持ち悪いのよ!」


 俺が捨て子で、親父が拾ってきて母さんに押し付けた?


「あんたの目当ては鷹匠としての血筋でしょ? 私に愛情なんてないじゃない! 良いわ、この子を殺して私も死んでやるから! 見てなさい!」


 母さんが包丁を持ち俺に走り寄る。


「洋一、あんたと一緒に私も死んでやるわよ。それが私にできるあんたへの手向よ!」


 包丁を振り上げる母さん


「|सो जाओ और पता है कि तुम अपनी मां हो《眠れ、そして自覚せよ、自分が母だと》」


 親父が何かを呟くと、母は糸が切れたようにその場に倒れる。親父は俺の頭に手を添え


「悲しいな。洋一よ願わくば平和に生きてくれ|स्मृति मिथीकरण《記憶改竄》」



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