表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
146/291

第122話 ディアナと桜


 桜さんの身体を手近な布で包む。そうしないと暴れて話が進まない、ってのは建前で桜さんにこれ以上ボコボコにされたくないからだ。正直殴られた場所が引くほど痛い。


「さっ桜さん、いっいや桜提督……話を聞いて欲しいのであります……」


「なに?」


 めちゃくちゃ怖い!


「ひいいいい! この様な仕打ちをした魔人は、討伐しております!」


「そうなんでござるか? じゃあなんでそこの人は、鼻血を出してるのでござるか? 魔人にしたのは、洋一君達じゃないとしても、私の裸を眺めていたんじゃないんでござるか?」


 師匠! 師匠のせいでいらぬ誤解が! 確かにここに来る前はガン見したけど、その後は迅速に救助したのに! 師匠は顔を赤くしてなにも言わないし!


「あっあのその、違うんです!」


『桜、洋一の言ってる事は本当よ。葵は、女好きだけど女に免疫が無いのよ。だから桜の刺激的な姿を見て、鼻血が止まらないのよ』


 事実だけど、幼女姿のリュイに淡々と性的な部分を暴露されるなんて、ある種の地獄だな……。俺なら嫌すぎる。ん? あれ師匠? なんでニヤけてるんだ? Mか? Mなのか?


「そその、リュイちゃん、あの免疫がないとかそう言うのを女性に暴露するのは……ちょっと……恥ずかしいと言うか、なんと言うか、照れちゃうんだけど」


 うっうわあ、師匠がモジモジしてる。誰得だよ! 人前で恥ずかしい事をされた、女の子みたいになってるんだよ。内股でモジモジするんじゃないよ!


『葵のせいでもあるんだから、モジモジしてないで桜に謝りなさい』


 リュイが、めちゃくちゃ歳上のお姉さんみたいになっている。師匠が、物凄く子供に見える。


「あっはい。あの、鼻血を出してすみませんでした。僕、女性のそういう姿を生で見た事なくて……前の世界でも、地球でも、見た事なくて」


 桜さんは、皆んなの顔を見て深くお辞儀をした。


「はあ……もう良いよ。洋一君、皆んな助けに来てくれてありがとうございます」


「いいのよ、桜。でも助けに来るのが遅くて、サキュバスと桜が混ぜられちゃってね……。一応封印は、神様にしてもらったんだけど」


 桜さんは、自分の額と尻尾を触る。


「あははは、忍者から悪魔っ子に転身でござるな……。もう人間じゃないのかあ、あははは」


 乾いた笑いをしながら、尻尾を撫でる桜さん。


『さっ桜、あのね、洋一なんてスケベの化け物よ? 化け物より悪魔っ子の方が可愛いわよ? それにこの世界じゃ人間じゃない人の方が沢山いるわよ? だからあのね』


 リュイが、桜さんを慌ててフォローしている。だが待って欲しい、俺を化け物として引き合いに出すのは構わないが、スケベの化け物ってなんだよ。


 うっ……言い返そうとしたら、蘭とリュイに睨まれた、空気を読めって事なんだろうけど……なんか悲しい。


「それに、レイだってエルフよ? 私は神獣だし。洋一はまあアレだしね。葵も強さ的に普通じゃないし、堺さん「堺さん!?」えっええ、堺さんは魔王だし」


 堺さんにめちゃくちゃ食いついてるけど、堺さんの知り合いかな? 堺さんその辺どうなのよ?


『あーうん。うちの四天王のディアナと混じってるね。ディアナ、やられちゃったのかあ。多分楽したいから協力したんだな』


 そんなんでいいの? 仲間なんじゃないのかな? 仲間意識が薄いのかな?


『仲間意識が薄い訳じゃないよ。怒ってはいるよ、だけどそれをした魔人はもういないしね。ディアナが協力しなければ、捕まるはずないからね』


 ディアナさんが協力? 自分の身体が無くなるのに? なんだそりゃ?


『ディアナは変わり者だからねえ。多分死にたくはないけど、融合しちゃえば働かなくていい位の考えなんじゃないかなー多分ね』


 思ったよりロクでもない理由だったぞ……。死にたくない、働きたくない、なら融合だ! って意味がわからんわ! 四天王が自由過ぎる。アレ? このままじゃ四天王は、桜さんになるのか?


『僕がいないんだから、そもそも四天王も糞もないけどね』


 ああ確かに!


『ヨーイチ! ヨーイチってば!』


「おわっ! なんだよリュイ急に。びっくりするじゃないか!」


『何度も声かけてんのに、返事しないんだから!』


 リュイに怒られてしまった……。堺さんのせいだぞ!


『これからどうすんのよ!』


 これからなあ、国はぐちゃぐちゃだしなあ。生存者はかなり少ないしなあ。


「洋一君! 魔王様と話せるの?」


 桜さんに肩を掴まれ、めちゃくちゃ揺さぶられる。魔王様? あれ今、魔王様って言わなかったか? あれ? 桜さんの瞳こんな色だったか?


「どうなのよ!」


「話せるけど……」


「なら、ディアナは退職しました、探さないでくださいって伝えて!」


 まさかの退職願い? しかも探さないでくださいって、家出かよ!


『受理したって伝えて』


 堺さん、受理しちゃうのかよ……。


「なんか、受理しただって」


「やったー! 桜と融合して良かったわ! 魔王様いないから中々辞めれなくてさー。辞めるなら魔王様にって、皆んな言うから!」


「えっ桜さん?」


 桜さんの目は片目だけ蒼くなっている。


「ああ、今意識を変わって貰ってるのよ。まあ私が出る事はもうないから、魔王様によろしく伝えてねー」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ