沢渡夢子と私
どうぞよろしくお願いしますと頭を下げあう私と沢渡さん。
沢渡さんは、まだ私と同じ位の歳なのだろうか?
では、高上さん何を落とされたのですか?
やばい、やばいよ!
なんて答えようかと頭の中がぐるぐると回る。
「落とし物は、何でも探しますよ。物でも他の何かでも」
他の何か?とはなんだろうか?
なぜ私は、あの貼り紙が気になったんだろうか?
分からない。何故?何故?
最近、残業続きだった。でも今日は、久しぶりに早く仕事が終わり速攻、家に帰ろうかと思ったのに、ふらふら買い物をしていたら、あの貼り紙と出会った。
「あなたの落とし物見つけます」の文字が浮かんで見えた。
とりあえず、ここに高上さんの一日のタイムスケジュールを書いてみてください。こう言われて、バインダーを渡されたけれど何を書いたらよいのやら。
朝起きてから夜寝るまでの一日の内容を書くようになっている。えーと、朝六時に起きて、朝ご飯を軽く食べて、仕事に向かい満員電車に乗る。楽しみは、お昼の時間。今日は、何を食べようかなと。その後ひたすら仕事をして、そろそろ帰りの時間だと思うが、残務で結局残業。
あ~書いていて嫌になる。
一日の勤務時間は、だいたい九時から二十一時になってしまう。
アルバイトの人を管理する仕事をしている。人を管理する器でもないのに。
通勤時間は、一時間三十分位。
家に帰りつくのは、スーパーなどによると二十三時を過ぎる。
まだ、若いのにへとへとな毎日だ。
やり甲斐のある仕事ならば、全然疲れないだろうが、私の人生どこで失敗をしたの。
自分の毎日の振り返りをしてしまっている。
沢渡さんは、この「落とし物探します社」を何故はじめたのかな。楽しいのかな?