表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第一章 出会いと絆
18/291

第15話 働きたくない

 最近来た、魔王の眷属の哀れなコポオちゃん。蘭が手加減したとは言え、消滅しなかったところを見ると、中々の強敵だったな。

 リュイも足止めしかできないって言ってたけど、四天王より精霊のが弱いのかな? ゲームだと精霊のが強そうだけど。ファンタジーは現実だとかなり世知辛い。


「光一、ファンタジーってさ小説や漫画やゲームいわゆる物語だと楽しいけど、現実になると厳しいよな」


「そうですね。ゲームの世界なら盗賊とか倒したりできますけど、人を斬るなんて出来ないし。捕まえたら何で生かしてるんだと、罵詈雑言浴びせられるし。それに生き物を殺すのも辛いし、正直魔物だからって、探し出してまで殺すのは辛いです。人に被害を及ばない様にって意味なんでしょうけど。物語の主人公みたいにレベル上げの為には仕方ないなんて、割りきれないですよ」


「おっおう」


 らーん! やばい! 光一がダークなオーラを垂れ流してる! 闇落ちENDまっしぐらだ! ヘルプミー!


「それにですよ、この世界亜人差別がある国もあるし、奴隷は居るし、獣人は何処でも差別されるみたいだし。こんなファンタジーなら糞ゲー過ぎて誰も買いませんよ」


 部屋の隅でアナスタシアが膝を抱えて、耳を塞ぎながら泣いてるぞ。仮にも自分が神として存在してる世界を自分の信徒に全力で否定されたからか、哀れな奴だな。


「一番許せないのは、魔物の見た目がグロいのばかり! もっと可愛い魔物とかいたっていいじゃないか! トイレはボットんばかりだし、風呂が普及してないのが一番酷い! 知ってますか? 皆んな水浴びですよ? 水浴びなんて頭おかしいですよ! 冬場に水浴びした人が、死んだりしてるんですよ! 」


「冬場に水浴びは心臓麻痺しちゃうからな…………」


 デスノー○も形無し、一撃で死ねる。


「医療体制も無い世界に、民間人を送り込むとか頭おかしいんですかって話ですよ! 回復薬ありきなのもおかしいし、回復薬はめちゃくちゃ高いし民間人は苦しんでるんですよ? 」


「確かに頭おかしいよな。回復薬を安くして、神官連中は無料で回復するよう、神託でも何でもすりゃ良いんだよな。バカな神が無責任な世界を作るからこうなるんだよ」


「本当それです! 無責任極まりないですよ! そもそも自分の世界の事を異世界人に任せるのが間違いなんです! そんな世界滅んでしまえばいい! 」


 マシンガントークだな。俺も確かに熱くなったけど、相当ストレス溜まってんだなあ光一の奴。

 アナスタシアに矢が刺さりまくって、今にも消えてしまいそうだぞ。


『あはははこんな世界滅んじゃえー』


 アナスタシアよ、それは神が言っちゃダメな台詞ナンバーワンだぞ。


「はあ。なにやってんの2人共、アナスタシア様のライフはもうゼロ以下だよ」


 蘭が呆れている。


「俺は、ずっと気付いてたけどな」


「アナスタシア様! 違うんです! いや違わないんですが、不満と言うかストレスが限界と言うかその……」


 光一は、慌ててフォローしてるが、今のアナスタシアには、追い討ちにしかならないぞ?


『良いのよ、こんなゴミみたいで、糞虫以下の世界でごめんなさい、神界に帰りますね、探さないでください…………』


 神界なんて探しに行けるわけないだろ。あっ消えた。


 アナスタシアが帰ったから魔族ももう来ないだろ。あいつが原因だしな。


「一件落着、神の癖に気軽に下界に来んなよな」


「アナスタシア様あああ!! 誤解じゃないけど誤解なんですう!! 」


 光一が空に向かって叫んでる、家の中心で愛を叫ぶ的な感じか、うん青春だな。


『光一ってあれだよね、空気読めないバカなんだね』


「言ってやるなリュイ。彼はまだ若いんだ」


『ヨーイチは見た目は子供で魂はオッさんの癖に、生意気ね。それにヨーイチは敢えて乗っかって攻めまくってたでしょ』


「オッさん言うな、今は少年だ。それに心は14歳だ!」


 全く失礼な奴だな。厨二病は傷つきやすいんだぞ?


「洋一、頭大丈夫? 」


 蘭、失礼だぞ!


「ぐぬぬぬ、そういや光一って転移とか出来んの?」


「はあ、はあ、出来ないですよ。この脚で走って逃げましたから」


 何処から逃げてきたかわからんが、すげえな。


「脳筋タイプだったか。中身はガリガリなのに。転移が出来ればなー、光一の生活用品を買いに行くついでに町を見たかったが」


「町は嫌だ、人は嫌だ、異世界人怖い」


 まっまずい、異世界人アレルギーが発動しやがった。光一がガタガタ震えてる……ちょっと面白いな。


「まあでも、俺達金が無いから町に入れねえか。街に入った瞬間に門番が、金が無いなら冒険者でもやりなって言ってギルドに行かされて、絡まれてボコボコにされる未来しか俺には無いしな」


「洋一嫌に具体的だね」


 そりゃその手の漫画や小説好きだからね。蘭に漫画の話をしても、わからんだろうしな。


「チートがありゃ、何とかなるんだろうけどチートが無いから奴隷落ちが良いとこだ」


「ボコボコにされる前に私が助けるけど」


 優しいが、優しいがそう言う事じゃないよだよ蘭よ……。


「人が襲われてるのを助ける光一パターンもあるけど、森深いところだと人も来ないしな」


 レイ先生がレアなだけで。


「ダンジョンとかあったらいつか行ってみたいなー。宝探ししたいじゃん?」


「洋一はすぐ死んじゃうからダメだね」


「ダメってそんなあ……」


 蘭は、手厳しいな。宝探ししたいんだけどなあ。


「そんなあって言われてもねえ。ダンジョンは強くなるまでだめ」


 蘭の心配わかる……この世界は、ゲームじゃないしなあ。

だけど憧れるんだよなあ


「ダンジョンは憧れますよね、僕は戦いたくないから行かないけど。宝探しは男の浪漫ですよね」


 流石光一男だな! アレルギーから立ち直ったのか。


「だよなー光一! 宝探しは浪漫だよなあ。偉い人にはわからんのですよ」


『宝探しねえ、なにが良いんだか。ヨーイチ達の世界にはダンジョン無いの?』


 おい、リュイ地球にダンジョンがあったらやばいだろ


「無いよ、魔物もいないし。魔法や魔物は創作物の世界でしかないな」


『平和で良いじゃない、魔物なんていない方が良いわよ』


「憧れてたんだけどさ、実際見たらいない方が良いわな。ドラゴンも見たけど、乗れないだろうし。好戦的な化け物だし。ただ肉はめちゃくちゃ美味いけど」


 魔物は怖いが、ドラゴンの肉は美味いからなあ。


「ドラゴンに僕は会った事ないなあ、遠くを飛んでるのは目撃したけど」


「光一、あいつら知性はあるけど、基本的に直ぐに攻撃してくるぞ。仲間になる選択肢0だ」


 ドラゴンは、めちゃくちゃ凶暴だからな。


「物語だと、優しくて聡明なイメージが多いけど違うんだね」


「基本的に人間=餌だからな。こっちからしても美味い肉だけど」


「食うか食われるかなんだね。やっぱりこの世界嫌だなあ」


「平和的解決なんて基本無いからな。女神だって、いきなり罪の無い俺に殴りかかってきたんだぞ?」


「あ〜」


 光一が、女神の蛮行を思い出し頭を抱える。


「基本的にこの世界を作った奴の性質が歪んでるんだろうな、穴だらけの世界だ」


「地球だって完全じゃないけど、日本は平和でしたしね」


「とりあえず俺達は此処で優雅に暮らそう。税金なんて払いたくないし、働きたくないし」


「あはは僕も戦いたくないから洋一君に賛成!」


 光一と肩を組んで笑い合う。友達みたいな感じで嬉しいな。


『典型的なダメ人間達ね』


 リュイ、光一はわからないが俺は元社会人なんだぞ? ダメ人間じゃないんだよ? 異世界に来たから、働きたくないだけで。


 でも鍛治師とかは見てみたいなあ。装備とか作るのみたいしなあ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ