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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第五章 怪異が統べる妖の国
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第90話 今時ノークレムノーリターンは規約違反だよ?


 師匠に、魔眼と言う名のアイテムを目玉にぶち込まれた。蘭曰く、目の色に変化はないとの事。糞痛い思いをしたんだからさあ……オッドアイにして、厨二なヒーローにしてくれても良いんじゃないですかねえ!


「洋一もう目を開けれる?」


「おっおう、待ってね。怖いから、俺のペースでいくから……」


「10分位経つんだけど……。回復魔法もかけたから失明はしてないよ?」


 失明してないのは有難いが、そう言う問題じゃない。俺はコンタクトすら怖くて出来なかったんだぞ、昔カラーコンタクトで、カッコつけようとしたのに! カラーコンタクト高かったのに! 後で調べたら失明のリスクがあったみたいでやらなくて良かったけど!


「あはは洋一君。コンタクト苦手な人でしょ? 僕もコンタクト苦手でさあ、魔眼を入れる時めちゃくちゃ怖かったよ。でもそろそろ目を開けようか、えい!」


「あっ! やめて!」


 師匠は両手で俺の顔をロックし、器用に指を使い目蓋をこじ開けやがった。


 目を開けるとそこには、ファンキー爺いの汚い生尻が。


「死ね!」


 俺は、迷わず汚い尻にカンチョウを放つ。


『あふん!』


 ファンキー爺いは、頬を朱に染めて悶えている。


「あっ! 言い忘れてた! その魔眼取り外し不可で変更が効かないからね! 中古品に付きノークレム、ノーリターンでお願いね」


 あちゃーと、頭を抑えて笑う師匠。


「なにオークションみたいに、言ってんですか師匠オオオ!」


 なにが、ノークレム、ノーリターンだよ! そう書いてある健康器具を買ったら、バネが外れて怪我したんだぞ! 腹筋が鍛えられるって書いてあったのに。腹筋が、怪我しただけだったよ。


「魔術的な不具合は無いし、年数は経ってるけど使用期限はきれてないはずだよ!」


「うう、すこぶる不安だ……。不安が山の如しだ……」


━━ドゴーン!!


 突如上から、爆音が響き、大地が揺れる。


「おっおわ! なんだ!?」


「あはは敵が来ちゃったね」


 師匠が腹を抱えて笑い転げている。緊張感のかけらもない。


「笑ってる場合じゃないでしょ!」


━━ドゴーン!!


 連続して爆音が響く。


「大丈夫。この国に入れないからね。敵さん、イライラして、僕の結界に八つ当たりしてるだけだよ」


 結界便利過ぎるだろ! そのうち「私の結界は後108あるぞ」とか言いだしそうだな。


「ワッチは母上の所に行くのじゃ! 戦じゃー! 戦なのじゃー!」


 アーレイは、凄い速さで来た道を戻って行ってしまった。


「あっアーレイ! あちゃー。まあ走って行ったけど城の中だから大丈夫か?」


「洋一、私達も行こう!」


『儂は、ここにいるねー』


 ファンキー爺いには、最初から期待はしてないが、堂々と言われると腹が立つな。


「さーて、じゃあ行きますか! 破ッ!」


「えっ?」


 師匠が剣を鞘に入れたまま振るうと、モーゼ宜しくな感じで道ができた。城の壁や、岩盤や、地面を抉り取って。


「へっ?」


 蘭も目を丸くしてびっくりしている。規格外ってレベルじゃない。上に住んでる人? 妖怪? は大丈夫なのか?


「よーし! 行くぞー! 洋一君のスピードに合わせて最短距離を造ってあげたよ」


 いやいやいやいやいや、えっ? ファンキー爺いも予想外だったのか、腰を抜かして口をパクパクさせている。


「葵? 転移で行けば良かったんじゃないの?」


「転移? ダメだよ。戦いに行くなら自分の脚で歩かなきゃ。さっ駆け足で行くよ!」


 ワンツーワンツー! って言いながら、楽しそうに走る師匠の後ろをついて行く。


「ワンツーワンツー! いやー走るのって楽しいね」


「あっあの、師匠の足が残像しか見えないんですが……」


「早速魔眼を使ってるね? 洋一君のペースだと僕のジョキングにもならないから、足を速く動かしてるんだよ」


 残像しか見えない時点で、魔眼がない人から見たら、足の無い幽霊にしか見えないぞ。そんな、無駄話しをしながら外に出た。


━━ドゴーン! ━━ドゴーン!


「あはは敵が怒ってるぞ! 良いね良いねもっと怒ってくれたまえ! 半魔の魔人よ」


 絶え間なく鳴り続ける爆音のせいで、師匠がなにを言っているかが分からない。


 師匠は爆音の発生源を見据え、指を指しながら笑っている。クレイジーだよ……


「ちょっと先に行くから! 2人は転ばない様に最速で来てね!」


 師匠が突如消え、少し経つと爆音が鳴り止む。


「確実に音の発生源に行ったな」


「そうだろうね。洋一、急ぐよ!」


「合点承知だ!」


 蘭と俺が師匠が駆けて行った場所に辿り着く。そこにいたのは、半裸で顔面をボコボコにされたオッサン。身体は緑色で2本あったであろう角は1本が無残にもへし折られていて、羽根も片方しかない。きっともぎ取られたんだろうな……


 オッサンは、正座をさせられていた。太腿の上に岩を積まれたまま……。


「えっ? えっ? どう言う状況? 魔族の人ボロボロだし石抱きさせられてるし……」


 師匠の顔を見ると、顔に青筋を立ててキレている。


「僕は、名前を聞いているんだよ! 僕が何者かなんて、話は後なんだよ! わかってんの? 質問を質問で返すんじゃないよ!」


 おお、あの名言を生で聞けた感動はあるけど……敵の魔族の人が、涙目だし角を掴まれて、揺さぶられている。あれじゃ師匠が悪役だよ。


「しっ師匠、あのちょっと落ち着いて……」


「ああん? ああ、洋一君聞いてくれよ。この能無し糞野朗がさ、先ずは名を名乗れって言ってるのに、言う事を聞かないんだよ。だからお仕置きしたんだけど、アウアウしか言わないし殺してやろうかな?」


 アウアウしか言わないって見た感じ顎が外れてるんじゃないのか? 口が閉まらなくて涙目になってるし。


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