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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第163話 試練の前準備


 試練を受けるのは構わないんだが、俺レベル1だぞ? 誰のサポートも無くクリアできるのか? いつまでも足手纏いも嫌だし、もし強くなれる可能性があるんなら頑張るしけど。


「強くなれるのか?」


 俺は、ケリュネイに質問をしてみる。


『強く? レベルがそれなりにあるのにか? 求める物がどれ程の頂きかは、わからないがきっかけの一つにはなるはずだ』


 ケリュネイは俺を見つめながら、強くなれる可能性があると言った、出会って間もない神獣を信じるのは、リスキーかもしれないが、だがやらないよりはやった方がいいだろう。

レベル1だぞ?


『一つ忠告だ、ヒイラギヨーイチ。塔では汝の魂が試される。嘘偽り無く進め』


「ああ、ありがと。なあケリュネイ、アルテミスとなにか関係があったりしたりするか? なきゃないで良いんだが……地球でケリュネイアって聖獣がアルテミスの眷属って話がッ」


 がっ苦し……息が!


『ここでする話ではない。全ては試練が終わってからだ。アルテミス様を慣れ親しく、呼び捨てにするな』


 はあっ、はあっ、はあっ。なっなんだ? いきなり呼吸が出来なくなったぞ!? 意識も飛びかけたし、空気を操ったのか!? しかもアルテミス様だあ!? 


「絶対に試練をクリアして、聞き出してやるからな! アルテミスとお前の関係をな!」


 やるならやってみやがれ! 息を止めて対抗してやる! 俺の肺活量を舐めんなよ!


『ッ……早く試練を受けろ』


 それだけ言うとケリュネイは神殿へ戻っていく。あれ? 俺が呼吸止めたの無意味か!?


「はあ、はあ……なんなんだよ」


「よーよーケリュネイの前でアルテミス神の名前を出すとは、命知らずだなあ。気に入ったぞ、試練のアドバイスをしてやる。絶対に自分の信念を貫け」


 それだけ言うと霧雨も神殿に戻って行った。なんなんだ? 信念を貫けって言われても……ッ痛ああああ!


「洋一! なんで勝手に話を進めてるのよ! それに危ない挑発までして!」


 蘭が鳩尾にダイレクトアタックかましてきやがった、心配なのはわかるが勘弁してくれ、めちゃくちゃ痛かったぞ!


『ヨーイチ! なんであんな挑発したの! 危ないじゃない! ヨーイチは弱いんだよ!?』


 おおう、リュイにまで怒られた……。


「いや、彼奴がアルテミスの事を庇うからイラついちゃってさ。ごめん、謝るよ。俺の予想が正しかったのは証明できたが」


「予想?」


「ああ。さっきも言ったが、地球の神話にアルテミスの逸話があってさ。その中にケリュネイアって言う聖獣がいたんだよ。確かギリシャ神話でさ、ケリュネイと同じ様に黄金の角をしていて、戦車を引かせてたって話しだけど」


 ギリシャ神話は、うろ覚えなんだよな。こんな神様がいたなー位の知識しかないんだよな。


「補足するなら、アルテミスが捕まえて聖獣にしたんじゃなかったかな?」


「師匠それです!」


「まあアルテミスの事より、洋一君試練って大丈夫なの? 僕達いけないんだよ?」


 そう師匠が言う通り、今回は誰のサポートも受けられない。蘭もリュイも師匠も、ついてこれない。異世界に来て、本格的に1人きりの戦いになる。


「まあなんとかしますよ! 足手纏いのままじゃいられないし。アナスタシア、皆んなを頼むな」


『なっなんで私が……』


「ケリュネイや霧雨と会話が出来るのって、お前しかいないだろ? だから頼むよ。蘭やリュイや師匠や虎次郎を護ってください。お願いします」


 俺は頭を下げ、アナスタシアに初めてきちんとお願いをした。


『わっわかったから! 頭上げてよ! ここまで来たら一連托生なんだから! 私が皆んなを護るから、アンタは試練を軽くこなしてきなさいよ!』


 アナスタシアの小さな拳を俺の胸にあてる。


『絶対に、生きて戻ってきなさいよ。女神との約束なんだからね』


 アナスタシアは笑顔で俺を応援してくれた、やっぱりコイツは女神なんだな。


「洋一君、こっちの戦闘面の護りは僕に任せてよ」


 師匠が剣を天に掲げる


「この剣にかけて、皆んなを護るよ」


「洋一、ほんとは行かせたくないけど……洋一に任せるしかないなら、私は信じてるから。負けないでよ」


 蘭が不安を振り払い、強い言葉で俺を激励してくれる。


『ヨーイチ、頑張りなさいよ! 雷砲と弾にはありったけ雷を入れといたから!』


 リュイ、備えてくれたんだな。


「ありがとう! 皆んな試練なんて楽に突破してくるぜ!」


 俺は皆んなに御礼を良い、塔に向けて歩き出す。塔の手前まで、皆んなついて来てくれるみたいだ。ちょっとホッとした……正直脚が震えてる。


『ヨーイチ、怖いんでしょ?』


「こっ怖くないから! 大丈夫、大丈夫、俺はできる、俺はできる」


 やばい某パイロットみたいな心境になってきた。こんな気持ちになったのは、バンジージャンプする時以来だぞ。バンジージャンプの時もめちゃくちゃ怖かったけど。


「洋一君、これを貸してあげるよ」


 師匠から小太刀を渡される。


「これは護り刀だよ。きっと役に立つから」


「ありがとうございます! お借りします!」


 蘭がずっと不安そうな顔をしている。俺は蘭の頭を撫で


「俺に任せとけよ、たまにはカッコ良く決めるよ」

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