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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第九章 神獣か聖獣か
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第162話 ピッ○ロ!?いやセ○か!?


 こいつ、リアル串刺し公 ヴラド三世かよ。魔族の死体から瘴気が溢れるからって、生き地獄を見せるのか。達磨にして、口も潰してる。中には目を潰されてる奴等もいる。


「なあ、あんたなら瘴気を残さず、こいつらを消し飛ばしたりできんじゃないのか?」


 俺は霧雨に問いただしてみた。いくら相手が魔族でも、趣味が悪過ぎる。


「よーよー糞ガキ。お前は魔族贔屓か? なんならここで殺してやろうか? こんな屑たちは百害あって一理なしなんだよ。相応の罰なんだよ。まあこっちに来たての甘ちゃんじゃあ、わかんないかもしれねえがなあ」


「だからってこんなやり方……」


「うるせえなあ。じゃあこうしようぜ、お前が我を殺したら解放するなり殺すなり好きにしろよ」


「はあ!?」


「なんだあ、覚悟もないのに絡んできたのかあ?」


 胸ぐらを掴み、持ち上げられるまで気づかなかったぞ!?


「反応もできねえかあ? 弱っちい癖に一丁前な事ばかり言いやがってよお。いっぺん死ぬか?」


 なんちゅう馬鹿力だよ、全然腕が外れねえ! しかも服で首がしまっ


 突如俺は投げ捨てられた。


「危ねえなあイケメンの兄ちゃん、殺す気か? それに神獣よお、誰が魔族供を消し飛ばしていいって言ったんだあ?」


 霧雨の言葉にさっきまで串刺しにされていた魔族の方を見ると、白炎が上がってる。あれは多分蘭の浄化の炎だ。


「チッ腕一本しか取れなかった」


 師匠が舌打ちをしているって腕一本!?


「痛えなあ。すっぱり斬り落として、更には神獣の炎で焼くなんてよお。しかも右手だぞ? 利き手を狙うとは良い腕だなあ。素敵な事をしてくれるじゃねえか」


 斬られた場所を見ながらニヤニヤと笑ってやがる、あの霧雨って奴痛くねえのかよ! 腕一本なくなってんだぞ! 化け物かよ……


「本当は首を刈るつもりだったんだけどねえ。あのタイミングで身体をズラして避けるなんて、大和さんに近い化け物だねあんた」


 蘭は旋回しながら、警戒している。隙あらば、いつでも魔法を撃てる様に霧雨に狙いを定めている。


「よーしお前ら全員殺してやる」


 霧雨がそう言った瞬間、斬られた筈の右腕が元通りになっている。


「うっ腕が治った!?」


 いや新しく生えた!?


「洋一君は……ああ鑑定できないのか。超再生持ちだよ、心臓と脳味噌を同時に潰さない限り、直ぐに再生するよ」


「超再生!?  ピッコ○さんって言うかセ○かよ……」


「まあやりようはあるんだけどね。斬り刻んで、蘭ちゃんの炎で焼けば倒せる筈だからね」


 できるのか? でもできなければ全員殺されるだけだろうし。蘭や師匠に頼るしかない、雷砲はリュイが怯えていて使えないが……糞っ! なにか、なにかないか。俺に出来る事は……!


「ケリュネイ! 出て来いやー! 出て来ないと雷砲をぶちかますぞ! 神殿位更地にできるんだぞ!」


 俺はハッタリ宜しくで雷砲を構える。リュイの魔力が入ってないから、ハリボテだが。これでケリュネイが吊られてくれれば、状況は変わる筈!


「いいのか!?  お仲間を一撃で粉砕してきたんだぞ? お前も神殿も中にいる人も皆んな纏めて終わりだぞ!?  嫌なら出てきてこのバカ男を止めてみやがれー!」


 俺の叫びに反応したのか、空気が揺れる。


『クフフ面白い人間が来たものだ』


 馬鹿でかい声が響く。神殿の方に顔を向けると、馬鹿でかい鹿が出できた。角は金色、体毛は白銀、瞳は琥珀色。青銅の蹄を持っている


『霧雨。下がっていなさい、この子達はどうやら私の客だ』


「よーよー、ケリュネイ。俺の喧嘩に首を突っ込むってか? こいつらは、我に喧嘩を売ってかみさんまで人質にしようとしたんだぞ?」


 喧嘩を売ってきたのはお前だろ! 人質云々は俺のせいだけども! 魔族を串刺しにして、痛ぶってた人格破綻者め!


『私の客だと言ったはずだが?』


 ケリュネイの威圧するような、重く低い声が響く。


『お前は私の客を蔑ろにするのか? なら私もお前の子供を約束を違えたと言う理由で、殺してもいいんだが?』


 ケリュネイの言葉に霧雨が舌打ちしてる。やーい! ざまあ! ケリュネイさっすがあ!


『小僧調子にのるなよ』


 ひえっ! 心を読まれた! すみませんでした!


『新しき神獣と、アナスタシア様。歓迎するよ、創造神様の意思と現状を確認したいんだが良いかね? アナスタシア様心を読む事をお許しください』


『いいわよ。余計なところは見るんじゃないわよ?』


『ハハハハ。では失礼』


 アナスタシアをケリュネイの琥珀の瞳が見つめている。数分しない内にケリュネイの瞳から涙が溢れる。


『ヒイラギヨーイチ、貴方が託されたのですね』


 真っ直ぐ俺を見つめている。


「あっああ。この中で託されたって言うなら、俺だろーよ。

正直、やらなきゃいけない事が折り重なって今がある感じだが……」


『ヒイラギヨーイチ、貴方に試練を与えます。これから貴方一人で、あの塔の頂きに行って頂きます』


「試練? なんで?」


『貴方に資格があるのかどうかを確かめる為です。資格無き者をこの先の神殿に進ませる訳にはいかないのです』


 ここに来て初めてガチの試練か。俺一人ってのが気になる。


「でもなんで俺だけ」


『貴方が創造神様に託されたからですよ。私は見極めなければならない。私には義務があるのだから』



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