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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第165話 きゃー! 洋一君のエッチ!


 水浸しにされムカついたので青いドアを蹴り付ける。青いドアは、めちゃくちゃ硬かった。まさかの蹴った俺にダメージがくるとは……。


「ええい! 次だ次! 黄色だ!」


 黄色のドアの前にいく、頭上を警戒しながらドアノブを触っ


「ぎゃあああああああ!」


 リュイの電撃並みの威力の雷が俺の身体を貫く。ぐっくそ! 痺れたぞ! だけど、普段からリュイの雷で鍛えられた俺には効かん!


 次は赤だ! 


「あっちいいいいいい!」


 赤いドアの赤いドアノブを触ったら、火傷するほど熱かった……。クソっ! 嫌がらせかよ!


 青は水、赤は火傷、黄色は電撃、じゃあ茶色は? 茶色なら安全じゃないか?


 茶色のドアノブを触るが、何の反応もない。当たりか!?


━━ズシャアッ


 大量の土が降ってきた、痛えよ! 口の中土だらけだし! 攻略法とかヒントとかないのかよ! 次は緑だ!


 緑のドアを触った瞬間突風が吹き荒れ、塔の壁まで吹き飛ばされる。


「ぐはっ!」


 ここに来て、物理的なダメージもありかよ……。背中痛え、骨が折れなくて良かった……なんとか動けそうだぞ。次はピンクだ! ピンクならダメージがくる事もないはず!


 ピンクのドアを開けると、風呂場に続いている。おや? これはラッキースケベ頂きな感じか? 湯気が邪魔だ! なにも見えん! 


「あらん? 誰かそこに……きゃー!!」


━━ばチン!


 裸のライルに頬を引っ叩かれ、吹き飛ばされる。なにがきゃー! だよ。俺が悲鳴をあげたかったよ! ライルの馬鹿でかい逸物が、脳裏に焼き付いたよ!


 ピンクでまさかの精神攻撃をしてくるとは、次は紫だ、紫ならピンクな展開もないし、高貴な色だから当たりだろ!


 紫のドアを開けると、焼けたアスベルク王国に出る。こっここは……向こうから俺や蘭達が歩いてくる。やめろ、その先には行くな! 声が出ない、身体も動かない。


 いくな、見るな、いくな、見るな、いくなああああああああ!


 ロザリアの亡骸の前で泣き喚く俺を見る。


 ドアから弾き出され、元いた塔に戻る。


「ああああ! 性質が悪過ぎるぞ糞があああ!」


 救えなかった現実を再び見せられた、見てしまった。手足がないロザリアの遺体を。


 この試練が終わったら試練を考えた奴をぶん殴ってやる。


 その後俺は、どんどんドアを開けていく。俺はまだ膝を折る訳にはいかない。

 金盥が降ってきたり、銀の皿が降ってきたり、灰色のネズミが大量に降ってきたりしたが、俺は無視し次々とドアを開ける。


「正解はどれなんだよ……」


 思わず口から出た。


『ひ・・ぎ・ん』


 ひぎん? ひぎんって聞こえたが、ビギンの聞き間違いか? 耳を澄ましていると


『柊君!』


「堺さん久々じゃないですか!」


『やっとパスが繋がったか……柊君の心の嘆きと怒りが、如何やら塔を一瞬怯ませたみたいだね』


「それはさっき……」


 塔が怯む? 塔って生きてるのか? 堺さんは塔を知っているのか?


『なにを見てきたかは知らないし、聞かないし、今回は記憶も見ないよ。このパスは不安定だから、いつ会話が終わるかもわからないからね。邪神の因子が抜けて、君は試練の塔にいるんだよね?』


「あっはい、そうです」


 記憶を見てないのに、相変わらず的確な堺さんだ。流石過ぎる。


『今は第一の試練かな?』


「そうなんです、それで色々な色と形のドアを開けてて……」


『ドアの試練か、しょっぱなからエグいな。案内人は誰だった?』


「ソキンさんとアユウ『あー! 柊君それはハズレだ……かと言って、試練のやり直しは出来ないから、頑張るしかないんだけど』えっハズレ?」


 ハズレって嫌な予感がする。


『あの二人は面白い事に常に全力を出すからねえ。いきなりドアの試練を選んだのも、柊君が、彼等に気に入られたからだよ』


 嬉しくない……。


「そっそうなんですか」


『よし柊君、これからまた僕の加護を限定的に解除する。ステータスが上がるわけじゃないから注意してくれよ? 僕の加護で、柊君の魔眼の力を活性化させる。少しは試練がスムーズに進む筈だ』


「あの前に加護が発動したら、身体がもたないって」


『だから限定的なんだよ。男は度胸なんでもやってみるもんだ! 破ッアアアアアア!』


 堺さんが、寺生まれのTさん宜しくな、声を出すと、身体の中が熱くなっていく。


「……身体が熱い!」


『それは熱でもあるんじゃない? 加護は活性化したから、ドアをよーく魔眼で見てごらん。君・ら・・る』


 電波が悪くなった様なノイズ音が鳴り、堺さんの声が聞こえなくなる。


「堺さん!?」


『こらー! いきなり不正とはいかしてるね!』


 アユウさんの怒鳴り声が響く


『いい度胸だよ、あっアユウそのマーク付きのパン頂戴』


『またかよ、マーク付きばっかり食べやかって。不正できない様にしたから、もう魔王と会話はできないから宜しくう!』


 それだけ言うと二人の声は聞こえなくなる。マーク付きのパン俺も食べたい。


 意外とシビアなんだな……。だけど元からある加護を活性化させただけで、ルール違反じゃない気もするが。


「よし、切り替えていこう!」


 自分の頬を叩き、声を出し気合いを入れ直す。

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