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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
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第128話 アナスタシアの力はヨーイチの心?


 王様は話は終わったと言い、師匠に連れられ転移で帰って行った。王様の服は、桜さんの涙と鼻水でガビガビになっていた事は胸にしまっておこう。


『桜の事は、私に任せなさい。それよりあんた達、世界がおかしくなっているんだけど大丈夫なの?』


 世界がおかしくなっている? 創造神の力が、アスベルクの件で落ちたからか?


「創造神が力を使い過ぎたせいかな? アスベルクの国で無理させちゃったみたいだからさ……」


『うーん。邪気を祓うのに神殿巡りするんでしょ? 神獣の解放とかさ。それ着いていくわ! あんた達、神獣の魂の供養なんて出来ないでしょ?』


 神獣の魂の供養かあ、いつも創造神が倒した後に出て来たのは供養する為だったのか。でもアナスタシアが着いて来るのかあ……俺より足手纏いなんだよなあ。


『あんたなに変な顔をしてるのよ。どうせ足手纏いとか思ってんでしょ! このっ! このっ!』


 アナスタシアが脛に蹴りを入れてくる。


「痛っ! 脛を蹴るんじゃない! やめろっ!」


『ふん。創造神様の神殿がある国もだいたい(・・・・)わかるわよ。神獣の名前や特性もね、ほうら私を連れて行きたくなったでしょ?』


 神殿のある国や、神殿がある場所がわかるのは非常にありがたい。それに残った神獣の名前や特性もありがたい、ありがたいんがなんだこのドヤ顔は!


「八重歯剥き出しでドヤ顔しているところ悪いんだけど、アナスタシアのスペックは村人レベルだろ? 今じゃ俺より弱『くないわよ? 神気も大分戻ってきたからね』そっそうなのか?」


 どうやら、アナスタシアの神気が戻ってきたらしいが、何故戻ってきたんだ? 戻る様な事があったのか?


「なんで神気が戻ってきたんだ?」


 俺の当然の疑問にアナスタシアは、顔を赤くし下を向いた。おしっこでもしたいのか?


『それは、その……』


「なんだ? しょんべんか? 行ってきていいぞ。あっ手をぱっぴっぶっぺっぽぉっ!!」


 蘭に羽根で、ぶん殴られた……痛い! 俺は気を気かせただけなのに。あっ言葉が悪かったのか。


「お花を摘みに行かれてはどうかな? マドモアゼびゃぎゃああああああああ!」


 今度は頬を膨らませたリュイに、電撃を浴びせられた。なんだ? 今日は厄日か?


『とっとにかく! 着いていくからね!』


 そう言ってアナスタシアは、桜さんがいる部屋に戻っていった。一体なんなんだよ……まあとりあえず着いて来るのは仕方ないか。師匠や蘭に負担が増えるかもしれないな。


「アナスタシアちゃん! 良い貧乳だね! 着物も可愛いし、赤髪だし八重歯だし凄いじゃないか! ああああ! リュイちゃんも可愛いし! 貴様このハーレムを独り占めにしていたのか? 殺すぞ」


「ひっ! いやあのリュイは友達だし、アナスタシアは居候なので……ハーレムと言う訳では、すいません! お許しください!」


 怖いよ、なんだよあの目! 今まで師匠と一緒にいたけど、初めて本気の殺意を向けられたよ。こんなくだらない事で……土下座してるのに上から物凄い圧がくるし。


「りゅ、リュイ……助けて……」


 俺は、小声でリュイに救いを求める。


『葵、洋一は悪くないわよ? アナスタシア様やアタチが、魅力的で可愛いのが悪いのよ! 許してあげて』


「そうですね! 僕とした事が取り乱してしまいました。すいませんでした、お許しください」


『お許しくださいって……まあ良いわ。お菓子をよこしなさい』


「はっ!」


 奇妙なやり取りをする二人。更には何処からか、大量のお菓子を取り出し、リュイに献上する師匠。


『うまうま! 蘭も食べる?』


 蘭にお菓子を食わそうとするな! うちの蘭は、お菓子なんて食べましえん!


「リュイ様ありがたいんですが、私は大丈夫です。それより、皆アナスタシア様に戻って来て頂いて次に行く神殿を決めないと。世界の異変についても洋一のせいで、聞きそびれたし」


「おい! 俺のせいじゃないだろ。アナスタシアが急に顔を赤くして、桜さんの部屋に戻ったんだろーが!」


 蘭や師匠やリュイに揃ってため息をつかれる。


「なっなんだよ! 皆んなしてさ!」


 リュイが肩を竦めながら。


『ヨーイチ。信仰する心が大事なのよ。最近アナスタシア様に感謝したり、女神だって心の中で認めなかった?』


「アナスタシアはすげえ女神だなって今は思ってるよ。色々ちゃんと見てるし、アドバイスも的確だったし……正直救われた感が半端ないし。アナスタシアがいて良かったって、心底思ってるし」


 これは本心だ。最初はとんでもねえ糞女神だなって思ったけど、本当は凄い女神なんだなって痛感したしな。意固地になって、失礼な態度ばっかりしてた自分が恥ずかしい位に。


『それよ!』


 キメ顔で指を刺して来るリュイの指をどける。


「どれよ?」


『はあ。ヨーイチが認めた事で、アナスタシア様の神気を取り戻すきっかけになったの。本人の前で言うのが、照れ臭かったんでしょ。それくらいわかりなさいよ』


 えっ? 俺が認めたから? 俺1人が認めた位でそんなに変わる物なのか?


『今までヨーイチは、頑なに神様を全否定してたでしょ? そのヨーイチが認めたって言うのは、大きい事なのよ。異世界から来たヨーイチなら尚更ね』


 基本的にアルテミスのせいで、こっちの神様の事毛嫌いしてたからなあ。


「そんなものなのか? まあ……アナスタシアの力になったんだったならいいか。今まで散々な扱いしちゃったからなあ」


『ヨーイチ、自覚あったのね……』


 リュイに責める様な目で見られてしまった。

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