表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第七章 闇に堕ちた国
144/291

第120話 華麗なる回復


 地下に着くと、人の声が聞こえてくる。


━━ガンッ! ガンッ! ガンッ!


 鉄を叩くような音が聞こえる。


「王様達をどうしたのよん! ここからだしなさああい! ここには、身体が弱い人もいるのよん! 開けなさいよん!」

 

 誰かの叫び声か聞こえる。


「━━私達はもう━━の手が」


 どうやら、切迫した状況の様子だ! 早く助けなければ!


「蘭! 師匠! リュイ、こっちだ! 蘭はヒールを! 師匠はいつでも、牢を壊せる様にしといてください!」


 牢の中を見る、中にいる人と目が合う。


「…………ヨーイチちゃん?」


 残念、人違いだった。桜さんではなかった、手からは血が出ている。Uターンしたいが怪我は治してやらないと、檻からは出さない方が良いだろうな。貞操的な意味で。


「この檻だね?」


「あっ師匠! まっ……」


━━ガシャン


「ふう。スキルと魔法封じの結界までするなんて、中々敵も用心深いね?」


 爽やかな笑顔で、一仕事終えた顔をしている師匠。だが、違う……真の敵は中にいるんだよお!!


「ヨーイチちゃあああああああん!! 貴方無事だったのねえええ!」


「ぎゃあああああああ! 化け物おおおお!」


 ライルに強烈なハグをされた。ライルの手は、皮が剥け、化粧はドロドロになり、服もボロボロになっている。


「私、怖かったわあああん!!」


 高速で頬擦りをしてくる。摩擦で熱い! こっちの皮膚が剥げるわ!


「ライルさん! 髭が痛いっ!! やめて! 離して! お願いだから!」


「これが、桜さん? 忍者じゃないし、洋一君の目は狂ってるのかな?」


 狂っているのは、その思考回路だ! ライルは、女じゃなくてオカマだ! 桜さんな訳ないだろ!


『ライル、他の人は? それと貴女足は……』


 リュイに言われて、ライルの足を覗き見ると膝から下がなくなっていた。


「リュイ様、蘭様、ここにいるのは、戦えない物ばかりです。身体の1部に欠損があったり、病気だったり……。私は、魔人に戦いを挑み負けました。足を奪われ、レベルが高いから後で実験に回すと、この人達と閉じ込められました」


 中を見ると、横たわり動けなくなっている人。腕がない人、野戦病院よりも酷い有り様だった。


「蘭! なんとかなるか!?」


「ならなくても、なんとかしてみせるわよ! 神聖回帰の術(ゴットヒーリング)


 蘭が呪文を唱えると蘭の羽が輝きをます。怪我した場所に蘭の羽が付いていく。すげえ、綺麗だな。


 だけど、蘭は無理をしている。疲労の色が色濃く見える。


『蘭、貴女無理し過ぎよ!』


 リュイが蘭に飛び付く。


『アタチの魔力も、使いなさい!』


 リュイの魔力が蘭に流れ込んでいく、俺にはなにもできない。蘭、頑張ってくれ。


「蘭、頑張ってくれ! リュイも頼む!」


 なくなった身体が、再生し傷が癒えていく、病気で伏している人達も起き上がり始める。


「ああ、私の腕が!」


「俺の身体はいったい……」


「はあ、はあ、はあ。ここの人達は、これで大丈夫です……」


 蘭が、ぐったりとしている。俺は蘭を抱きしめ、優しく撫でる。


「蘭良くやった、すげえよ! でも無理し過ぎだ、バカやろう」


「頑張ったのにバカやろうはないでしょ……私雌なんだし野朗じゃないわよもう。なんで洋一が、泣いてるのよ」


 俺は、涙を拭う。


「うっうるせえ、泣いてねえよ! 桜さん探すぞ! 蘭は俺が抱いたまま探すからな! 異論、反論は認めないし聞かないからな!」


「わかったよもう」


 蘭が、珍しく甘えてくれる。相当力を使ったんだな……。


『アタチも疲れてんですけど? アタチも労うべきじゃない? ねえねえねえ』


 リュイが、俺の耳を引っ張ってくる。


「ははは。リュイ、蘭を助けてくれてありがとうな。助かったよ」


 リュイの頭を指で優しく撫でると


『お菓子をよこすこと! 約束しなさいよ!』


 照れたのか、リュイは俺のポケットに潜り込む。


「ライルさん、俺達は桜さんのところに助けに行きます! ここの人達を頼みます! ゾンビにされて、操られた人達の親玉は死んでるから、もうゾンビ達は動かないと思いますが「大丈夫よん。私に任せなさあい! 桜を助けてあげてねん」


 食い気味でライルさんに言われた。


「お任せします! 蘭、師匠、リュイ、この奥に桜さんがいます!」


「さあコスプレ美女を助けにいくよ!」


 師匠は、俺が指差した方に走り出す。 はやっ! どんだけだよ。師匠に追いつくと、師匠が立ち止まっている。


「うーん。これはどうしたもんかな……」


「桜さん!」


 そこにいた桜さんは、磔にされていた。鎖からは、血が滴り落ちている。頭には角が二つ生えている。


「角!?  それに尻尾!?  えっ桜さんの新しいコスプレ?」


『ヨーイチ、桜がいつもやってる忍者の格好とは違うのよ』


 コスプレとは違う? リュイはなにを言ってんだ? 顔も髪も身体もおっぱいも桜さんのままだ。ちょっと黒い角と悪魔みたいな尻尾があるだけで、桜さんは桜さんだろ?


「リュイ様……混ぜられてるんですね」


『ええ。魂は無事なのが幸いだけど身体は、悪魔が混ざっているわ。葵どうにかならないの? 悪魔の力を封じたりとか』


「うーん、リュイちゃんの頼みだけど難しいなあ。いやあのアイテムなら、なんとかなるかな? 多分……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ