珍問珍答シリーズ その20 梅雨らしい感じを詠んだ自由律の俳句
高浜虚子など、正統派の俳句を学んだ後に、種田山頭火、尾崎放哉などの自由律の俳句もあるよ、ということで、何句か紹介した。おもしろがっていると判断して、1学期の期末考査が、ちょうど梅雨にあたるので、
「梅雨らしい感じを、自由律の俳句にしてみなさい」
という問題を出してみた。
その解答の例である。
傘さしているのに なんで肩が濡れるのか
なめくじ 喜んで 台所まで くるな
雨にうたれる 嫌なことを洗い流す
部屋の中 洗濯物が頭にあたった
通学時 湿ったカッパを着る
今日も雨で 着る服がない
カエルが鳴いている 窓の外は雨
窓際に 役に立たない照る照る坊主
体操服が くさい
6月の雨に 犬も散歩する気なし
かたつむり 早く前にすすみなさい
見えないの 雨で前が 見えないの
新しい傘を買わなくっちゃ
空をまたぐ 水たまり
雨やまないから 部活できないよ
雨がえるのごとく 叫びたい
家が洗濯物に乗っ取られた
今日も くつ下 かわかない
渋滞は 迎えの車のせいだと思う
時間かけた髪型 もとにもどる
湿気で生えたカビ きれいと思う
日本が傘をさしている
傘さしても意味ないかも 全身びしょびしょ
あいあい傘でデートする恋人たち
自然洗車だ マイ チャリ機
梅雨が来て 赤い傘
いかにも女子高校生らしい視点の句があって、出題者としては、新しい宝物を掘り出したような気持ちになった。それほどでもないと、お思いの方もおられるとは思うが。