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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
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第144話 聖痕は消えない、絶対に……


 お尻に聖痕をつけられた、しかもちょっと力むだけでピンク色に発光する。これ……トイレで踏ん張っても発光するよな。リュイはピンク色の光に大喜びではしゃいでるけど……。


「なあ蘭、俺の尻ってパンツとかズボン履いてもダメかな?」


 蘭は首を横に振り


「ダメだね……。お尻の光が漏れてるもん。その洋一ラブの部分が浮かび上がってるから、控えめに言ってもダサい」


 蘭の言葉の重みが半端じゃないいい。


「あああああああ!!」


 あんまりだ、常に洋一ラブの看板を背負っていかなければならないなんて、生き地獄過ぎる。


「はははは。まあなんだ、そろそろ俺は戻るから元いた場所に帰すぞ。俺は、力を使い過ぎた、麻友を看病しなきゃならんからな。弱くなった柊君は足手纏いだから、神獣ちゃんや精霊の嬢ちゃんがしっかり面倒見るんだぞ?」


 大和さん気を使ってくれるのはありがたいが、もうちょっとオブラートに包んでくれ……足手纏いって。


『任せてよ! あっ大和あんたって、精霊とどんな関係なの? 加護やスキルなんて持ってないでしょ? なのに普通にアタチが見えてるし』


 確かに、加護やスキルがないのが本当の話ならなんでだ? 


「あー。ヒーローだからだよ。ヒーローはな? 精霊だろうと人間だろうと助けるんだよ。めんどくせえがな」


 いや大和さん……恥ずかしそうに話してますが、説明になってませんよ? 


『ひーろー? 凄いのねひーろー! ヨーイチもひーろーになりなさいよ!』 


 ヒーローになりなさいよって、無理だろ。そりゃ俺だって強ければ、ヒーローになりたいよ。ライダーとか戦隊者とかになりたいよ


『そんな時には変身ですよ? ヨーイチ君?』


「エロオオオオス!」


 悪魔の声が聞こえてきやがった!


「えっ? 柊君急にどうした?」


『ヨーイチ大丈夫? エロス様はいないわよ?』


 奴がいる筈だ、今「そんな時には変身ですよ」って耳元で囁いてきたぞ! 


「洋一、もしかしたら聖痕が関係してるんじゃない?」


 聖痕のせいで、エロスと俺は以心伝心だと!?  彼奴と心で繋がるとか嫌過ぎる。エロスってなんなんだよ……。


「まっまあエロス様も洋一を助けようと、無理やりここに来たみたいだから許してあげなよ」


 無理やり? って言うかどうやってここに来たんだ? 俺に渡した加護を頼りに来たのか? 


「原理はよく分からないけど、愛の力だって言ってたわよ。神様に愛されるなんて、凄い事じゃない」


「蘭、本当に凄い事だと思うなら俺の目を見てもう一度言ってみろ」


「嫌」


「嫌じゃない、本当に凄いと思ってるんだろ?」


「しつこい」


「こっちを見ろおおおお! あべしッ!!」


 蘭め、羽根で顎に衝撃をくれやがった……やっぱり凄いって思ってないんじゃねーか! エロスのは愛じゃなくてストーカーって言うんだよ!


「なあ、コントもその位にしとけ。俺は早く帰りたいんだよ。もう向こうに帰すからな。葵に宜しく言っといてくれや」


 そう言うと大和さんは、大地に剣を軽く当てる。


「じゃーな。ピンチになったら、この笛を鳴らせ!」


 大和さんが投げた笛が、俺の額に直撃する。



「いてえええ! 頭が弾け飛ぶかと思ったわ!」


『よく首が取れなかったわね』


 怖い事をあっさりと言うリュイ。確かに大和さんの力で、笛をぶつけられて良く無事だったな。生きててよかったあ……。


「あっお帰りー。もう帰ってこないもんかと思ったよ」


 木の上から師匠が飛び降りてきた。所作が一々イケメンなんだよなあ。


「おっ邪神の因子が取れたんだね。うんうん、殺されなくてよかったね。まあ麻友さんがいれば、なんとかなるか」


 麻友さんって結局ちゃんと話せなかったな。京言葉で、綺麗な人だったけど。


「めちゃくちゃ痛かったですけどね。なんとか生還しました。麻友さんの力とか、儀式の最中なにがあったかとか、俺はわからなかったけど」


「ん? なんでわからなかったの? 目閉じてたの?」


「いや、麻友さんの姿を見たら目玉をくり抜くって脅かされて、アイマスクつけられたんで……」


「ぶっ……! マジ?」


 師匠が漫画みたいに吹き出した。確かに状況だけ聞いたら吹き出す内容だよな、やられた俺以外には、このやるせない気持ちはわかるまい。


「マジですよ。で儀式が始まってめちゃくちゃ痛くて、頭の中で邪神の声がするわで、大変だったんですよ。まあ蘭やリュイの声が聞こえて、皆んなの事を思い出したら、最後は……」


「最後は?」


「いっいやそれで、アイマスク外してもらえて終わりです!」


「最後は? ねえ、なんで洋一君が力を入れると後ろからピンクの光が見えるのかな? かな?」


 やっやばい!


 やばいと思った次の瞬間、師匠に小脇に抱えられる。


「おお、ピカピカ光ってる。なになに? 洋一ラブ? えっマジでなにこれ? 洋一君ちょっと失礼」


「いやあああああ!」


 師匠にズボンを下ろされた。アレを見られる、ずっとネタにされるう!


「うわあ。これは、愛の神の聖痕かあ。洋一君、失敗した入れ墨みたいだね」


 俺が気にしている事を……!


「引くわあ……完璧ストーカーのマーキングじゃん。位置情報から心情まで、リアルタイムで観察できる、完璧なシステムが組み込まれてるね」


 位置情報まで読み取られてるって、逃げ場がないじゃねえか! 心の中はまあいいとしても、位置情報は嫌だ!


「師匠、どうにかなりません?」


「尻を削ってみる?」


「嫌ですよ! 削りたくないですよ!」


「ゴリっと削れば、消えるかもよ?」


 ゴリっと削りたくないんだよ! 師匠に聞いた俺がバカっだった! 蘭やリュイは無理そうだな……視線逸らしてるし。


「肉を削ぎたくないなら、愛の神を倒したら? 愛の神の聖痕だし、倒したら消えるんじゃない?」


 倒したらいいのか? それならエロスを絶対に倒すぞ?


「倒すのはダメでしょう……一応神様なんだから」


 蘭め! 尻の聖痕が取れるナイスな提案だったのに、止めないでくれええ!

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