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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
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第135話 おっさんに実年齢がバレた⁉︎

挿絵(By みてみん)

白夜いくと様に描いて貰った 天都 大和


 ハヌマは与えられた力に酔っていただけ? 師匠もそうだが、勇者候補生は皆んな規格外過ぎるんじゃないか? 師匠と同等の力を持つ相手が敵なのか? いや……やり方はどうあれ、瘴気をこの地から退けようとしていたんだよな? 


「師匠、やり方はどうあれ、一応この地から瘴気を遠ざけようとしていたんですよね?」


 師匠の厳しい視線が向けられる。


「そのやり方が世界を壊すと伝えたはずだけど? 伝わらなかったのかな?」


「いやそれは……わかってはいるんですけど……一応瘴気を防いでくれていたわけですし」


 師匠の視線がさらに厳しくなる。


「甘い、甘過ぎるね。それはこの世界……いや、全世界への反逆に等しい考え方だよ。柊洋一、お前は世界を潰すつもりか?」


 恐ろし程に研ぎ澄まされた殺気を師匠から向けられる。肌がひりつき呼吸が上手くできない……。苦しい、怖い、目の前にいる師匠が獰猛な獣に見える。


「葵……やめて貴方とは戦いたくない。それ以上洋一に殺気を向けないで」


 蘭が俺と師匠の間に飛び込んでくる。師匠に対して、最大限の威圧を放ちながら。


━ミシリ


 突如鳴り響く不快な音。


 空に黒い亀裂が入る。


『世界が泣いている?』


 リュイの言葉に呼応するかの様に、黒板を爪で引っ掻いた様な音がする。


「ぐわっ! うるせええええええええ!」


 耳が、頭が崩壊しそうだ……。蘭は、蘭は無事か? 耳押さえながら蘭の方を見る。蘭は空を見上げながら、眼光を鋭くしている。


「来る」


 師匠が呟くと、空から何かが、雄叫びをあげながら降って来る。


「いよおおおおおお! あおおおおおいいいいい! 相変わらずかああああああ!」

 

「チッ大和さんか」


 師匠が大和さんと呼んだ男は、紫髪の短髪で筋肉ムキムキな男。大剣を背負い、破れたジーンズに黒いシャツ、シャツには男気と赤くデカデカと書いてある。


「なんだなんだ? 葵の他に精霊が3人と神獣が1匹ねえ。相変わらずだなあ、葵!」


 師匠の頭を撫でる無骨な男。師匠が反応できない? できないどころか、いつ頭に手を置いたのかすら見えなかったぞ? 


「あっあのー貴方は?」


「俺か? 通りすがりの異世界人、英雄や救世主なんて呼ばれたりもしているが、君と同い年のただの世話焼きのおっさんさ。気軽に大和(やまと)って呼んでくれ、柊洋一君」


 なんで俺の歳や、俺の名前を? しかも正確な年齢まで。大和は、俺の疑問を他所に軽く咳払いをして、師匠を見る。


「葵、直ぐキレるのは悪い癖だから、直せって言ったよな? 世界が壊されそうになってそれを止めた、ここまでは良いが、お前がブチ切れて力を解放したら、それこそ本末転倒だろう? 全くいつまで経ってもガキんちょだな」


 師匠にデコピンをしニカっと笑う大和。


『あんたがきたせいで、世界が悲鳴をあげてたけど?』


 リュイの声に大和は、頬を掻きながら笑う。


「わりーわりー。雷の精霊のお嬢ちゃん、そりゃ俺の力に世界が耐えきれなかったんだよ。まっ……この世界の女神さんが、頑張ってくれたから後はなんとでもなるだろうよ。創造神の依頼じゃなきゃ、強引に世界に割り込んだりはしねーよ」


「創造神様の依頼って?」


「大和さん、創造神の依頼って?」


 俺と蘭が同時に疑問の声をあげる。


「創造神が休んでる間に、敵を潰す事と世界の守護だな。後は弟子たちの後始末だよ、警戒しなくても大丈夫だぞ? なんなら魔王にも聞いてみたらいいよ。顔馴染みだからさ」


 堺さんとも顔馴染みなのか、敵を潰すって邪神側の事か? 要領を得ないし、多分聞いても答えてくはくれないんだろうな。なんだかそんな気がする。


『へー大和って神様と魔王と仲良しなの?』


「ん? 天敵だろうな。神殺しでもあるし、魔王殺しでもあるからな。ついでに勇者殺しでもあり、英雄殺しでもあるぞ?」


 殺しまくりじゃねえか!! 怖えよ!!


「どいつもこいつも殺しまくりじゃないっすか!」


「そういう人なんだよ。はあ、もういいや。でそれだけじゃないんでしょ? 大和さんは、神様の依頼で動く人じゃないし。理由は洋一君?」


 俺? 大和さんに狙われてるの? 無理ゲーじゃないのそれ? 


「違うけど? 柊君に入ってる邪神の因子は、俺が大昔に倒した奴だからさーちょこっとだけ責任を感じてるけど。狙いはむしろお前ら馬鹿弟子の再教育だよ」


「うげ、僕はこの世界になにもしてないよ? なにかしたのは彼奴だし」


 心底嫌そうな顔をする師匠を初めて見た。


「相変わらず、教育って言葉が嫌いだなあ。まあそうだな、葵はまあギリギリ問題ない。さっきのキレた事以外は、大目に見てやろう。アルテミスの封印に関してもまあ良し」


 そう言うと拳を横に振るうと、肘から先が空間に消える。


「ちょっと待ってろ? 葵は絶対に動くな(・・・)わかったな? 動けねえだろうが、動いたらお仕置きするからな?」


 師匠が固まって、声すら出せないでいる。


「よいっしょっと!」


「きゃっ!!」


 大和さんが、腕を引き戻すと首根っこを掴まれたあの時の不審者がいた。


「あああ!! 不審者!」


「えっ? あっあの時の魔人殺害事件の犯人!」


 俺を指差して、大声を出す不審者。


「ぎゃーぎゃー喚くな。亜梨沙、俺が来た理由わかるよなあ? 俺は今すごーく怒ってる。これもわかるよなあ?」


「あっお師匠様……ちわーす。あのえへへへ」


 青い顔をして震える亜梨沙


「この馬鹿弟子がああああ!!」


 大和の怒声が響いた。

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