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鷹と一緒に異世界転生!〜相棒任せの異世界大冒険〜  作者: 貝人
第五章 怪異が統べる妖の国
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第89話 両眼にダイレクトアタック!


 俺が目を開くとイヌイの姿はその場になかった。結局俺は勝てなかった……。


 リュイや蘭の助力がなければ、結局は無力でちっぽけな存在。悔しい、悔しさで涙が自然に出てくる。


「くそおおお!」


 俺は叫んだ、自分の不甲斐なさを呪いながら。


『ざまあ!』


 ファンキー爺いが俺を指差し煽ってくる。ぐっムカつく……だけど、なにも言いかえせない。


「洋一君、負けはしたけど君は立ち上がったんだよ? 蘭ちゃんを護ろうとしてさ。だから誇って良いんだよ? そこの不良神はほっといてさ」


 師匠は褒めてくれるが、俺は負けたんだ……。


『無力な御主にしては、良く頑張ったほうじゃろうな』


「師匠、俺もっと強くなりたい……」


 俺が真っ直ぐ師匠の方を見ると、師匠が邪悪な笑みを浮かべている。


「言ったね?」


 不穏な気配がする……あっこれ選択肢間違えたかも。


「わっワッチは悪くないのじゃ! 言うなって、言われたのじゃ!」


 アーレイが何故か、狼狽えている。蘭を見ると目を逸らされた。何故だ?


「皆んなの話じゃ、もっと渋るかと思ったけど、いやー良かった! 修行のしがいがあるね!」


「は? 修行?」


『御主、儂が修行しろって言ってもやらんじゃろ? それに神獣ちゃんは御主に甘い、そこの嬢ちゃんと精霊は実力的に問題外。だからこの男の出番な訳じゃ』


 ヤバイ、俺なにされるんだ? 修行事態はやらなきゃいけないと思うし別にいいんだけど……。バトルジャンキーの師匠の修行だろ? 死亡フラグびんびんじゃないかこれ?


「ちょっと……おトイレに行こうかなあ……」


「一緒に行こう!」


 おトイレ作戦失敗! 作戦を軌道修正する! 


「ちょっとレイ先生が俺の先生なんで……先生の許可を……」


「洋一、諦めなよ。レイの許可は創造神様が取ってるわよ」


 おのれ! ファンキー爺いめ! バトルジャンキーが相手じゃ強くなる前に死んでしまう!


「まっ! その前に迫り来る敵を潰さないとだけどね」


 獰猛な笑みを浮かべる師匠。師匠のこんな顔初めて見た。


「えっ? ギャグパート挟まず連戦?」


「洋一、意味のわからない事言ってないで警戒してね? あの道化師と同じくらいの強さだから」


「久々に全力出せるかなー。でもなあ、全力出したら多分大地が壊れちゃうかなあ。まあ壊れてもいいかな?」


 恐ろしい事を笑いながら言う師匠。


「だっためなのじゃ! 国を大地を壊さないでほしいのじゃ……」


『大地が壊れると、直すのが面倒だからやめてね?』


 アーレイが止めるのはわかるが、ファンキー爺いが、真面目な顔で止めるとは。師匠が全力出したら某龍玉的なバトルになるのか? オラ師匠の力にガクガク震えてきたぞ!


「しっ師匠、大地を壊すと俺も死んじゃって修行どころじゃなくなってしまう気がします……」


 師匠はアッと言う表情をし


「そりゃダメだね。せっかくのおも……ゲフンゲフン、弟子が壊れちゃったら大変だしね」


 おい、師匠この野郎。今玩具って言いかけただろ? 師匠に遊ばれたらガチで死ぬから!


「まあ師匠らしく、洋一君が目指す高みを見せてあげるよ。ただ今の洋一君じゃ……目で追えないだろうからちょっとこっちに来て」


 師匠に呼ばれ、師匠の前に立つ。


「ちょっと待ってね」


 師匠がなにも無い空間に手を突っ込み、なにかを探している。


「師匠もアイテムボックス持ちなんですね」


「前の世界じゃ、持ってない人の方が珍しかったよ。空間収納付きのバックもあったけど、アレは時間経過があるからねえ。劣化しちゃうからねっと。……あったあった」


 師匠は、二つの藍色と紅色の玉を取り出した。


「ビー玉ですか?」


「フッフッフ、これはねえただのビー玉じゃないよ。論より証拠だよ。……えい!」


━━━ぐちゅり。嫌な音が響く


 師匠が持っていた、ビー玉を両眼に入れられる。


「ぎゃああああああああああ!」


「よっ洋一!」


 目に、目にビー玉突っ込まれた━━。痛いとかそんなチャチな話じゃねえ。洒落にならなん。それになにより、蘭が心配してるじゃないか。


「これはねえ、両方とも魔眼なんだよ。レアだよレアだよ〜」


 安いよ、安いよみたいに言うんじゃねえ! 痛みが強過ぎて目が開けられねえ!


「藍色の玉が天眼(テンガン)これは便利だよ? どんなに速い動きでも、見切る事が出来るんだよ。天眼は、洋一君の銃を撃つスタイルにもあってるよ。まあ身体が速度についていけなければ、ただ速い動きを視る事ができるだけの目だよ」


 つまり俺の力量ではただ速い動きの人や物を視るだけか……。あれ? 魔眼ってチートなはずなのに全然チートな感じがしないぞ? おかしいな。


「紅色の玉の能力はギア○!」


 見えないけど絶対ドヤ顔している。そんな気がする。


「師匠、そのネタはダメだ! 危な過ぎる!」


「あはは、紅色の方はまあお楽しみで。死にかけたらきっとわかるよ? レア度で言ったら天眼はノーマルで紅色の方はスーパレアって感じだから!」


 スーパーレアって言われても能力もわからないし、目も未だに開けられないし。失明してないよな?

 目を開けたら真っ暗で、洋一の眼に2度と光は戻らなかった完! とかになったら流石に笑えないぞ。

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