用紙と格闘~気分が晴れる~
私が、悶々としながら用紙と格闘していると、沢渡さんが、リラックスして書いてくださいね!と言った。
項目に、あなたの好きな食べ物は、何ですか?なんで好きな食べ物と落とし物が関係あるんだよ~
まぁいいか。そうだなーリンゴかな。リンゴと書いてみる。私、リンゴが一番好き?違うかな。そうかなと、自問自答。
他にも項目は色々あり、とりあえず書き終えて、沢渡さんに渡す。沢渡さんは、私の書いた一日を真剣な顔をして読んでいる。私は、なんて言われるのか裁判の判決まちのような気分で、ドキドキした。
沢渡さんは、顔を上げて「働きすぎですね」と言った。
確かにそうだろう。自分でもこの用紙に書きそう思ったもん。
「少しゆっくりとした方がいいですよ。思い切ってお休みを取るのもいいかもしれませんよ」
休みを取る。休みかー取りたいな。でも……。
「今、休みを取るのは、難しいかと思います。結構、忙しいし」
「会社には、代わりはいくらでもいますよ。あ、もちろん悪い意味ではなくて。会社ってそういうものじゃないですか?会社勤めしてない私がいうのは、なんですが。思い切って旅行に行くのとかどうですか」
旅行!旅行かー行けたらいいとは思うけど、なんて言われるかなと思うと躊躇する。でも、沢渡さんのいうように私の代わりはいくらでもいる。それに、私は、な~んにも偉くないし、たいしたこともないしね。心の中で苦笑いしながら、だけどなんだか心の中が少し軽くなったような気がした。
「沢渡さん!ありがとうございます」