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さよなら、聖女様  作者: タンバリン
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あっちっちあちっちもっちっち



こってりとしぼられた夜、私は記憶を整理した。



【私が処刑された日】は、私が19歳の春のみくり月。

そして今、私は9歳で春のみくり月を迎えている。


もしも、昨日までの記憶が本物であれば、10年の月日を戻ってきたということになる。




戻ってきたということであれば、これから起こるであろう出来事は全て知っている、経験しているのだ。



もう二度と無様に死にたくない。

関わりたくない。失いたくない。



新しい鍵付きの日記を卸してこれから起こることを記していくことにした。









みくり月の緑の日 9歳


庭の木から落ちる。

庭師の息子マイトが木登りを教えてくれて、初めての木登りにしては登れた。

2日後の陽の日から祭りが行われるということで街はすごく賑わっているらしく、どうしても見たくなってしまったのだ。

だが、興奮して落ちてしまう。


マイトのことは内緒にした。

明日にはバレて2人で庭師にこってり怒られる予定になっている。だが、そのあと美味しいジャムとスコーンを一緒に食べて、仲直りをした。




みくり月の陽の日 10歳


無事に誕生日を迎えて、初めて領主の館から外に出る。うちは代々極東の領地を治める伯爵家であり、領地領民を大切にしていると父が言っていた。

初めての館の外で、沢山の人達に声をかけられる父や母を見て、なんだか誇りに思ったことを今でも覚えている。

しかし、その後、私は洗礼を受けるために教会に向かい、【聖女降臨】というお告げを受けてしまう。



▽みくり月


王都の教会本部の偉い人がやってくる

文献では、聖女が祈ればそれは真実になるが自分願いは叶わない。

その力を開花させる為に王都で身柄を預かる

家族で断固拒否せめて15の成人を迎えるまで領内の教会での修行を希望

その夜、館が焼かれ、父母、使用人全て死亡。何故か生き残る。



▽ゆくり月


暫く教会に身を寄せることにしたが、すぐに教会関係者がやってきて王都へ連行。

様々なことを祈らされる。

主に貴族共の繁栄であった記憶。

祈りの効果範囲は狭く、その都内程にしか効かない。




▼15歳


様々なことを学び、旅に出される。

戦争に連れ出され、こちらが勝てるように祈る。



▼17歳


王都にて王太子の婚約者となる。

貴族への祈りは変わらず、民がどうなっているのかは見ることは出来ない。

戦争に駆り出されるのも




▼19歳


異界より、黒髪黒目のマリという女がやってくる。王太子によって保護され、大切に扱われた。彼女は変わった身目をしていて、可愛らしかった。どんどんと味方を増やし、慈善活動を彼女こそが本物の聖女だと言われるまでになる。彼女の周りの男と彼女は全て肉体関係があったようだった。



19歳 みくり月


彼女に不利な祈りをしたとして、私は処刑された。








私の人生はこんなものだった。




もし、明日同じような日が起これば、手を打とう。


そこからでもまだ遅くないはずだ。










あっちっちあちっちー!

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