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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
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番外編 大和と勇者候補生 弐

 最初の世界エデンの魔王と邪神を倒してから、俺は色々な世界を渡り歩く事になる。そんな時出会った、俺と葵達の話をしよう。興味がない? 柊君達を出せ? まあいいじゃねえか。オッサンの話もたまには良いもんだぜ?



「あーだりい。なんでこうもまあ、どうして戦争ばっかするかねえ……災害孤児も増えてるし。ヒーローは俺しかいないって、ヒーロー忙し過ぎだろ」


 魔王やモンスターと言う明確な人類の敵がいるのに、なんでどこも、戦争、戦争と人同士で争うのか俺にはさっぱり理解できない。


「また戦争か、くだらねえ」


 そんな中たまにあるのが、勇者召喚。転移、転生と経緯は様々だが、地球人が巻き込まれるケース。


「ねえ、強面のおじさんって地球人?」


 俺が考え事をしていると、見た感じ14、15位の子供に服を引っ張られる。考え事をしているとは言え、俺に気配を悟らせないだと?


「ああ、坊主は転移か? それとも転生か?」


「転移! 僕は、神宮葵だよ。宗二と亜梨沙と一緒に来たんだけど、おじさん知らない?」


 おじさん、おじさんって。この世界、3人も地球人の子供を巻き込みやがったのかよ……めんどくせえな。ただでさえ、瘴気が濃い世界でイライラしてんのに。


「あーそれは知らん。俺は、瘴気の元を潰しにきたんだよ」


 ガキは俺を笑いながら見ている。なんだこのガキの違和感、色々見てきたって事か?


「ダメだよ。亜梨沙が瘴気を纏めて他所にやるって言ってたよ」


「瘴気を纏めるだあ? あーそれはいけねえよ。いけねえなあ……」


 瘴気を纏めるって、世界がどうなるかわかってんのか? ブッ壊れるぞ? ガキ故の浅知恵か。


「ねえ、おじさん宗二を助けて。宗二はきっと1人で戦ってるんだ、人間と」


 軍事利用されてんのかよ、大方このガキと亜梨沙だったか? 人質か。首輪で縛ってやがるなあ


「チッ、あー! めんどくせえ! 糞が、そう言う事かよ!」


 俺は、首輪に込められた呪いを殴り砕き、ガキを抱き締める。


「大丈夫だ! 俺に任せろ、俺はヒーローだからな!」

  

「ひーろー?」


 ヒーロー位しっとけガキが、次は瘴気を集めてるガキか。場所は………………あそこか!


「捕まってろ、飛ぶぞ」


 足に力を入れて、一気に跳躍する。瘴気の中心で、蹲る女の子を発見する。これが亜梨沙か、茶髪で服は白装束、首にはガキと同じ首輪。生贄か、胸糞悪い。


「瘴気を消すかあ。シッ!!」


 蹴りで瘴気を消し飛ばす。


「この世界はもうダメかもなあ。まあダメなら俺がダメじゃなくするまでだが」


「亜梨沙! 亜梨沙は大丈夫なの?」


「ああ。大丈夫だ、呪いは砕いた。後はもう1人のガキか、戦争はっと」


 世界の音を聴く。


「ガキ覚えとけ、戦いで傷つくのは人や物や動植物だけではない。世界だって傷つくんだよ、まあ俺の場合ちょっと力を入れたら世界を壊しちまうんだがな。っと見つけた……。ガキ、そこの女の子を背負え行くぞ」


  俺がまた飛ぶと、そこは屍の山。その山の上に血濡れた少年がいる。少年は、泣きながら屍の上に立っている。


「ヒハッ」


 少年は虚空を見ながら笑っている。


「狂い初めてやがるな。少年、寝とけ。大丈夫、俺が来たからな」


 この世界の腐敗は全て俺が終わらせる!


 その後俺は、魔王と邪神と戦争を起こしていた、王族、貴族をぶち殺した。


「こいつら……行くあてもないか。しゃあねえ。俺が鍛えて勇者として育てあげるしかねえな、めんどくせえけど」




 俺は、鍛えあげた身体である小さな星を地球と似た環境に作り替えた、何故かって? こいつらは若い内に殺しを覚えてしまったからだ。地球にこのまま帰せば、こいつらは確実に地球で人を殺す。心技体揃っていない奴が、技と体だけ鍛えられ、心が育っていないから。


「師匠、亜梨沙がまた修行から逃げたよ」


 葵が俺の服をひっぱってくる。コイツは甘えんのがうめえんだよなあ。


「ああん? 宗二お前が面倒みろって言ったよなあ? なんで逃してんだよ」


「嫌だって言った。亜梨沙は逃げたら捕まえるのが面倒。師匠なら一瞬で、捕まえられる。合理的な判断だと思うが」


 こいつはこいつで、小難しい話で煙に巻こうとするし。


「はあ。わーった。戻れ(・・)


 俺の言葉で、亜梨沙が戻ってくる。


「あー! もう師匠ずり〜ですよ! ほんと師匠不審なんですから」


 不審、不審って文句言いながら頬を膨らます亜梨沙。


「うるせえ。他のチビ達の面倒はどうしたんだあ? サボったのか?」


 亜梨沙は俺に向けて舌を出す。


「チビちゃん達は、お昼寝してますよーだ」


 生意気すぎる。


━━ゴチん!


「痛っい! 師匠が誰彼構わず助けるから、麻友さん苦労してんですよ! 身重なのに!」


「あーあー麻友には後で伝える。んで、レベル上げ中毒の葵、逃げ腰しナンバーワンの亜梨沙、堅物ナンバーワンの宗二。お前らに行って欲しい世界がある」


「そこでなにが?」


「魔王が生まれた。このままじゃ勇者召喚をする人間が現れるだからその前に魔王を倒すんだ。後人間の争いには関与するなよ? お前達は、魔王だけを潰してこい。初めてのお前らだけの仕事だ、力の使い方間違えるなよ?」


「「はい」」


 葵と宗二は、2つ返事か。


「えー。まじ嫌なんだけど……」


 亜梨沙は相変わらずだな。


「お前らなら出来るって、信じてるぞ」


 この選択で俺は弟子を失う事になる。

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